タンス預金をするだけでは利息がまったく付かないのでお金は増えない。お金を貯める手段の一つではあるが、時間が経つと価値が減る。

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タンス預金をするだけでは利息がまったく付かないのでお金は増えない。お金を貯める手段の一つではあるが、時間が経つと価値が減る。

銀行に預けずに自宅にお金をそのままためておくことをタンス預金と言います。

タンスの引き出しに入れておくことが語源だと思われますが、実際にはタンスの引き出し以外にも、金庫の中などに入れておく場合もあります。

しかし、このタンス預金ですが、お金を紙幣や硬貨などの現物で貯めておくことになり、銀行や郵便局に預かってもらうわけではありません。

そのため、銀行や郵便局に預かってもらう場合に比べてデメリットもあります。

特に盗難や火災のリスクはしっかりと把握しておく必要があります。

タンス預金とは?

タンス預金のイメージ

タンス預金とは現金で家の中に貯めておく貯金のことです。

銀行に預けるのではなく、自宅に保管しておくお金であり、タンスの中に限らず金庫など、様々な方法でタンス預金を行っている人はいると思われます。

現金で保有しておくことでお金の流動性が高くなる貯金だと言えるのですが、このタンス預金の場合を行う場合は、銀行や郵便局での預金とは異なり、注意するべき点が出て来ます。

タンス預金は利息が付かない

まず、タンス預金は銀行に預けていないので利息が付きません。

銀行の預金の利息は10万円の預金で1円の利息になるなど、本当に微々たるものなので、そこまで強く意識する必要はないのですが、預けたお金が増えるというメリットは受けられなくなります。

つまり、家に置いておくお金は10年経っても20年経っても同じ金額であり、ここに利息というお金が増える手段が絡むことはありません。


ただし、銀行に預ける場合よりもいいこともあります。

それは預金の引き出しの手数料がかからないということです。

預金の引き出しの手数料は土日や営業時間外にATMを利用すると発生する手数料であり、個人的にこの手数料はかなりぼったくりであると思っています。

この手数料があるために、手数料を支払う預け入れや引き出しを繰り返すと逆にお金が減っていくという問題があります。

これに関してはこちらの記事でも触れていることになります。

この手数料がかからないことは一つの大きなメリットでもあり、お金をいくら出し入れしても元のお金が減っていかないのであれば、場合によっては預金よりも優秀な貯めたお金を保管する手段であると言えます。

タンス預金はインフレに弱い

デフレ経済と言われ続けた日本ですが、最近はかなり状況が変わってきています。

日本でも物価高騰が起こるようになり、原価が上がるために起きるインフレであるコストプッシュ型インフレというものが最近起きています。

このコストプッシュ型インフレは景気が良くなっているわけではないので、給料が上がるということがありません。

そのため、生活のレベルを落とす必要が出てくるため、同じ収入では以前と同じ生活を続けることが出来なくなってしまいます。


また、物価が上がるということは円の価値が下がっていくということでもあります。

円の価値が下がると、当然タンス預金で貯めていたお金の価値も下がっていくということになります。


このインフレが継続的に起こるか現在では見えませんが、今後は毎年2%くらいのインフレが起きるようになった場合を考えてみましょう。

インフレの数値の2%は単利ではなく、複利の数値です。

つまり、1万円の値段ものが1年後に1万2百円になり、2年後に1万4百4円になるというイメージです。

複利になると72を利率で割った年が経過すると倍になるという72の法則が成り立ちますので、36年後に値段が2万円くらいになっています。

36年経つと、1万円で買えていたものが2万円でしか買えない、これはどういうことかと言うと1万円の価値が36年で半減しているということになります。

200万円でおつりがくるくらいの値段で買うことが出来ていた車がいつの間にか200万円では買えなくなった。

10年間必死に貯めた200万円を金庫から取り出して自動車のディーラーを訪れて「この車を買いたい」と言っても、「そのお金では買えませんよ」と言われてしまう。

10年前であれば十分買えていたのに、10年で25%くらい物価が上がってしまったのでそう言われてしまう。

これがタンス預金に頼ることのリスクとなります。

タンス預金は火災などのリスクを回避できない

タンス預金は、火災で保管していたタンスが焼失したり、金庫の中の紙幣が炭になってしまうと貯金していたお金がすべて失われることになります。

つまり、お金を紙幣で持っておくことで、火災が起きた時などに失うリスクが出てくるわけです。



また、盗難があった場合も銀行預金などと異なり暗証番号の間違いによるロックもかからないため、預金をそのまま盗まれて戻って来なくなる可能性があります(金庫に入れておくとリスクが減りますが)。

犯人が捕まれば盗んだお金が戻ってくるかもしれませんが、犯人が捕まらない場合は泣き寝入りすることになります。


タンス預金のお金は自分の家に戻らないと引き出せません。

しかし、その家に何か問題が起きると、お金そのものがなくなってしまうという可能性があることもしっかりと把握しておく必要があります。

タンス預金はあくまでもキャッシュポジションとして使う

タンス預金はお金が増えていくことがないので、予期せぬ出費が発生した場合に使うお金として貯めていくくらいでいいと思います。

タンス預金のみに頼ると、日本に緩やかなインフレが起きるようになった場合、お金の価値自体が減っていくので、今は100万円の価値でも将来は今の100万円分の価値がないということになります。

お金を貯めていくのであれば、預金や定期預金の方がまだよいと思います。


また、タンス預金として現金をそのまま持っていくことは盗難や火災の時にすべて失ってしまうことがあるため、正直大金を保管しておくことはオススメできません。

銀行の利息もほぼないに等しいのですが、セキュリティ面が優れていますし、銀行が倒産した時の預金の補償もあり、お金が盗まれても預金が減ることがありません。

今後日本がインフレが起きないと確信しているのであればタンス預金はいいのかもしれませんが、自宅にお金を保管しておくことはリスクを伴うことです。

利息も付かないのでお金が増えていくことがなく、銀行預金の代わりに数百万、数千万を持っておくことは控えた方がいいです。

あくまでも現金が必要な際の一手段として、決してメインで使用しないことをお勧めします。

今回のお話は以上となります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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