何かにつけてマウンティングをしてくる人がいますが、マウンティングをやり返したりしてはいけません。
そもそも相手に対してマウンティングをすること自体が良くないのです。
マウンティングをするというのは、劣等感などから来る自分の心の隙間を埋めるためにやろうとしているのですが、実際にマウンティングをしても自分の心の隙間を埋めることはできません。
今回はマウンティングをしてはいけない理由と、マウンティングをしないようにするためにはどうすればいいかをお話しします。
マウンティングとは何か?
まず、マウンティングとは何かということについてお話しします。
一言で言うと相手にとって不快を与える嫌な行為です。
マウンティングというのは自分が優位であると分からせるために、あえて自慢話をしたり、相手を下げるような発言をしたりすることです。
マウンティングを行うというのは、それ相応の理由があります。
後の章でお話ししますが、本当に強い人はわざわざ自分の能力の高さを自慢することはありません。
能ある鷹は爪を隠すのです。
爪を見せつけて脅かしてくるのは狩りもまともにできないような無能な鷹なのです。
マウンティングには自分自身を自慢するものと、自分以外の人や物を自慢するタイプがあります。
前者は自分の学歴や過去の栄光を自慢するタイプ、後者は自分の夫の年収や、自分の友人が著名人であることを自慢することなどがあります。
特に後者は自分に何も取り柄がないことをわざわざ晒しているようなもので、聞くに堪えませんね。
マウンティングは単純に醜い行為である
マウンティングをされて気分がいいという人はいません。
「この人はすごい人なんだな」と受け取る人は、他人の言葉をそのまま受け取るものすごく素直な人か、あまり人の話を疑って聞かない純粋な心を持った人でしょう。
ただ、多くの人はものすごく素直でもないし、幼い子供のような純粋な心を持っているわけでもありません。
外面では相槌を打っているように見えても、内心では「ああ、またか」、「自分のことを見下しているのか?」などと思うでしょう。
マウンティングというのは基本的に不快な行為です。
上から自慢をされていい気分になる人はいません。
マウンティングをする人はこれが分かっていないのです。
マウンティングをすること自体もそうですが、そもそも人を見下したり、自分が上であることを示そうとすること自体が愚かな行為であり、これで人が付いてくると思っている人は親友は出来ません。
表面だけで終わる人間関係しか築けず、何かの拍子にフェードアウトしてしまう。
そんな人ばかりが集まってしまうのです。
人をしっかり見て見極める人にとってはマウンティングをする人はとても醜い人に見えます。
マウンティングをする人はそれしか能力がない人というのを見抜いてしまうわけです。
自分の過去のことを自慢しても「じゃあ今の自分はどうなの?」という話になりますし、年収一千万円の夫と結婚したという話を聞いても、「では、あなたはその夫に何をしてあげられているの?」と思ってしまいます。
マウンティングをする人にこの疑問を直接ぶつけても不機嫌になるだけでまともに答えられないですし、「ああ、この人は自分磨きをしていないんだな」と思えるようなことを晒している醜い行為であることに気づいていないこと自体、自分が本当は弱者であるという現実から目を背けて、その状況を改善する努力すらしない人であるという印象を相手に与えてしまいます。
マウンティングをする張本人は、このことに気づくことはありません。
だからマウンティングをし続けるわけです。
マウンティングする人は劣等感を持っている
マウンティングする人は、わざわざ自分の優位性を相手に示してきます。
それはなぜなのでしょうか?
理由は明確であり、マウンティングをしないと自分が優位に立つことが出来ないからです。
マウンティングをする人は自分に何らかの劣等感を抱えています。
しかし、その劣等感を克服するだけの心の強さがありません。
だから、本来の自分より大きな自分という虚像を作り出して、その虚像を使ってマウンティングをすることで、自分の心を満たそうとするわけです。
本来であれば劣等感を克服するためには自分で努力して克服していくのが一番の方法なのですが、マウンティングをする人は努力をせずに手っ取り早く、相手より優位に立とうとします。
だから昔の自分の学歴を自慢したり、ブランド物を買って自慢したり、夫の年収や職業を自慢したり、そんな簡単な方法で自慢してくるわけです。
マウンティングをする人はマウンティングをすること以外に能力がない。
そして自分に自信がない。
個人的にはそう思っています。
なぜなら、本当に自分に自信がある人はわざわざ自分の虚像を作って自慢をする必要がないからです。
何もしなくても人柄の良さや実力から来るオーラのようなものが出ているので、人が集まってくる。
そして、その人たちを見下したりすることをせず、対等に接することができる。
でもマウンティングをする人は人柄の良さもないし、実力がないので人を集める力もない。
結局、マウンティングをすることでしか人より上に立つことが出来ないのです。
マウンティングしてはいけない理由とマウンティングをしないようにする方法
ここまで述べて来たとおり、マウンティングは相手を下に見て自分を誇示する行為です。
そのため、マウンティングを取るというのは自分と相手を対等に見ていないということになり、きちんとした人間関係を築くことができないのです。
人を見下すという行為自体が問題であり、上から目線の人を快く思う人はいません。
苦労せずにお金を手に入れたなど、何かしらのステータスがあればまだ人が付いてきますが、それでも親友と思える関係は成立せず、自分にとって都合のいい部分だけを受け取り、それがなければ去っていくような人ばかり集まってきます。
また、上には上がいるものです。
何かでマウンティングをしていた場合、マウンティングしていたことに関して実力が上の人が現れた時、マウンティングが出来なくなってしまいます。
そして、その時に自分に誇れるものが何もないので、自分を良く見せる武器が全くなくなってしまいます。
マウンティングばかりしていると、それで心を満たそうという習慣が出来てしまいます。
自分は大して努力もせず、相手には上から目線。
こんなことばかりをしていると、自分の性格も悪くなっていきます。
マウンティングをして相手から表面的な相槌を打ってもらえる自分に陶酔し、さらにマウンティングをしようとする。
こんな人は人格者とは呼べません。
マウンティングをするたびに心は荒み、さらに心は醜くなる。
マウンティングする材料がなくなると、その醜くなった心が曝け出され、それを見た周りの人はどんどん離れていく。
そして最終的には周りからの信用を失い、孤独を味わうことになるのです。
マウンティングをすると一時的には心は満たされるかもしれませんが、自分の内面は一切変わりません。
だから、マウンティングをするだけでは根本的な原因の解決にはならず、自分を変えることが出来ず、泥沼にはまっていくのです。
マウンティングをすることが何年も続くと、自分を成長させる機会をそれだけ失ってしまいます。
そして、自分の実力が周りよりもさらに下になってしまうため、余計にマウンティングに頼らざるを得なくなる。
楽にできる外面を良くするだけの努力だけしかできず、現実と向き合って自分の内面を良くしようとする努力をしようとしない。
なぜなら、その努力はかなり苦労を伴うから。
しかし、本当に自分にとっていいのは内面を良くしていく努力をすることであることは確かです。
マウンティングを止めて内面を磨く努力をすると、最初は結果が出ないかもしれませんが、続けていくうちに結果が出てきて、人間的な魅力が出てくるようになる。
そうするとわざわざマウンティングをしなくても人が集まってくるようになります。
他の人よりも劣っていると思ったら、それだけ努力をすればいいだけです。
マウンティングをすることは、疲れているときにエナドリを飲むことよりも自分の人生にとって良くないことです。
問題を根本的に解決しないので、いつまでたっても現状を変えることが出来ません。
現状を解決するために最も必要なことはマウンティングするのをやめて、自分の内面を磨くことだけです。
マウンティングをする癖がある人は自分の心と真剣に向き合っていないことも多いと思います。
自分の心としっかり向き合って、足りない部分を埋めてみましょう。
そうするとマウンティングをする理由がないことに気づき、マウンティングをする意味がないことが分かり、自然と他人と接することが出来るはずです。
今回のお話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。