「苦労は買ってでもしろ」は本当か

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「苦労は買ってでもしろ」は嘘なのか? 本当に買ってでもするべき苦労と、買ってでもしなくていい苦労について。

「若いうちは苦労は買ってでもした方がいいよ」など、「苦労は買ってでもしろ」という言葉はよく耳にする言葉の一つでもあります。

大抵の場合、ベテランや中堅から新人に対して言われる言葉であり、これが嘘と決めつける人や嫌いだという人もいます。

では、「苦労は買ってでもしろ」というのは本当なのでしょうか?

この答えは一概に正しい、間違いとは言えません。

なぜなら買ってでもするべき苦労と、買ってでもしなくていい苦労が存在するからです。

「苦労は買ってでもしろ」という言葉について

「苦労は買ってでもしろ」という言葉は、「若い時の苦労は買ってでもせよ」という言葉から来ており、「若いうちの苦労が将来に役立つ経験となるから、自分が求めてでもしておいた方がいい」という意味です。

つまり、自分に苦労をかけることで先行投資しておきなさいと言うことであり、この言葉には一理あります。

ただ、この苦労は将来の自分に役立つものでなければなりません。

若い時期というのはとても貴重な時間です。

役に立たない苦労をやり続けるほど人生の時間に余裕はないのです。

逆に、若いうちに役に立つ苦労をやっておくと、今後の人生において大きな資産となります。

資産というのはお金だけではありません。

役に立つ苦労を若いうちからやってきた結果として得られたスキルは、自分の身に何か起きた時に助けてくれるのです。

例えば、働いている会社が倒産した時は路頭に迷うことになります。

しかし、スキルを持っていると転職活動時に大いに役に立ちます。

結果として、お金の面でも役に立つ苦労をしてきた人としてこなかった人とでは、時間が経つと大きな差になってくるのです。

役に立つ苦労と役に立たない苦労について

では、役に立つ苦労と役に立たない苦労はどんなものがあるのかを考えてみましょう。

役に立たない苦労はどんなものがあるか?

役に立たない苦労はどんなものがあるか?

まず、役に立たない苦労から説明します。

自分の外見を磨くために苦労することや自分の見栄やプライドを守るためにする苦労のこと、長時間労働、パワハラ上司の下で働くこと、苦手なことを克服するための苦労などです。


自分の外見を磨くために苦労することは、正直言って時間の無駄としか言えません。

きついことを申し上げますが、誰でも歳を取れば外見は劣化していきます。

顔にしわが出来、髪には白髪も出てくるのです。

それをごまかすための苦労なんて、お金がかかるだけで得られるリターンは1円もありません。

だから自分の外見を磨くための苦労はやるだけ無駄なのです。


自分の見栄やプライドを守るための苦労も同じですね。

見栄やプライドというのは自分の身にまとった重い鎧のようなものです。

つまり自分の動きを鈍くし、自分の成長を妨げるものになっています。

そんなものを守るための苦労なんて、プラスになるどころかマイナスにしかなりません。

むしろ見栄やプライドを捨てる努力をして身軽になることで、自分からいろんなことを吸収できるようになった方が良い結果が待ち受けていることでしょう。


長時間労働ですが、苦労は何でもすればいいというものではありません。

長時間労働を行うと体や心が疲れてしまいます。

体や心が疲れるとそれだけ休息に使うべき時間が多くなってしまいます。

残業が多く、会社を出る時間が夜の10時を超え、終電帰りとなることも珍しくない。

こんな生活を送っていたら、若いうちは耐えられますが、歳を取って体力が落ちると確実に体を壊します。

それに、長時間労働になると仕事中心の生活となり、自分を良くするための苦労をするだけの時間と心の余裕が出来なくなってしまいます。

休日を寝て過ごして1日が終わるような人は特に注意が必要です。

見なし残業で残業代がもらえないのであればなおさらです。

お金の面でも心の面でも豊かになれないのであれば、そんな苦労をすることからさっさと見切りをつけるべきです。


パワハラ上司の元で働くことは心にかなり負担がかかります。

パワハラをして指導する人は、その指導のやり方しか知らず、良い指導のやり方を知らないくせに学ぼうともしない、一種の無能な人であると自分は思っています。

「怒鳴れば言うことを聞くだろう」、「殴れば言うことを聞くだろう」が通じていたのは給料が年功序列で上がっていたから、叱る時以外の部分で上司がフォローをしていたからなのです。

ただ、今の上司になる人は部下を怒鳴ったり殴ったりしてもそれで終わりでその後のフォローをしない人が多いような印象です。

昭和や平成の習慣の悪い所だけを取り入れ、良い所を捨てた指導のやり方をするから部下はきついのです。

それに給料もなかなか上がらない会社も増えています。

そんな会社で上司のパワハラに耐えながら心に負担をかけながら働くという苦労。

これって正直言って必要が無いことです。

むしろ、心の病を発症する可能性もありますので、この手の苦労をすることは出来るだけ早くやめるべきです。


苦手なことを克服することは、たまに役に立つこともありますが基本的に時間を無駄にしてしまうことが多いです。

プログラミングが苦手な人がプログラミングを苦労して学習しても、どうしてもプログラミングが得意な人には勝てないという厳しい現実があります。

サポートセンターの仕事が苦手なのにサポートセンターで働いて苦労をしても、その苦労をしている間に周りの人はどんどん成長していき、自分だけが取り残されることもあります。

なので、基本的に苦手なことで苦労してはいけないわけです。

苦手を克服するのはかなり大変です。

自分の苦手意識が邪魔をしますし、モチベーションを保つのもかなり苦労します。

苦手なことを克服する時間もかなり掛かってしまいます。

それに、仮に苦手を克服できたとしても、苦手を克服した段階でようやくスタート地点に立てるのです。

スタート地点に立った時点で、他の人は遥か先に進んでいます。

まともな仕事をするためには、それらの人に追い付く苦労がまた発生するのです。

ですので、苦手なことを克服するのは苦労に見合うリターンが得られません。

時間を無駄にしてしまう可能性が高いので、苦手なことは無理して克服しようとせずに他のことに力を注いだ方が現実的です。

役に立つ苦労はどんなものがあるか?

役に立つ苦労はどんなものがあるか?

逆に役に立つ苦労は何があるかというと、自分の得意や長所を伸ばす苦労、好きなことに打ち込みお金を稼ぐ苦労、投資で暴落の時期を耐え抜く苦労です。


自分の得意や長所というのは他の人より自分が有利に進められることです。

得意なことや長所を伸ばすための苦労はそこまで心に負担がかからず、どんどん成長が実感できて苦労したという実感があまりないまま、苦労をし続けられるという素晴らしいものです。

慢心するか面倒に思って途中でやめてしまわなければ、得意なことや長所を伸ばすことは自分にとって大きな資産となります。

仕事でも重要な戦力として活躍できるようになりますし、プライベートでも人から見られる印象が良く、人脈を作りやすくなります。

ですので、得意や長所を伸ばすための苦労は買ってでもした方がいいでしょう。


好きなことに打ち込みお金を稼ぐ苦労ですが、これは副業として好きなことをお金に換えるための苦労のことです。

本業の仕事をしながら空いた時間で好きなことを収益化し、お金を稼ぐ苦労をしておくと、自分の本業で何かが起きた時にこれからどうやって食べていこうということを悩まずに済みます。

ただ、好きなことでお金を稼ぐことは甘くはなく、最初は全くお金を稼げずに色々な失敗をすることになります。

これが副業として好きなことをお金に換える苦労の正体です。

この苦労は、最初のお金を稼ぐ前に努力をやめてしまう人も多いくらいに高い壁になっていることが多いです。

ただ、その壁を乗り越えると、最初の収入が発生し、そこからどんどん収入を増やして軌道に乗せていくことが出来るようになります。

それに、失敗をしていろいろと試したという苦労は本業でも通用するスキルになっていることも多いです。

お金を稼ぐことには本業であっても副業であっても共通点があります。

その共通点になっている部分を伸ばしていけるため、なるべく早いうちにこの苦労を味わっておくと今後の本業での仕事の質の向上が出来、結果として多くの給料をもらえるようになります。

会社によっては副業禁止のルールがありますが、それでも公務員の仕事をしていなければ自分の好きなことで稼ぐ準備をして実際にお金を稼いでおくことをお勧めします。

副業禁止でも副業で発生した収入の税金を本業と別に支払うように確定申告をすれば、副業がバレることはありません。


投資での暴落の時期を耐える苦労ですが、これもインデックス投資をするのであればやっておいた方がいいでしょう。

当ブログではインデックス投資をお勧めしていますが、インデックス投資でも暴落が起こり、元本を大きく割ってしまうことは起こりえます。

ここで暴落の底が見えずに投資商品を売って損切りしてしまう人が多いですが、じっと耐えること。

言葉にすると単純ですが、実際に暴落の局面が来た時はかなり冷静さを保つのが難しいのではないでしょうか?

自分の心の葛藤と戦い、自分の投資が正しいと信じ続けることは、苦労と言ってもいいくらい大変なことです。

長期間続く暴落の時期をじっと耐え抜き、暴落から上昇の局面に切り替わる「稲妻の輝く瞬間」に立ち会うこと。

これこそが投資で勝つために必要なことであり、投資における一番の苦労と言ってもいいでしょう。

あと、投資の成績が好調な時に慢心してしまわないようにすることも忘れてはいけません。

ここで慢心してしまうと、次の暴落の時に心に迷いが生じてしまいます。

慢心せず、心を無にして自分の投資方針を守り続ける。

これも投資における苦労になるかもしれません。

個別株投資は今回お話ししたことに当てはまらないため、個別株投資に関して勉強するという別の苦労をすることになります。

ただし、苦労をした分だけリターンが得られるのはインデックス投資と同じなので、投資においてはたとえシンプルなインデックス投資であっても苦労は避けられないことを覚えておくと良いでしょう。

「苦労は買ってでもしろ」と精神論について

パワハラ上司の中には自分を追い込んでしまう苦労がいい経験になるという上司がいます。

自分が働いていた会社の上司にそのタイプの上司がいて、自分の苦手なことを「精神的に追い詰められると思うがそれがいい経験になる」と言ってやらされました。

実際にやってみてどうだったかというと、ただの時間の無駄でした。

心は消耗するし、苦手なことだったので全然要領を得て仕事を出来るようにはなりませんでした。

貴重なスキルアップの期間を1年間失っただけで、何も得るものはありませんでした。


つまり、「自分を追い詰めることが将来的にいい経験になる」というのは嘘であり、精神論で部下を動かすための言葉でしかありません。

そもそも仕事で自分を追い詰めてしまうと、仕事のパフォーマンスが落ちてきます。

さらに追い詰めると心と体に異常が出て、酷い時にはしばらく働けない体になってしまいます。

こうなってしまったら一体将来的にどんないい経験になったと言えるのでしょうか?

心と体に傷を残し、その傷の回復に時間がかかるため、結局自分の時間を無駄に過ごしたことになります。

個人的に「苦労は買ってでもしろ」を「自分を追い詰めることでいい経験となる」という理解で使う精神論信者とは仲良くしたくはないですね。

こんな人が居るから「苦労は買ってでもしろ」という言葉を嘘と思ってしまったり、嫌いだと感じてしまう人が出てくるのではないでしょうか。

買ってでもする苦労は選べ

「苦労は買ってでもしろ」は精神論で使うのは間違っていますが、若いうちから先行投資をするためにいろいろと経験しておくことは大切だと思います。

仕事のスキルアップのための努力や副業で毎月5万円得るための努力で生じる苦労は買ってでもした方がいいと思います。

中堅やベテランの年齢になった時に相応以上の能力を持っておくと、今働いている会社に何かが起こった時に転職で苦労することが少なくなるでしょう。

また、副業で収入をしっかり得ることは、自分のビジネススキルを磨くのにちょうどいいと思います。

仕事に役立つ苦労や副業でビジネススキルを学ぶ苦労は、何かがあった時に自分を守るためのスキルとして役立つものになり、こういう苦労は若いうちに遊びたい時間を少し削ってでもやったほうが、年を取ってから人生を有利に過ごせるようになります。

ただし、遊びたい時間も人生では大切な要素です。

全てを削ってしまうと人生の目的を失いかねないので、最低限必要なレベルは確保しておいてください。


買ってでもする苦労は自分を追い詰めるような苦労ではなく、自分で自発的に動いてできる苦労で、自分のキャリアアップやスキルアップを見据えた苦労を選ぶといいでしょう。

何も考えずにただ苦労するだけがいいということではありません。

本当に将来の自分にリターンがある苦労をしっかり出来ているかということが重要になります。

「苦労は買ってでもしろ」という言葉を正しく理解し、ただ自分を追い詰めて何も得られずに時間を無駄にする苦労ではなく、苦労することでそれ相応のリターンが得られるような人生において必要な苦労を選択して行っていくと良いでしょう。

今回のお話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

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