何かをやってうまくいかない場合に他人や環境のせいにする人がいます。
他人や環境に問題があるときも確かにあるのですが、自分自身に問題があるケースも少なくありません。
そこで、今回は、まずは自分を疑ってみることについてお話ししたいと思います。
他人や環境のせいにすることは簡単である
何かをやっていて「あの人がきちんと管理してくれないからうまくいかなかった」、「今回は周りの環境が悪かったからうまくいかなかった」と、他人や環境のせいにすることは簡単です。
しかし、これではもし自分に問題がある場合は何も解決しません。
仕事でもプライベートでも同じであり、仕事の結果だけではなく、周りとの人間関係でも同じことが言えます。
もし自分に原因がある場合に自分の言動や行動を疑わずに他人や周りの環境のせいにしてしまうと、問題が解決していないため、次に同じことが起きた時に同じ失敗を繰り返してしまいます。
それでも自分に原因があることに気が付かない場合、同じことの繰り返しでは一生改善することがありません。
なので、自分の行動や言動に原因があると気付くことはとても大切です。
うまくいかない原因が本当に他人や周りの環境のせいの場合がある。でも・・・
「まずは自分を疑え」とタイトルに付けましたが、何かをやってうまくいかない原因が本当に他人や周りの環境のせいの場合もあります。
しかし、まずは自分の行動や言動に問題がないか、疑うことが大切です。
まず、自分の行動や言動を振り返り、何か問題がないかをチェックして、その後に他人や周りの環境に問題がないかを確認する。
この順番が大切です。
この順番を反対にしてしまうと、他人や周りの環境のせいにしてしまい、自分の行動や言動に問題があることに気が付かないからです。
また、他人や周囲の環境に原因を見つけたところで満足してしまい、自分自身の行動や言動を振り返らないようになることも多々あります。
自分の行動や言動に問題があることに気が付かないと、うまくいかなかった本当の原因が見つからず、次につながる改善点も見えず、環境や周りの人間との付き合いを変えるだけで、うまくいかなかったときと同じ行動を繰り返してしまう。
環境や周りの人との人間関係を変えるだけでたまたまうまくいくことは確かにあります。
しかし、これは偶然うまく出来ただけであり、自分が成長したから成功したわけではないのです。
そのため、どこかでつまずいて再びうまくいかなくなった時に、そこから挽回して再びうまくいくようにするのが難しいのです。
なぜなら、自分の行動や言動に原因があるかどうかを疑い、改善することを全くしてこなかったからです。
自分自身に疑うべきところはないかをチェックするプロセスがないと、たまたま成功した時に慢心してしまい、「自分は絶対正しい」という気持ちが生まれてきて、失敗しても他人のせい、失敗しても周りの環境のせいという考え方が身についてしまいます。
これは何かをやるとき、特に仕事として何かをやるときに危険なことであり、うまくやることが出来ているときはいいのですが、一度うまくいかなくなってしまうと、その後あっという間にうまくいかなくなってしまうのです。
あと、たまたまうまくやることが出来た時に、その成功に酔ってしまい「自分はすごい」と思っていしまい、その態度で他人に接してしまいがちになります。
もちろん相手は気分がいいわけではなく(自分がもしスネ夫と話すようになった場合どんな気持ちかを考えるとイメージしやすいのですが)、お金があるから、成功しているから嫌なところを我慢して付き合っているだけという場合も少なくありません。
そして失敗して、そこから挽回できずに落ちぶれてしまうと、今まで仕方なく付き合っていた人は離れていってしまい、ほとんど一人に近い状態になってしまいます。
自分一人で行うビジネスの場合は、最悪自分がすべての責任を負えばいいのですが、これが会社での仕事の場合、自分だけではなく周りの人にも迷惑をかけてしまいます。
周りも仕事なので嫌々フォローして挽回しようとするでしょうけど、フォローしてもらっても自分の行動や言動に問題がないと思って、同じ失敗ばかりを繰り返していると、その会社に居づらくなってしまいます。
周りから白い目で見られますし、相当に面の皮が厚くない限り退職に追いやられるでしょう。
また、この手の自分の行動や言動を見直さずに他人や周りの環境のせいにする人というのは、人の上に立ったり、会社のトップにいるべきではありません。
その下に働く人は大変疲れますし、「もう付いてはいけない」と考えて、どんどん退職して人が離れていくからです。
実力がないのに地位だけを持っていて、自分が正しいと思っていて、しかも何か起きた時に最初に部下や周りの環境のせいにする人は、自分のミスを認めず「お前がきちんとチェックしなかったから」、「お前が配慮をしなかったから」などと、自分の失敗を部下に押し付けるわけです。
部下は納得がいくわけがなく、社長や上司の仕事の怠慢が原因なのにこちらのせいにされる。
これは非常に気分が悪いことで、人間関係で退職する人の中にはこういう上司やトップに付いていけないというのも結構あるのではないかと思います。
そんなことが起きてもやはり他人や周りの環境のせいにする人というのはその考え方の癖が治らないわけです。
上に行くほど自分の言動に問題がないかを疑うことが大切なのに、他人や周りの環境のせいにばかりする人は、自分に原因があることに一切気づきません。
なので、本当の原因に気づくことなく、状況が深刻化し、取り返しがつかないことになります。
管理職であれば、早々に退職者を続出させた責任として経営陣が処分を下すこと。
会社のトップであれば、社員や周りの環境のせいにしてばかりではなく、自分の行動や言動に問題がかなったかしっかり見直すこと。
とにかく、問題が深刻化して取り返しがつかなくなる前に本当の原因を見つけないと、取り返しがつかなくなってから自分の行動や言動に原因があったと気付いても遅いのです。
取り返しがつかない状態になってもなお社員や周りの環境のせいにする管理職や会社のトップは終わっています。
自分のせいでこうなったのにも関わらずそれにすら気づかない人というのは、ただの無能であり、そういう人が管理職や会社のトップにいる会社は泥船と言っても問題ないでしょう。
倒産まっしぐらで、もう誰も働きたくない職場というわけですね。
社員はあくまでも社員で、会社に貢献しようと頑張ってくれた人であり、上司や社長がやったことに対する責任を取る必要がありません。
責任を取らないといけないのは部下のせいにしたり、周りの環境のせいにしたりして、自分の言動や行動を改めなかった管理職や会社のトップ。
この責任は放棄しようとしても放棄できないものですし、ここで初めて自分の行動や言動を反省してももう遅いのです。
自分を正しく疑う方法
では、自分に原因があるか、正しく疑う方法について考えてみましょう。
自分の主観的なチェックによって「ヨシ!」ではだめです。
きちんと客観的な目線で自分の行動をチェックする必要があります。
方法はいくつかありますが、まず一つ目として他人からのチェックをフィードバックとしてもらうことです。
他人から自分を評価してもらう場合、自分で自分を評価する場合とは異なる視点で評価されることになります。
そのため、自分では気づかなかった自分自身に対する問題点が見つかることもあります。
友人や知人であれば気を利かせてあまり客観的な評価が出来ないことがあり、部下に評価してもらうにしても正直にズバッと言うタイプではないと悪い評価をすることの仕返しが怖かったりして正しい客観的な評価をしてくれないことがあります。
なので、忖度なしで正直な評価をしてほしいことを伝えたうえで知人や友人、部下に評価してもらうか、なるべく利害関係のない第三者に依頼してチェックをしてもらった方が何か問題が見えてくることが多いです。
しかし、その利害関係のない第三者を探すこと自体が難しいので、やはり友人や知人、部下に忖度なしの正直な評価をしてほしいことを伝えて、忖度なしの評価をしてもらう方が現実的でしょう。
もちろん、返ってきたフィードバックにネガティブなことが含まれていても腹を立ててはいけませんし、素直な気持ちでしっかりと受け止める必要があります。
ネガティブなフィードバックに腹を立てて不機嫌になっても、自分にとって何の解決にもならないので、決して機嫌を悪くせずに素直に受け止めましょう。
そして、協力してくれた友人や知人、部下に対するお礼も忘れずに。
ランチやコーヒーなどを奢って感謝の意を示したら、同じようなことを依頼した時にまた協力してくれるでしょう。
二つ目は自分自身で正しく自分を疑うことです。
自分に関して甘く見てしまう人は多く、どうしても自分の言動や行動に対して客観的に見ずに主観的に見てしまう傾向があります。
しかし、基準を明確にして機械的に評価を行うようにすると、自分の言動や行動を主観的に評価することが出来ます。
例えばチェックリストを作ってそれに記入して自分の評価を見てみることです。
チェックリストにはどんな時にどの評価を記入するのかを明確化し、あいまいな基準で書きこまないようにする。
また、チェックリストの項目も自分で勝手に決めるのではなく、専門的な知識を持った人に監修してもらい、きちんとしたものに仕上げることが重要です。
そうすることで、客観的な評価に近い評価を自分自身に対して行うことが出来ます。
素人判断に近いチェックリストを作ってそれに記入しても何の問題も見えてきません。
きちんとしたチェックリストを用意し基準を明確化して記入することで、初めてしっかりと自分自身で自分の言動や行動を客観的に見る道具としてチェックリストが使えるようになるのです。
このように自分自身の言動や行動を疑うというのは、客観的に自分自身を見て評価することが大切になってきます。
「自分は正しい」などど思っていると、自分で自分を評価するときにバイアスがかかってしまいます。
その結果、正しく自分の行動や言動を疑うことが出来なくなってしまい、何の改善も出来ません。
「自分は完ぺきではない。何か間違うこともあるんだ。」と思うくらいでちょうどいいのです。
自分も間違うことがあると思っていると、ある程度自分を客観的に見ることが出来ますし、自分が悪いのに他人や周りの環境のせいにしてしまって自分を改善しないという問題を防ぐことが出来ます。
何かうまくいかないことがあった場合は他人や周り環境が影響していることは確かにあるのですが、まずは自分の行動や言動を振り返ってみて問題がなかったかをチェックする。
そのために、自分が正しいという考えを捨て、自分を客観的な目線で見ることが出来るようにする。
この考え方をしっかりと身に付けておきましょう。
今回のお話は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。