投資信託には、配当があるものと配当がないものがあります。
そして、配当が出る投資信託の中には毎月配当が出るものがあります。
この毎月配当が出る投資信託には注意が必要なので、今回はその件についてお話しします。
投資信託とは?
まず、投資信託とは何かについてお話しします。
投資信託とは、投資家から資金を集め、運用会社が株や債券を買って運用するものです。
テーマなどがあり、ETFと違い投資対象の株や債券についての情報が明確に開示されていません。
投資信託によって毎月かかるコストが異なり、投資信託の選び方によって資産運用の成績が大きく変わります。
毎月分配型の投資信託を買ってはいけない理由
毎月分配型の投資信託を買ってはいけない理由は、まずはキャピタルゲイン(運用益)が期待できないことです。
毎月分配があるということは、純資産から毎月、分配用の資産が出て行くということです。
つまり、毎月の分配が純資産の増加を抑えることとなり、その分基準価格が上がりづらくなります。
さらに注意するべきこととして、毎月配当が出ることにより、基準価格が下がっていくものもあります。
これは、自分で投資した分を配当として受け取るという理解も出来、しかも配当には約20%の税金がかかります。
つまり、税金の分だけ損をしてしまいます。
基準価格が下がっているのに配当が出る状態にも注意しないといけません。
これはタコ足配当とも言われるもので、運用益以上に配当を支払っているので、全体の資産額がどんどん少なくなっていきます。
そのため、長続きしない投資信託か、資産運用には向かない投資信託と言えます。
毎年かかる信託報酬のコストも馬鹿には出来ません。
毎月配当が出る投資信託で、毎年かかる信託報酬が安いものはほとんどありません。
正直、インデックス運用の投資信託を買った方が、コストの面でも運用益の面でもいい成績が出せると思います。
毎月分配型の投資信託でも投資していいものがある
毎月分配型であればどれもダメかというと、そう言い切れないのが投資の難しいところです。
毎月分配型で投資していけないと強く言えないのが米国債券のETFとなります。
分配金自体はかなり低いのですが、分配金の元が債券の配当であるため、債券がデフォルトしない限り元本が減っていくことがありません(ただし、HYGというジャンク債で構成されている債券ETFは注意が必要です)。
配当が少ないため毎年当たりのリターンは低いのですが、ローリスクの資産として資産の一部として持っておく分には問題ありません。
基本はインデックス運用の株の投資信託やETFで資産を増やしておくことを忘れず、毎月分配型の投資信託には手を出さないことを改めて認識してください。
人気の投資商品だからと言って、成績が良いとは限らない
毎月分配の投資信託は、毎月分配というのが魅力的に映るのか、人気のある投資商品となっています。
しかし、人気があるからと言って成績が良いかと言われると、そうでもありません。
投資において最も意識しなければならないのは複利の効果です。
毎年5%の年利で運用すると15年で倍になるのが複利の力です。
複利はローンなどで敵に回すと厄介な存在ですが、味方にするとこれほど頼りになるものはありません。
毎月分配の投資信託は基準価格が上がるどころか、下手をすると下がることもあります。
投資信託を長期的に見て継続した成果が出なければ、複利の力を活かすことはできないのです。
人気だからという、行列の出来ているラーメン屋に並ぶような感覚で毎月分配型の投資信託を買うと痛い目にあいます。
ちなみに自分が保有している投資商品の中に、毎月分配型の投資信託は債券ETFを除くと存在しません。
他はすべて株のインデックス投資となっています。
毎月分配型の投資信託は毎年かかる信託報酬というコストが大きく、年1%を超えるものも珍しくはありません。
1%というのは短期ではそこまで差が出ませんが、長期で見るとかなり利益に差が出ます。
30代から70代までに人気の投資商品ですが、本当に所有していいのか慎重に考えましょう。
冷静に考えると保有するメリットが小さい投資商品であることが分かるはずなので、投資しようとしているお金をぜひ複利の力が活かせる投資信託に回してほしいと思います。
世の中にはやってはいけない投資があることも理解しましょう。
今回のお話は以上となります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
※本記事は写真ACの画像を使用させていただきました。