暗号資産と言えばビットコイン。
ニュースでも話題となることがあり、ビットコインで儲けた人もいると聞きます。
しかし、ビットコインなどの暗号資産の利益は当然税金がかかります。
この税金が株の売却の時の税金とは異なるので、暗号資産を保有する場合は注意が必要になります。
暗号資産とは何か?
暗号資産とは、仮想通貨ともいわれるものであり、代表的なものとしてはビットコインがあります。
仮想通貨と呼ばれるように、実体のないものでありながら、取引所を通して売買を行うことが出来ます。
暗号資産はブロックチェーンという技術が使われており、この技術は他の分野でも応用されることもあります。
暗号資産と呼ばれることで、何か暗号の技術を使わないといけないのではないかと思う方もいるかと思いますが、必ずしもそうである必要がありません。
電子情報処理組織を用いて取引がされるかどうかがポイントになります。
暗号資産は配当がないので、コモディティの1つとして見てもいいかもしれません。
また、価格の上下が激しく、経済成長により右肩上がりになるというわけではなく、需要がどれだけあるかどうかで価格の変動が起きます。
この需要の先読みが出来れば儲けが出そうですが、素人がこの判断をするのは厳しく、ギャンブル的な投資(つまり投機と呼ばれるもの)になってしまうことも少なくはありません。
暗号資産で得た収益(売却益)は雑所得
株式や投資信託、ETFを売却した場合、配当が出た場合に発生した利益は所得税+住民税+復興特別所得税(いつまで取るつもりなんだろうか・・・)の合わせて、20%を少し超える程度の税金がかかります。
この20%くらいの税金は、証券会社で特定口座という自動で源泉徴収してくれる口座を開設して、そこに購入した株式や投資信託、ETFを保有するようにしておけば、こちらで何も手続きしなくても、配当金の受け取りや株式等の売却時の利益に対して自動的にかかる税金を差し引いて現金化してくれるので確定申告はしなくても問題ありません。
しかし、暗号資産を売却した時に発生した利益は違います。
暗号資産を売却した時に発生した利益は雑所得に分類されます。
つまり、累進課税制度に基づき、最大で約55%(所得税45%+住民税10%+復興特別所得税)の税金がかかります。
しかも雑所得というのは事業所得のように経費を差し引くことが出来ないので、発生した利益すべてに対して課税の対象となるのです。
そして、雑所得は損失を翌年に繰り越せないので、前年に損しても、今年に利益が出たら、今年に発生した利益に対してかかる税金が計算されます。
暗号資産でいくら儲けたという人がいますが、儲けた額が大きければ大きいほど持っていかれる税金に注意を払わなければなりません。
1億の利益が出たからと言って、それを贅沢して使い切ってしまうと翌年に多額の税金の徴収が来て人生を詰むことになります。
なので、売却時に利益が出た時にその分がすべて手元に残るわけではなく、確定申告をして税金として支払う金額を確定し、その金額を支払った残りが本当の利益であるということをきちんと覚えておかなければなりません。
これが理解出来ない人は暗号資産で損をしても利益が出ても痛い目に会うので、暗号資産を買うのはやめておいた方がいいでしょう。
自分は暗号資産には一切投資をしていません。
自分が購入しているのはインデックス運用の投資商品(ETF、投資信託)と高配当のETF、債券ETFのみです。
株や投資信託と同じ税制度を利用できないため、大きく儲けても税金でがっぽり持っていかれるからですね。
暗号資産やFXなどについては利益に対する税金の制度が整備されていないので(まぁ、税金を取る側としては美味しい税収となるので税制度を整備する気もないでしょうけど)、株や投資信託と同じ税制度にならない限りはあまり手を出さないほうがいいと思います。
そもそも暗号資産への投資は投資ではない
また、一つ問題なのが、暗号資産への投資は投資と呼べるものではありません。
安くで買って価格が上昇したら利益確定のために売る。
ただこれだけの世界です。
そのため、長期保有におけるメリットはなく、短期売買で利益を出すための投資手法になります。
短期売買で利益を上げる方法は投資ではありません。
投機と言います。
本ブログは暗号資産への投資は推奨していません。
なぜなら投機でありギャンブルと変わらないから。
世界を相手にする大規模なカジノと理解しても全く問題がありません。
大きく儲ける人がいるのは、それだけ負ける人がいるから成り立っているのです。
それでいて雑所得で税金を大きく持っていかれるのですからたまったものではありません。
本来であれば投資はプラスサムゲームでなければなりません。
しかし、投機にあたる暗号資産やFXなどはゼロサムゲーム。
投資家たちが出し合ったお金を投資家たち同士で奪い合うだけで、期待値は100%を超えることがない。
ゼロサムゲームやマイナスサムゲームの場合、投資の成功率は減ってしまいますし、失敗した時の損失もかなりのものになってしまいます。
せっかくためたお金を投資に回しても失ってしまうばかり。
こんな悲しい思いをするために投資をする人なんていないはずです。
投資対象はしっかり選ぶべきであり、少なくとも暗号資産は万人にお勧めではなく、多くの人がお金を失ってしまうものです。
そしてせっかく利益が出ても株以上に税金を大きく持っていかれてしまう。
これでは投資における収入のメリットをしっかり活かすことが出来ません。
「暗号資産には手を出してはいけない」
投資を始めようとする人は、この言葉をまず覚えておいた方がいいです。
まとめ
今回は暗号資産の利益にかかる税金に関してお話ししました。
また、暗号資産がゼロサムゲームで手を出してはいけないことも改めて説明しました。
暗号資産の売却で発生した利益は青色申告の使えない雑所得であり、経費がつけられないために発生した利益すべてが課税対象となります。
そして、税率は所得税が最大45%、住民税が10%、そして復興特別所得税、合わせて55%を超える税率となります(なお、累進課税制度なので55%の課税対象の収入であっても、相当な稼ぎを出さない限り実際の税率は55%よりも安くなります)。
株や投資信託の売却時の利益の税率が約20%、米国のETFの配当金は米国にも10%の税金を納めているため、そこから20%の税金がかかって合わせて約28%くらいになりますが、雑所得の税金に比べるとかなり良心的です(それに、つみたてNISAやNISAを使えば所得税、住民税、復興特別所得税が免税となります。新NISAが始まれば、新NISAの枠で保有しておくとお得です)。
ですので、資産運用の方法としては暗号資産はとてもお勧めできるものではありません。
暗号資産は積み立てで購入して資産運用をする方法としては不向きであり、このブログでも投資を推奨しません(大事なことなので二度言います)。
暗号資産に投資する場合もすべて自己責任ですが、自分からは「手を出すな」と言っておきます。
それでも暗号資産に手を出したい人を止めることはしません。
しかし、株や投資信託に比べると効率は良くないと思ってください。
本来であれば投資は一発を狙うものではありません。
一発を狙う投資は投機です。
一発を狙うものは投資もギャンブルも、多くの場合大金を手にできずに自分の身を亡ぼすことになります。
ですので、一発を狙うという気持ちそのものがダメであり、投資はしっかりと地道にやるべきものだということを改めて認識し、暗号資産には手を出さないよう、気を付けてほしいと思います。
ちなみに、暗号資産で勝つ人にはもともとお金を持っており、道楽で投資している人であることもあります。
また、値動きを予測できるセンスがあり、情報収集にしっかりアンテナを張って需要を見越して素早く行動するプロのような人もいます。
ギリギリの生活から一発逆転を夢見て暗号資産に投資する人は、そういう人に勝てるかを冷静になって考えてほしいものです。
今回のお話は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。