収入が増えてもその分を全て支出に回すと状況は何も変わらない

広告 お金の話 学ぶ

収入が増えてもその分を全て支出に回すと状況は何も変わらない

給料などの収入が増えると、それだけ自分の生活を自由にする選択肢が増えます。

車を買うのは初任給では無理でも、何年か働いて給料が多くもらえるようになると買えるようになります。

家やマンションのローンも然り。

収入が増えると、自分の家やマンションを買うという選択肢が増えます。

ただ、収入が増えた分だけ支出を増やしてもお金を貯めるペースは上がりません。

貯金や投資といった資産を増やしていくには、収入が増えていくにつれ、これらに割り当てていくためのお金を増やしていく必要があります。

給料などの収入が増えても、それだけ自由に使えるお金が増えると思ってはいけない

給料などの収入が増えても、それだけ自由に使えるお金が増えると思ってはいけない

給料や副業などの収入が増えると、年収ベースでみると自由に使えるお金が増えます。

しかし、その分税金も多く取られ、5千円昇給しても5千円丸ごと自由に使えるお金が増えるわけではありません。

それに、社会保険料と年金いう第二の税金も上昇する一方であり、せっかく昇給しても手取りが大して変わらないということも良くあることです。

そのため、昇給や副業で収入が少し増えたからと言って、自由に使えるお金が増えるという考えは持たないほうがいいでしょう。

税金で負担するお金の増加より昇給額が大きければ、自由に使えるお金は増えていきます。

最近ではコストプッシュ型インフレ+政府の愚かな国民に負担を強いる政策により、この税金で負担するお金の増加がかなり増えてしまっています。

コストプッシュ型のインフレはかなり厄介で、材料費の高騰などの原価が上がることで100円で買えていたものが120円とか130円でしか買えなくなっています。

酷いものになるとインフレに便乗して儲けられるだけ儲けようみたいな価格設定になり、100円で買えていたものが200円でも買えないというような商品もあります。

そんな中で、昇給して得たお金や副業で得たお金をそのまま支出を増やすために使うというのはリスクが高すぎます。


最近聞いた話ですが、23か月連続で実質賃金が下がっているそうです(2024年4月時点)。

これはバブル崩壊の時と同じ状況であり、明らかにおかしなことです。

一方で税収額は上がっている。

これが一体何を表しているのかというと、国が税金を取りすぎているということです。

それでも増税しようという動きなわけですから、全く笑い話ではありません。

こんな状態の時に、収入が増えたからと言ってそのまま支出を上げるのはリスクが高すぎます。

収入が増えた分からきちんと貯金や投資に回して将来に備えるお金を捻出していくべきなのです。

収入が大きく増えた時こそ用心せよ

会社で働いて昇給して役職手当がつくようになった。

転職で収入が大きく上がった。

副業での収入が大きく増えた。

こんな時こそ注意が必要です。


例えば年収が400万円から600万円に増えたとしましょう。

手取りは毎月数万円から10万円くらい増えることになります。

この手取りで増えたお金は絶対に使い切ってはいけません

特に収入が増えると財布のひもが緩みがちになります。

それでも決して生活のレベルを上げるためだけにお金を使ってはいけません。

生活のレベルを上げるのはきちんと貯金や投資に使えるお金を確保してからで遅くはありません。

年収が400万円から600万円に増えたくらいであれば、食材をいいものを買うようにする、月一回の贅沢として夕食を外食にする。

これくらいで十分なのです。


年収が大きく増えるとつい油断しがちになりますが、高い買い物や不要な買い物を避け、なるべく貯金や投資にお金を回し、資産形成のために使うお金を増やすようにしておくのが最もいいお金の使い方です。

それに貯金を増やしておくことで、「もしも」の時のために備えることが出来ます。

会社のリストラで解雇される、副業の収入が突然減る、病気で長期の入院が必要になる。

これらのことが起きた場合、しばらくは貯金からお金を使って生活しなければならなくなります。

もし貯金からお金を使って生活しておかなければいけなくなった場合は、大体半年から3年くらい生活できるくらいの貯金があれば乗り越えていけるでしょう。

一か月にどれくらい使うかの生活レベルにもよりますが、100万円だと4か月くらい、500万円あれば1年8か月くらい生活できますね。

一人暮らしであれば月25万円、世帯持ちであれば30万円から40万円で計算しておくといいでしょう。

その上で、収入がない状態で生活すると、どれくらいで貯金を使い切ってしまうかを計算して、最低でも半年分は貯金を用意しておく

貯金は基本的に増えませんが、流動性が高く、必要な時に必要な分だけ引き出して使えるのです。

一方で株や投資信託をお金に換える場合は、売り注文をしてお金を得るのに1週間くらいかかります。

だから、株や投資信託だけではなく、貯金もしっかりと確保しておく必要があるのです。

なので、株や投資信託などの投資の資産は流動性が貯金ほど高くありません。


しかし、収入が上がった分だけ支出を増やしてしまうと、生活のレベルを上げすぎてしまうことになります。

生活のレベルは一度上げると下げるのが難しいので、収入が減った時に困ることになります。

収入は必ず右肩上がりで増えていくものではなく、自分の資本価値、つまり自分がどれくらいのスキルを持っていて何が出来るかがベースとなり、それに加えてどれだけ儲けている会社に入社するかが収入を増やすポイントとなります。

今は年功序列はほぼ崩壊しています。

確かに勤続年数によるベースアップがある会社は多いのですが、そのまま会社に長くいるだけで役職が与えられるということはなく、逆にお荷物社員を続けていると突然リストラ対象や窓際部署への移動の対象となります。

こうなってしまうと、これ以上年収は上がらず、退職金をもらった後に年収が0になったり、給料が減って自分から退職せざるを得ない状況に追い込まれたりします。

リストラの場合は会社都合の退職なので、失業手当を申請すると2~3か月も待つ必要なく失業手当がもらえますが、窓際部署に異動させられてから自分で会社を辞めると自己都合退職になります。

この場合、失業手当が出るのにしばらくかかりますので、その間に収入なしで転職活動をすることになります(窓際部署に異動の場合は事前に転職先を決めるという手段が取れますが、しっかり準備しないとなかなか決まりません)。

会社を辞めてから次の就職先が決まるまでの間暮らしていけるだけの貯金がないと、悲惨な生活になります。

なので、収入が大きく増えた場合は、その8割くらいは貯金や投資に回したほうがいいでしょう。

そうしておくと、一気に資産形成が進みます。


バビロンの大富豪に「収入の10%を貯金する」という心得がありますが、この数字は下回るとまずいですが、上回っても別に問題ありません。

日ごろからお金をためておくための一つの水準として考えると良いのですが、収入に余裕が出来ると必ずしも収入の10%を貯金する必要はなく、20%や30%に増やしても良いわけです。

極端な話になると、収入の50%を貯金や投資に回している人だっています。

ですので、収入が増えた分をしっかりと貯金や投資による資産形成に回し、不測の事態が起きた時のために備えましょう。

そうは言っても自由に使えるお金で生活を豊かにすることは大切

そうは言っても自由に使出るお金で生活を豊かにすることは大切

前節で収入が大きく増えても支出を増やしすぎてはいけないことをお話ししましたが、だからと言って全く支出を増やさないのも面白くありません。

生活の不便さを解決する、自分への投資、自分の心を豊かにするものにお金を使う。

このようなお金の使い方のために支出を増やすことは決して悪いことではありません。

ただし、全てを一度にやらずに収入の増加に合わせて少しずつやっていくこと。

増えた収入のうち20%くらいを上限とし、使うお金を増やしていけば問題ないでしょう。


収入が増えるとお金の心配がなくなることは大きなことです。

毎月支出に苦しんでいた時から解放されることもありますし(お金がないことからのストレスからも解放されます)、何よりも自分の心に余裕が出てきて、表情も性格も良くなることもあるわけです。

なので、収入が増えた時に支出を増やすという行為自体は、程度を誤らなければ自分はあまり否定しません。

収入が増えた分を全て支出に回してしまうことが問題であり、貯金や投資に回していけるだけのお金を増やしながら生活を豊かにしていくのであれば、特に問題はありません。

一番の理想は収入が増えた分を貯蓄や投資に全て回すことですが、これは一定の生活レベルが出来上がった人や倹約好きではない限り、ストレスとなり長続きしません。

なので、収入が増えた分を貯蓄と投資に全て回すのは、特に贅沢なく暮らせる生活レベルまで上がった後で考えるくらいでちょうどいいでしょう。


一方で収入が増えた分を全て支出に使ってしまう人は、いくら収入が増えてもその分を全て支出に使ってしまうことになります。

なので、どんな収入であっても「お金が足りない」と言ってしまう。

たとえ年収1000万円あったとしても3000万円あったとしても「お金が足りない」と言う。

正直、年収が1000万円あるのに「お金が足りない」と言っている人を見ると右ストレートで殴りたいくらいの衝動にかられますが(実際にはやりませんが)、収入が多くてもお金が貯まらない人はある分のお金をすべて使ってしまう人です。

「となりの億万長者」と言う書籍の言葉を借りると「蓄財劣等生」であるわけです。

そんな蓄財劣等生にならないためにも、収入が増えた分のどれくらいを生活を豊かにするのに使い、どれくらいを将来や不足事態に備えるためのお金とするのか、きちんと決めて確実に貯蓄と投資に使えるお金を増やしていきましょう。


収入が増えてもその分のすべてを支出に回してしまうのは、支出を増やしすぎています。

最終的に痛い目を見るので、必ず収入が増えた場合はその分よりも支出を増やすことを少なくし、ある程度倹約を行い、堅実にお金を貯めて増やしていくようにしましょう。

今回のお話は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

-お金の話, 学ぶ
-,