自分の経験した苦労をそのまま押し付ける上司は最低の上司である

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自分の経験した苦労をそのまま押し付ける上司は最低の上司である

「俺の若いころはこんなもんじゃなかった」

「今の奴はこんなことで病むなんて根性がない」

こんなことを言い聞かせられて仕事をしている人もいるのではないでしょうか?

しかし、自分が苦労してきたからと言って部下にそのまま同じことを押し付けるのは無能である証です。

まぁ、最低の上司と言えるでしょう。

今回はこのような自分の経験した苦労をそのまま押し付ける上司について話して、自分が決して同じことを部下にしないように注意してほしいと思います。

過去に苦労してきたこと自体は悪いことであるとは言えない

今の時代に同じことをやると問題になりますが、バブルや高度経済成長期の頃は部下に対して恫喝する、殴るなんて言うのは当たり前だったと聞きます。

また、「24時間戦えますか?」というCMのセリフの通り、とにかく働くことが美徳とされてきた時代でもあり、今に比べて景気が良く、イケイケの雰囲気がある時代でした。

当時はオフィス内で堂々と煙草を吸うこともできていたようです。

そんな時代のサラリーマンは確かに上司から「かわいがり」を受け、それでも「こんなことに負けない」という精神で頑張ってきたと思います。

当時はこんな時代であったからこそ、この時代の働き方を批判できるものではないと思っています。


しかし、時代が変わると仕事の価値観も変わる。

そこで、自分たちが高度成長期やバブル期に受けてきたことをどう部下に伝えていくかが大切になってきます。

自分が過去にしてきた苦労を他人に押し付ける上司は無能である

では、自分がバブル世代から2000年代前半くらいまでで苦労してきたとしましょう。

その苦労を自分の部下に対して同じことをさせるというのは一体どういうことなのかと思います。

自分が過去に苦労してのし上がってきたから、同じことを今の部下に対してやれば付いてきてくれると思っているのかもしれない。

とにかく厳しくして部下に鞭打つことが部下の成長につながる。

こういうことを本気で思っている人が、自分が過去にやってきた苦労を部下にそのまま押し付けるタイプではないかと思います。


しかし、今は令和。

昭和でも、平成でもありません。

働き方改革で、より働きやすい環境づくりが求められ、パワハラについても中小企業までを法の対象とし、しっかりと対策が求められるようになりました。

高度経済成長期やバブル期の頃は部下に厳しくしても飲みニケーションや仕事以外でのフォローがあり、上司と部下の信頼関係をうまく築けていたのです。

そして、給料は働いた分だけしっかり上がり、定年まで会社に居続ける体制がきちんとできていました。

そのため、仕事一筋で頑張っても安心して頑張れる時代であったわけです。


しかし、今の時代は終身雇用が崩壊し、いつ首を切られるかが分からない。

働いてもなかなか給料も上がらない(大企業の春闘やベアとは無縁の世界で中小企業の社員は働いています)。

そのため、仕事一筋で頑張っても安心して頑張れる時代ではなくなったのです。

それに加えて、物価上昇、不景気、増税や社会保険料の負担増という三重苦があり、今働いている人は、バブル時代や高度成長期時代の人と同じ給料をもらっても、生活がかなり苦しい状態で、ストレスを抱えながら生活しています。

そんな時代でも自分が高度成長期やバブル時代にしてきた苦労をそのまま部下に押し付けるという行動は、明らかに時代に合っていないと言わざるを得ません。


また、このようなことを今になってもやる上司は、何も考えない、自分が正しいと思っているという愚かな考え方を持っているだけではなく、ただ表面だけを昔の時代の真似をしていることも少なくはありません。

部下に対して叱ったら叱りっぱなしであり、精神的、肉体的攻撃をするパワハラは上等である。

その後の部下に対してのフォローは何もない。

こんな感じで、きちんと部下との信頼関係を築かずにバブル時代のような古い考えを押し付けるから、そんな上司を無能と言っているわけです。

自分が過去に苦労してきたのであれば、どうすれば部下に同じ苦労をさせずに済むかを考えることが重要である

本来であれば自分が過去に苦労してきたのであれば、部下にどう接すると部下が効率よく、同じ苦労をさせることなく、自分と同じように育っていくか?

これを考えるのが上司の仕事です。

ただ、仕事の指示をして、部下に無理をさせてダメ出しをするだけでは、その上司は三流と言えるでしょう。

部下が働きやすい環境にするためにはどうするか、部下が自分を信頼してくれるにはどうしたらいいか、これらを考えるのが上司の立場である人の仕事です。


よく、上司は部下よりも立場が上だと思っている人がいますが、これは大きな勘違いです。

部下と上司は対等なんですよ。

これはほとんどの人の上に立つ人が勘違いしていることです。

今の時代は部下は仕事を退職して、転職して他の仕事を選べる立場なんです。

今は転職が当たり前であり、有能な部下がいれば、上司が無能であることが分かると自分の成長の限界を感じて辞めていきます。


上司は部下と主従関係を作って部下を働かせる時代ではないのです。

だから、上司も部下が上司に気を遣うのと同様に、上司も部下に対して気を遣わなければならない

自分のやってきた苦労を部下にそのまま押し付ける行為は、このん部下に対する気遣いが全くできていないわけです。


部下の立場に立ってみればわかることかもしれませんが、残念なことに今の部下と今の上司が考える部下のイメージには差異が生じています。

だから、今まで自分が経験したことをそのまま押し付けるような上司は今の部下の立場というのをイメージすることが出来ません。

今の時代、ミレニアム世代やZ世代は自分で稼ぐことに積極的である人も増えており、仕事の価値観も多様化し、一筋縄ではいかなくなってきます。

ブラックだとわかればすぐに辞めていきますし、それがSNSで拡散され、ブラック企業が世の中に知れ渡ることで人手不足が起き、仕事が激務化してさらに人が辞めていくということも起きやすくなっています。


バブル世代までの人が経験してきた苦労は、その時代であったからこそ通用するものです。

今の時代はその頃よりもストレスとなる要因が多く、よほど会社に自分の人生を捧げる覚悟がある人ではない限り、うつや精神疾患の発症の原因ともなります

今の時代、パワハラやモラハラという言葉の通り、昔に比べて精神的暴力や身体的暴力に拒否感を持つ人も少なくはありません

だからこそ、自分が今までしてきた苦労を部下にそのまま押し付けるのではなく、どうやって効率よく部下を育てていくか、どうやって部下に仕事に興味を持ってもらい、成果を出してもらうか。

という考え方が重要になってきます。

もしこの考えがない企業は今後淘汰されていく対象となるでしょう。

ですので、今まで自分が経験してきた苦労をそのまま押し付けるのではなく、その経験から何を学んだのか、それを部下に伝えることが重要になる時代になっていると思います。

今回のお話は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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