今回も『ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集』より、「ナポレオンとニシン」の話を紹介します。
ナポレオンとニシン・・・この2つの言葉を聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
おそらく多くの人は何も思い浮かばないのではないでしょうか?
ニシンという魚は日本ではおせちの数の子として卵が重宝されていますが、ニシンそのものはそこまで高級な魚ではなく、むしろ安く売っていることもあります。
ニシンは安く売っている魚である、この事を考えながら今回紹介する「ナポレオンとニシン」の話を聞いていただければと思います。
「ナポレオンとニシン」の話の内容
ナポレオンがヨーロッパを征服した時、それぞれ征服した国の協力者に褒美を取らせるために何が欲しいかを尋ねました。
フランス人は「ワイン畑とワイン工場が欲しい」、ドイツ人は「麦畑とビール工場が欲しい」、イタリア人は「小麦畑とパスタ工場が欲しい」と答えました。
しかし、ユダヤ人は「ニシンを二匹だけ欲しい」と答え、その願いはすぐに叶えられ、ユダヤ人はニシン二匹を持ち帰りました。
他の国の人は「ナポレオンが折角褒美をくれるというのにそんなちっぽけなものをもらうなんて馬鹿だな」とユダヤ人のことを馬鹿にします。
しかし、ナポレオンはすぐに没落してしまい、ユダヤ人以外は望みをかなえられずに終わりました。
ユダヤ人を馬鹿にしたフランス人、ドイツ人、イタリア人は結局何ももらえなかったのです。
「ナポレオンとニシン」の話の教訓
この話で注意したいことは、ニシンが欲しいと言ったユダヤ人だけが望み通りの褒美を持ち帰ることが出来ている点です。
それぞれ好きなものを作る畑と工場を望んだフランス人、ドイツ人、イタリア人はナポレオンが没落したために何一つもらうことが出来ませんでした。
ここから学び取るべきことは二つあります。
- 欲を張らず小さな望みを着実にかなえていくことが大切であること
- 他人に馬鹿にされても日々の糧というものが大切であるということ
ナポレオンの征服に協力したフランス人、ドイツ人、イタリア人はナポレオンに畑と工場というすぐにかなえられない大きな望みをしてしまいました。
もしナポレオンの権力がそのまま続いていれば、これらの望みは叶えられていたのかもしれません。
しかし、ナポレオンの権力は長くは続きませんでした。
そして畑と工場という時間のかかる望みは叶えられずに終わってしまったのです。
それに対してユダヤ人はニシン二匹とはいえ自分の望みを叶えて、褒美を持ち帰ることが出来たのです。
すぐに叶えられる小さな望みを叶える。
もちろん、小さな望みが叶えられたからといって、状況が大きく変わるわけではありません。
しかし、この小さな望みを叶えることを積み重ねることによって、大きな差になって現れるのです。
1年では差は出ないかもしれない。
しかし、20年、30年、着実に小さな望みを叶えることを積み重ねると、一発を狙って何も得られなかった人と比べると雲泥の差が生じます。
フランス人、ドイツ人、イタリア人がやったことは一発を狙った大きなリターンを狙う投機的なもの、ユダヤ人がやったことは小さくても確実なリターンを狙った投資的なものと例えることが出来るでしょう。
投資とは違いマイナスにこそなりませんが、それでも得られるものが0になるというのはかなりの損失だと思います。
なので、「小さな望みしかないなんて馬鹿だ」、「ちっぽけな望みだけしかないなんてかわいそう」、そんなことを言われても気にする必要はありません。
大きな望みしか持たずにその望みを一つも叶えられずに終わる人、小さな望みを着実に叶えていき充実した生活を送る人、どちらが幸せでしょうか?
小さな望みを着実に叶えて充実した生活を送る人が幸せであることは言うまでもないでしょう。
このように小さな望みをかなえていくというのは決して馬鹿に出来ず、積み重ねていくことで大きなものになるのです。
この話でユダヤ人が持って帰った魚がニシンであることは、馬鹿にされても日々の糧が重要であることをユダヤ人に伝えるものになっています。
「職業に貴賎なし」、この言葉を知っている人と、作業服の人や清掃員を馬鹿にする人、両者の違いは日々の糧を得ることの大切さを知っているかどうかです(または、どんな仕事でも役に立っているという考えもあるでしょう)。
他人から馬鹿にされるような仕事でもしっかりと目的を持って働き、将来的に大きな成功に結び付ける人。
こういう人はニシンをもらうということを例えタルムードの話から聞いていなくても、本質を理解している人です。
この手の人はそこまで派手な暮らしをしないお金持ちになる可能性が高く、お金が豊かになってもニシンをもらうという本質を忘れないことでしょう。
仕事は報酬で選ぶと失敗します。
サラリーマンとして働くのであれば年収8桁になる仕事はつらいものもあり、人間関係や責任、激務に悩まされた結果、体を壊してお金がほとんど残らなくなるようではいけません。
着実に自分に見合った報酬を稼ぎ、それを積み重ねていく。
これも仕事におけるニシンのもらい方でもあるのです。
まとめ
今回は『ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集』より、ナポレオンとニシンの話を紹介しました。
フランス人、ドイツ人、イタリア人、ユダヤ人・・・4人の登場人物が出て来ますが、フランス人、ドイツ人、イタリア人は大きな望みをし、さらにユダヤ人がもらった報酬を馬鹿にしたのですが、結局何ももらえませんでした。
ユダヤ人はニシン二匹という小さな望みですが、自分の望みを叶えてニシンを持ち帰りました。
記事本文ではあまり触れなかったのですが、この話では大きな望みをせず、適切なリスクを取った方が良いということも伝えたかったのではないかと思います。
小さな望みを叶えることを積み重ねるといつかは大きなものになります。
そしてその小さな望みを積み重ねることはリスクも少なく、確実性があります。
いきなり大きな望みを出して叶えようとするよりよほど堅実で、例え他人から馬鹿にされようとやるべきことなのです。
宝くじを買って大きなリターンを望む、FXにレバレッジをかけて一晩で大きな儲けを出す。
こんなことを望んでも叶えられる人はごくわずかで、ほとんどの人は叶えられずに終わります。
それよりも何かをやって得られる100円、1000円、この小さな額の積み重ねを行う。
この事を意識すると大金持ちにはなれないかもしれませんが、小金持ちを目指すことは十分できます。
今回紹介したナポレオンとニシンの話、きちんと教訓を学び取り、実践を行い、自身の生活に活かして頂ければ幸いです。
今回のお話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。