今回も『ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集』より、「ソロモン王のウィズダム」の話を紹介します。
ソロモン王からウィズダムを教わるため三人の兄弟がソロモン王のもとで仕える話です。
三人の兄弟はウィズダムの代わりに金貨を与えられるのですが、果たして無事に家に帰れるのか?
そこをよく注意して読んで欲しいと思います。
「ソロモン王のウィズダム」の話の内容
ソロモン王が賢人であることを聞いた三人兄弟は、ソロモン王にウィズダムを教わるまで仕えさせてくれと頼みこみ、ソロモン王のもとで仕えることになります。
しかし、三年経っても一向にソロモン王は三人兄弟にウィズダムを教える気配がありません。
そこで三人兄弟は「ウィズダムを教えてもらえないためお暇を頂きます。」とソロモン王に話し、ソロモン王に仕えるのをやめます。
ソロモン王は「三人が仕えてくれたお礼に金貨100枚を渡す。それをウィズダムの代わりと思ってほしい。」と三人兄弟に伝えます。
三人兄弟は金貨100枚に目がくらみ、「もうウィズダムは結構です。金貨100枚を持って国に帰ります。」と言って家に帰ろうとします。
しかし、三男だけがやはり「ウィズダムを教えてもらいたい」と考え直し、ソロモン王に100枚をソロモン王に返し、ソロモン王より以下の3つのウィズダムを教えてもらいます。
- 旅は日が昇ってから宿を発ち、日が落ちる前までには次の宿に入ること
- 川の水が増水しているときは水が引くのを待ってから渡ること
- 家に戻ったら妻に起こったことを正直に話すこと
お金に目がくらんだ長男と次男は家を目指して急いで家に帰ろうとしますが、適切な判断が出来ずに命を落とします。
ウィズダムを忠実に守った三男は金貨を持たずに城を出ますが、途中で見つけた長男と次男の亡骸を手厚く葬り、長男、次男が持っていた金貨を回収します。
そして川の水が引くのを待ち、川を渡ることになるのですが、ここで川を渡るのに失敗して亡くなったロバに括りつけられた金貨の入った袋も回収し、家にたどり着きます。
三男は、妻に帰るときに起こったことを正直に話し、妻はそれをすべて信用しました。
しかし、兄嫁たちが長男、次男に手をかけて金貨を自分のものにしたとして三男を告発します。
ソロモン王は自分が教えた3つのウィズダムを守った三男に嘘はないとして、三男に無罪を言い渡しました。
お金に目がくらむと大切なことを忘れる

この話で長男と次男はソロモン王のウィズダムより金貨100枚という目先のお金を選択しました。
しかし、その結果ウィズダムを聞けなかったことで、命を落としてしまうことになります。
三人兄弟の目的はソロモン王からウィズダムを授かることであったはずです。
でも、長男、次男はその目的よりも金貨を優先して、帰りの道で起こったことに対処出来ませんでした。
目先のお金に目がくらむと物事が良く見えなくなることを「ソロモン王のウィズダム」の話で教えている、自分はそう思いました。
また、賢明な判断はお金に勝ることも「ソロモン王のウィズダム」の話から読み取れます。
三男はいったん金貨100枚を受け取りますが、お金に魅了されずに冷静になって本当の目的を思い出し、お金よりもウィズダムを取りました。
ウィズダムとはぼんやりとしたものではなく、こんな時にこうすると言った具体的なものであることが分かるかと思います。
知恵よりもはっきりとしたものであり、複数の解釈にならないもの、それがウィズダムの特徴です。
三男は帰る時に必要なことをソロモン王から具体的に教わったこと、そしてそれを忠実に守ったことで、手ぶらで城を出たのにもかかわらず金貨をもって自分の家まで帰ることが出来ました。
長男と次男、三男の違いはお金よりもウィズダムを取るかどうかの判断です。
お金よりもウィズダムが欲しいと考え直した三男は賢明な判断をしました。
この判断が生死という明暗を分けたのです。
ソロモン王が3年間立っても三兄弟にウィズダムを伝えなかったのはなぜか?
ここにも疑問が生じるのではないかと思います。
思うに、ソロモン王は三人兄弟に本当にウィズダムを授けるべきか試したかったのではないでしょうか?
三年間仕えた時に「お暇を頂きます」と三兄弟が言った時点で、ソロモン王は三兄弟に「お金を取るか、ウィズダムを取るか」の選択を与えました。
お金を取った長男と次男は不合格、三男だけがソロモン王にとって合格になったのだと思います。
お金は使えばなくなりますが、ウィズダムは覚えている限り一生残り続ける。
つまり、ウィズダムは使ってもなくならず、直接お金にはならないがお金よりも大切なことを教える生き方の指南である。
それが結果としてお金や幸せを呼び込む。
ウィズダムという言葉は日本ではほとんど使われることはないのですが、こんな意味の言葉であると自分は理解しました。
知恵や知識はお金より勝る。
お金をただ手に入れるだけでは、ほとんどの人は気分が高揚し、周りを見る視界などがかすんでしまいます。
それにより、判断ミスをしてしまい、お金を失うどころか、場合によっては命を失うことにもなる。
なので、お金を手に入れるのには順序があります。
まずはウィズダムと呼ばれるような具体的な知恵、そしてお金を手に入れるために必要な知識を身に付けること。
その上でお金を手に入れることを考えること。
最初の知恵や知識を手に入れるという手順をすっぽかしてお金を手に入れてもろくなことが起きません。
そういえば、過去に宝くじに当たった人が今どうなっているかをテレビで放送していたのを思い出しました。
番組に登場した宝くじの高額当せん者のほとんどが当せん金を使い切っており、中にはFXなどに手を出してすっからかんになった人もいたようです。
なぜこういうことが起きるかというと、「お金を手に入れることだけ」を考えて、使うことに対して無知だったからです。
過去の金の冠を被った雀の話でもありましたが、突然の大金を手に入れたことで、派手な暮らしに変えたり、キャバクラやホストクラブで豪遊するようになる。
それでは、お金を目的に寄ってくる人のカモになるだけです。
今回のタルムードのお話にはお金を使うことに関しては言及されていませんが、お金を使うことに関しても必要な知恵や知識が存在します。
その知恵や知識が無い状態で大金を手に入れても、お金の使い方を知らないのだから、無謀なお金の使い方をしてしまいます。
大金を手に入れるためにはそれ相応の知恵や知識が必要なのです。
「大きなお金を手に入れたら、それを他人に話さず自分だけの秘密にしておくこと」
「大きなお金を手に入れるためには、並の人以上の努力をし、自分で稼げる商売を見つける」
これも、お金に関するウィズダムと考えていいのかもしれません。
まとめ
今回は『ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集』より「ソロモン王のウィズダム」の話を取り上げてみましたが、この話はお金とは直接関係のないことかもしれません。
しかし、具体的にどんな時にどうすればいいというのがウィズダムであり、このウィズダムが時には金貨100枚よりも価値があること。
目先のお金よりも知恵や知識を手に入れることの重要性を語った話であったと思います。
目先のお金を取るか、お金や幸せに結びつくウィズダムを取るか?
大抵の人は目先のお金を選んでしまいがちです。
しかし、よく考えてみて欲しいのです。
お金は使えばなくなります。
お金は使ってしまえばそれで終わりなのです。
自分の知恵として残りませんし、お金をもらったからと言って何かの成長につながるわけでもない。
ここで投資に回すのであればまだいいのですが、そんな人はわずかでしょう。
投資に回すにしても証券会社の担当者にうまく説得されてきちんと資産運用が出来ないことも多いでしょう。
生きるのに一番大切なのはお金ではない(お金の大切さはタルムードでも否定はしていません)、生きるための指南である。
この事をよく理解しておくと、他の人よりもうまく生きることが出来るかと思います。
もう一つ、ウィズダムに関する話が『ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集』には紹介されています。
こちらの話を聞くと、よりウィズダムの重要さが分かると思いますので、ぜひ次の話も読んで頂ければと思います。
今回の話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
