人が権利者にどこまで従えるかを調べたミルグラムの実験というものがあります。
詳細は本文内でお話ししますが、人が権利者の命令に逆らえない様子と、道徳性を外れたことでもやるという残虐性が見える興味深い実験であります。
今回お話しする実験は心の話に該当しますが、メンタルヘルス要素を含んでいないため、読んでいて辛いのであれば読み進めずブラウザバックをして構いません。
ただし、ミルグラムの実験は多くの人に知って欲しい実験のため、どんなものかを説明させていただきます。
ミルグラムの実験とはどんなものか?

ミルグラムの実験とは、80人の被験者を用いて権威者の命令に人はどこまで従ってしまうのかを調べた実験で、実験の内容がやや残酷です。
実験内容は以下のようなものになります。
被験者がくじ引きで教師役か生徒役を決めるのですが、生徒役はサクラであり、くじを引いた結果、必ず被験者が教師役となります。
生徒役の人は隣の部屋にいて、教師役の被験者は生徒役の人に15V~450Vまで30個のボタンを押すことで生徒役の人に電気ショックを流すことが出来ます。
実際には生徒役の人に電気ショックを流す装置は取り付けられておらず、電圧が上がると生徒役の人が演技で行ったうめき声や悲鳴が流されるだけで、教師役の被験者が電圧を上げても、生徒役の人に危害を加えることはありません。
生徒役の人が問題を間違うと、被験者は電気ショックの電圧を15V刻みで電圧を上げるように指示をされているのですが、電気ショックの電圧を上げるとあらかじめ録音されていた電気ショックを受ける生徒役の人のうめき声や悲鳴が流され、あたかも本当に電気ショックを受けているかのようなうめき声や悲鳴が被験者の耳に届くのです。
普通に考えると、被験者の人が電気ショックの電圧を上げること自体に良心の呵責を感じ、電圧を上げることが難しいと思うかもしれません。
しかし、ここでキーとなるのが権威者の存在です。
権威者が被験者が電圧を上げることをためらうと「このまま続けてください」、「この実験は必要なものです」、「責任は我々が取ります」などと被験者に話し、実験の続行を促します。
結果として、約65%の被験者が最大の電圧である450Vまで上げる結果となり、全ての人が300Vまで電圧を上げました。
権威者の指揮の下では倫理観や良心に反しても命令に従うことを示す実験結果となったのです。
ミルグラムの実験に類似した実験が後世にも行われたのですが、その実験でも似たような結果となり、ミルグラムの実験には再現性があることも判明しています。
なぜ被験者は電気ショックの電圧を上げてしまったのか?
ミルグラムの実験では、全ての被験者が電気ショックの電圧を300V以上まで上げてしまいました。
被験者は困惑と良心の呵責を感じながらも、権威者の言うことを聞いて電気ショックの電圧を上げてしまいました。
その背景には以下のようなことが考えられます。
- 権威者の言うことだから大丈夫(責任を権威者に転嫁できる)
- 権威者の命令だから倫理観や良心に関係なく従わなければならない(権威への服従)
- 実際に電気ショックを与えていないのではないかという疑惑
3点目の、実験がサクラであることを理解して電圧を上げた被験者がいることは置いておきます。
注目するべきなのは、1点目と2点目です。
権威者は被験者が電圧を上げることを拒むと、以下の順番で電気ショックの電圧を上げることを促しました。
- 「続けてください」
- 「あなたに実験を続けてもらわなければいけません」
- 「あなたに続けてもらうことが必要なのです」
- 「あなたが続ける以外に選択肢はありません」
- 「責任は私たちが取ります」
1番目から4番目にかけてだんだんと強い言葉になっていることが分かります。
この言葉に屈して、権威者の言うことをたとえ倫理観や良心に反していても従ってしまう人がいるのは別におかしなことではありません。
そして、最後の「責任は私たちが取ります」という言葉ですが、この言葉により「この実験で何が起こっても自分が責任を問われることはないんだ」という心理が生まれます。
そのため、自分に責任はないと感じて電圧を上げる実験を続けてしまう人もいたと考えられます。
ミルグラムの実験と同様のことが実社会で起きている

ミルグラムの実験は、被験者80人すべてが人にとって大変激しい衝撃となる電圧である300Vまで電圧を上げてしまいました。
この実験の優位性については賛否あるのですが、このような実験結果が出たことは自分は否定しません。
また、ミルグラムの実験と似たようなことは実社会でも起きています。
例えば、会社の上司や経営者の中に「俺が白と言えば黒でも白だ」という考えの人がいたとします。
そして、その会社の経営者や上司が恐怖政治を行っていたとします。
するとどうなるでしょうか?
部下に恐怖心を与え、考える力を奪う。
そうなってしまうと、倫理観や良心で行動できなくなり、ただ上司や経営者の命令を聞くことになってしまい、その命令に従って淡々と仕事をするだけになってしまいます。
ここ最近ではSNSでの情報交換や転職が当たり前になってきているので、倫理観のない企業は問題視されるようになってきていますが、それでも倫理観のない会社の考えに染まり、自分の倫理観や良心に反したことをやってしまう人は一定数存在します。
特にブラック企業と呼ばれる会社ではこの傾向が強く、社員を洗脳して駒として扱うため、特に社会について何も知らない新入社員や学生のバイトが、自分の倫理観や良心に反した仕事をやってしまいがちです。
もちろん、最初は「おかしい」という気持ちが湧いてきます。
これは当然のことなのですが、会社の経営者や上司があたかも当然のように振る舞っていたり、話していたりしたら、それが自分の当たり前に染まっていくのです。
こうなってしまっては、自分の人生が台無しになります。
少なくとも心を豊かにすることが出来ませんし、その影響でお金を使い過ぎてしまいお金の豊かさを得ることも出来ません。
こうならないためには「おかしい」という気持ちがあるうちに、まともな考えの会社に転職することがカギとなります。
現職の会社側からの退職妨害などがあるかもしれませんが、屈してはいけません。
ミルグラムの実験のように人の苦痛が分かりながらも、権威者の指示で苦痛を与えるような人になってもいいのであればそれはそれでいいでしょう。
そうでなければ、早く倫理観のない企業からおさらばして、まともな企業に転職することをお勧めします。
よほどの無能ではない限りあなたを欲しがる企業はあります。
「おかしい」という気持ちを持ったら、権威者の態度や言動に屈せず、自分の考えを通すことも自分を守るために必要なのです。
今回のお話は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。