「あなたのために言っている」と言う人はあなたのために言っていない

広告 メンタルヘルス 心の話

「あなたのために言っている」という人はあなたのために言っていないので信じてはいけない

「あなたのために言っている」、「あなたのためを思って言っている」、こんな言葉を言ってくる人がいます。

実際にあなたのためを思ってくれればいいのですが、大抵はそうではありません。

今回はこの「あなたのために言っている」という言葉についてお話ししたいと思います。

「あなたのために言っている」の後は否定的な言葉が来る

「あなたのために言っている」の後に肯定的な言葉が来ることはまずありません。

ほぼ確実に否定的な言葉がやってきます。

「あなたのために言っているんだけど、その癖は見ていて不快なので直したほうがいいよ」

とか、そんな感じですね。

一見相手のことを思ってそう言ってくれているようにも見えますが、実際はそうではありません。

この言葉には裏があるのです。

「あなたのために言っている」の言葉に隠された相手の本音

「あなたのために言っている」という言葉はそのまま受け取ってはいけません。

裏にはとんでもない考えが隠されていたりするからです。

いくつか見ていきましょう。

1.自分が言ったことに対して責任を取りたくない

まず、「あなたのために言っている」と言う人は、相手を誹謗中傷していることは認識しているのですが、直接誹謗中傷してしまうと角が立ちます。

そこで、「あなたのために言っている」と言う言葉を使うことで「悪口ではないよ。」と言うことを相手に伝えて、角が立たないようにしているのです。

そうすれば相手を誹謗中傷した責任を自分が取らなくて済みますし、自分にとって都合がいいわけです。

人に言葉の暴力で傷つけておいて自分は責任を取りたくない・・・実に卑怯で身勝手な考えです。

2.相手に対してマウンティングをしている

「あなたのために言っている」という人は相手を下に見ていることがあります。

「自分の方が立場が上なんだよ。だからあなたのために忠告しているんだよ。」

だいたいこんな感じでしょうか?

基本的に目上の人に向かって「あなたのために言っている」なんて使わないわけです。

目上の人には「こう考えているのですがいかがでしょうか?」と提案するのが普通です。

つまり、「あなたのために言っている」と言う人は相手を下に見ていて、それを示したいがためにこの言葉を使っていると考えてもいいでしょう。

3.恩を着せることで相手をコントロールしようとする

これが一番厄介かもしれません。

「あなたのために言っている」と言うと「ああ、自分のために言ってくれるんだ」と思って素直に従ってしまう人がいます。

特に性格のいい人がこのような考えになりがちであり、「あなたのために言っている」をそのまま信じてしまいます。

しかし、普段パワハラをしてくる人がこの言葉を使ってきたときはかなり注意をした方が良いです。

パワハラをする人は自分が相手にパワハラをしている意識のないサイコパスもいますが、相手にパワハラをしていることが分かっていてパワハラをしてくる人もいます。

そういう人は、相手からの反発を恐れています。

そのため、「あなたのために言っている」と言う言葉を時々使うことで、相手を反発させず自分に従わせようとするわけです。

つまり、「あなたのために言っている」は相手をコントロールする手段としても使われ、性格のいい人が素直に従ってしまうと「あなたのために言っている」と言う人に自分の善意を利用され、搾取されることになるのです。

4.自分の価値をやんわりと押し付ける

相手に自分の価値観をストレートに押し付けると相手は良い気分になりません。

時には反発を招くことでしょう。

そこで、相手に反発されないように自分の価値観を押し付けるのに使われるのが「あなたのために言っている」です。

相手をコントロールするほどの強い悪意ではありませんが、自分の思うとおりになってほしいというわがままな意図があります。

やんわりと押し付けてくるというのが実にいやらしく、この言葉に対して否定的な反応を示すと怒るのは、自分の思い通りにならなかったからでしょう。

5.あくまでも自分のためであり、善意はない

1~4で挙げた考えに共通していることとして自分のためであり、相手のことなど全く考えていないということがあります。

たまに本当に善意で言ってくる人もいますが、善意で言ってくる人のほとんどは「あなたのために言っている」なんて押しつけがましい、おせっかいだと思われるようなことは言いません。

相手を傷つけないように言葉を選び説得するのが普通でしょう。

時には相談に乗り、自分からもギブをするようにする。

それが善意で指摘する人の特徴になります。

それをせずにいきなり「あなたのために言っている」という人は、ほぼ自分の意見を押し付けたり、自分の思い通りになってほしいだけの人であり、決して善意で言ってくれていると思ってはいけません。

「あなたのためを思っている」はおそらく詐欺を働く人も使っていると思います。

素直で聞き分けのいい人ほどこの言葉をそのまま受け取ってしまい、相手の思う通りに動き、搾取されることになります。

素直なこともたまにはマイナスに働きます。

「あなたのために言っている」と言われたら少し疑って見ることも大事です。

「あなたのために言っている」は本当に貴方のためを思っている人が使わない言葉である

「あなたのために言っている」という言葉の裏にどんな意図が隠されているか、前節で5つ紹介しました。

では、本当にあなたのためを思ってくれている人はどんな言い方をするでしょうか?

ほぼ確実に「あなたのために言っている」という言葉を使うことがありません。

あなたの考えや意見に寄り添い、時には厳しいことを言うかもしれませんが、そこに恩を着せる、自分の言葉に対しての責任を持たないという考えはありません。

なので、アドバイスについても的確であり、ただの否定に終わらず、あなたにとって非常に有用であるはずです。

そもそも相手の行動に何か提案や意見をするには、その相手のことを分かっている必要があります。

他人のことをしっかり分かっていれば「あなたのために言っている」などの言葉を使う必要は一切ないはずです。

自分なら「ここをこうした方がいいと思うよ」、「ここをこう考えるともっと良くなると思うね」などと言う言葉を使います。

これらの言葉にわざわざ「あなたのために言っている」という前置きの言葉なんて必要はないです。

本当にあなたのために思って言ってくれる人はそのことを十分に分かっています。


「あなたのために言っている」はテイカーの言葉です。

自分が不愉快な思いをしたから相手に言う。

自分の言葉で恩を着せて見返りを得たいから相手に言う。

自分が相手の思うとおりに動かしたい、相手をコントロールしたいから相手に言う。

でも自分の言葉に責任を持ちたくない。

あくまでも「自分が、自分が」なのです。

相手のことは一切考えておらず、自分が良ければすべていいのです。

相手の気持ちなんてどうでもいいのです。

ただ、相手が自分の言うことを聞いてくれればいい。

これはただのわがままであり、相手に対する改善提案やアドバイスではありません。


「あなたのために言っている」という言葉を使ってくる人に対しては気を付けた方がいいでしょう。

あなたが人の良いギバーであれば、善意を利用されることも十分に考えられます。

距離を置いて、場合によっては縁を切ったほうがいいでしょう。


「あなたのために言っている」と言う人とは健全な人間関係を構築することが出来ず、上下関係などが生じてきてしまいます。

上下関係が出来ると面倒で、何かあるたびに「あなたのために言っている」を使ってきて上から目線で話すようになり、人間関係を保つのが面倒になります。

「あなたのために言っている」を多用する自分のことしか考えない人との関係は考えた方が良く、どうしても「あなたのために言っている」に続く言葉を活かしたいのであれば、自分に役立つ部分だけを活かせばいいのです。

言われたことに対してすべて耳を傾ける必要はなく、役に立たないこと、腹が立つことに関してはスルーした方が心の健康にいいのは間違いないでしょう。

今回のお話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

-メンタルヘルス, 心の話
-, ,