テーマ型という、ブームや話題となっているテーマに関係した企業や業種を対象とした投資を行う投資信託があります。
このテーマ型の投資信託については、結論を先に申し上げるとお勧めできません。
投資において最も重要であることが守られなくなるからなのですが、この事についてお話ししたいと思います。
目次
テーマ型の投資信託とは?
テーマ型の投資信託とは、IoTやAI、環境などの特定のテーマに関係した企業や業種を対象に投資を行う投資信託です。
ブームや話題となっているテーマに関係したものがあり、興味を持ちやすいのではないかと思います。
しかしブームに乗って投資をするというのは大きな問題があります。
一見華やかそうに見えますが、10年後、20年後、そのブームは続いているでしょうか?
この事をよく考える必要があります。
テーマ型投資信託における3つの問題点
テーマ型投資信託にはいくつか問題があり、この事が理由で自分は投資をお勧めしていません。
以下がその理由となります。
投資の原則である分散投資が出来ない
まず、投資というのはいろいろな業種やセクターに分散して投資をすることで、リスクを分散させ、一つの業種やセクターで大きな暴落が起きても全体におけるダメージを小さくするという戦略が必要となります。
しかし、テーマ型の投資信託はこの逆であり、特定の業種やセクターに絞って投資をしてしまいます。
これが何を意味するのかというと、もしこのテーマ型投資信託の対象となっている業種やセクターが暴落してしまったらそのダメージを直接的に受けるということです。
もちろん好調な時の値上がりのメリットもしっかりと受けることが出来ますが、その期間がずっと続くわけではありません。
ブームや話題となっていることはいずれ去り、忘れられます。
話題となっている町が一時的に盛り上がり繁栄しますが、10年後にそこに行くと話題が去り、人々に忘れられ、シャッター街となっているかのように・・・。
このリスクを分散せずに背負うことになるのが、テーマ型投資信託であるということです。
投資にかかるコストが大きい
テーマ型の投資信託は、信託報酬が高く、それに販売手数料を上乗せされることがあります。
信託報酬の高さは運用の成績に大きく関わることで、信託報酬が高いほど運用成績は悪くなります。
本来投資家に還元するべき利益を信託報酬で持っていかれるからです。
テーマ型の投資信託は、ブームや流行に乗るような投資をすることになるので、ずっと好調が続くわけではありません。
そこで、次にブームになっているテーマ型投資信託に乗り換えるという考えが出てくるのですが、これを繰り返すと販売手数料も馬鹿にならなくなります。
色々動く必要がある割にはコストがかかりすぎて、王道のインデックス投資に勝てないことも多々あると思うのでコストの面からもお勧めできません。
長期投資に向かない
テーマ型の投資信託は長期投資には向きません。
話題や流行はいずれ去ります。
そのため、インデックス投資のように長期保有しても損をしてしまいます。
積み立てで投資をして勝てるものではなく、自分で損切りや利益確定の判断をして売り抜ける必要があります。
長期にわたって年利〇〇%という数値は約束されないので注意しましょう。
投資はミーハーになってはいけない
投資では、新しく話題になっていることを追い続ける人にはなってはいけません(デイトレードなどではこの姿勢が必要になりますが、長期投資では不要です)。
物を買う場合などもそうですが、ただ流行を追い続けるだけだと、流行に対して敏感にはなるかもしれませんが、それ以外について興味を持たないということになります。
この思考は大変危険で、ビジネスの失敗の原因ともなりますし(ビジネスでは流行を作り出した企業が最も強く、後から追う企業は流行を作り出した企業には勝てません)、投資でも同じことが言えると思います。
流行を追い続けると儲けられるのではないかと思うかもしれませんが、流行を予想して行動する強い投資家に勝てるでしょうか?
ここをよく考える必要があります。
普通の人が勝てる相手ではないことは自明であり、流行に後れて乗っても美味しい時期が過ぎていることが多いです。
つまり、テーマ型投資信託で流行を追い続ける投資を行っても普通の人は大して勝てません。
テレビやメディアで報道される頃にはもう遅いのです(ビットコインも美味しい時期を過ぎた頃に報道されました)。
先を予想できない人は、テーマ型の投資信託を買わずにインデックスファンドの投資で淡々と積み立てて投資をしていくのが良く、平均的な成績を目指すのが向いていると思います。
一般人はプロには勝てません。
テーマ型投資を一般人が行っても、美味しい時期を逃すリスクが高く、ブームや話題が去ってから売却すると損をしてしまう可能性が高い、そのことをしっかり考えて欲しいと思います。
とても一般の人にはお勧めできる投資信託ではないと分かって頂けると思います。
今回のお話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。