タルムードから学ぶお金の話10 「難破船の三人の乗客」の話は適切なリスクを取ることの大切さを教える話

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タルムードから学ぶお金の話10 「難破船の三人の乗客」の話は適切なリスクを取ることの大切さを教える話

今回は『ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集』より「難破船の三人の乗客」の話を紹介します。

船が難破して無人島についてしまった。

その船の中には三人の乗客がいたのです。

三人はそれぞれ違う行動を取りますが、その船が修理され出港後に生き残ったのはただ一人でした。

どうしてそうなったのか?

理由を考えながらこの話を読んでみて欲しいと思います。

「難破船の三人の乗客」の話の内容

難破船

ある時、帆船が嵐にあって難破し、無人島に流れ着きました。

その島はフルーツが実る島でした。

船は修理を済ませてから出向することになりました。

一人は修理がいつ終わるか分からないし、無人島に取り残されたら大変と考え、空腹を我慢し、船に残り続けました。

もう一人は船を降り、自分が見える範囲でフルーツを食べ、船の修理が終わるのを見て急いで船に戻りました。

満腹にはなりませんでしたが、程よく腹を満たすことが出来ました。

もう一人も船を降りますが、船の修理には時間が掛かるだろうと考え、島の奥に進み、フルーツを満腹になるまで食べました。

戻ってきたときは船はすでに修理を終えて出港していきました。

船を降りなかった乗客はその後の航海に耐え切れず亡くなり、無人島に取り残された乗客は島から出られずそこで一生を終えました。

三人の乗客が取ったリスクの量

三人の乗客が取った行動をもう一度見てみましょう。

一人は船を降りず、空腹を我慢した。

一人はフルーツをほどほどに食べ船に戻った。

一人は島の奥に入ってフルーツをたらふく食べた。


三人の乗客はそれぞれ異なるリスクを負っています。

船を降りずに空腹を我慢した乗客はリスクなし、フルーツをほどほどに食べた乗客は中程度のリスク、島の奥に入ってフルーツをたらふく食べた乗客は大きいリスク。

この中で最後まで生き残ったのは中程度のリスクを負った者だけでした。

つまり、リスクは全くとらないのもダメであり、リスクを取り過ぎてもいけない。

適正なリスクを取ることが大切であると「難破船の三人の乗客」の話は教えてくれています。


この話は2つツッコミどころがあり、

修理をする人はなぜ無事だったのか?
また、修理をする人から食べ物を分けてもらうことは出来なかったのか?

出航の時、乗客の数を把握していたはずなのになぜ確認せずに出航してしまったのか?

というものがあります。

しかし、この話で考えるべきところはここではないので、この2つを思い浮かんだ方はあえてスルーしてこの話が伝えたいリスクの話に的を絞って考えてみるといいでしょう。

リスクを取らない人とリスクを取り過ぎる人

日本には適正なリスクを取る人はそこまで多くないように思えます。

全くリスクを取らない、またはリスクを取り過ぎる、のどちらかが多いようです。

特に全くリスクを取らない人は多く、社会に出てから一度も転職したことがない、投資もしない、挑戦もしない。

そういうタイプの人が多く、このタイプの人が低所得から中所得に該当しています。

二世のボンボンなどを除くと0から1を作り上げてきたお金持ちにリスクを取らない人はほとんどいません。


また、FXでレバレッジをかける、レバナスに手を出す、ギャンブルをする、暗号資産で一儲けを考える、そんな人もいます。

大抵はそういうハイリスクを取っている人は損をして身を滅ぼすことになります。

この手の投機やギャンブルは勝つのは一部の世界で、誰もが「自分なら大丈夫」と根拠のない自信を持ちながら損をして身を滅ぼすことになるのです。

現実は厳しく、一部の人しか勝ちに恵まれません。

多くの人は負けるのです。


会社のビジネスについても利益を求めすぎる、つまりリスクを取り過ぎることが散見されます。

会社の成長は社員の能力に見合った結果を出しながら利益を上げ、適切な成長スピードで大きくしていかなければなりません。

しかし、儲け重視に走り、とにかく儲けることだけを考えて社員に無理をさせ、時にはズルや不正行為に手を染め、その上で大きな利益を出す会社もあります。

しかし、この戦略はリスクを取り過ぎています。

社員は疲弊し、いつ体を壊してもおかしくない。

会社の雰囲気は暗く、みんな死んだ魚の目のような表情をしている。

そんな中でも社員には適切な給料を支払わず、過剰にビジネスに投資する。

これではいけません。

ビジネスで会社の規模に見合わない、会社の能力に見合わない過剰な儲けを求めることは、「難破船の三人の乗客」の島の奥に入ってフルーツをたらふく食べた乗客と同じです。

リスクを取り過ぎて、いずれそのシステムが回らずに崩壊してしまうことになりかねません。

適正なリスクとはどんなものか?

適正なリスクとは、リスクを取ったことにより生活に支障が出ず、夜もぐっすり眠れるようなリスクの取り方です。

リスクを取り過ぎて毎日心配するようではいけません。

貯金のほとんどを投資に回してしまい、予想していないような状況が来た時にお金が用意できない。

これもリスクの取り過ぎです。

生活準備金をしっかり用意し、貯金から自分が不安にならない程度に投資をする。

これが現代での適正なリスクの取り方だと思います。


起業するにしてもきちんとマーケティングをすることは大切ですが、準備にばかり時間をかけてしまっては、先に参入する人が出て来て、そのビジネスは駄目になってしまいます。

逆に思い付きで起業して、何の知識もない状態で競合と戦うのは無謀と言えるでしょう。

考えすぎたり、準備しすぎたりする人は船に残ってフルーツを食べない乗客、何も考えずに起業する人は船から降りて島の奥まで入ってフルーツをたらふく食べてしまった乗客と同じです。

どちらも好ましいものではなく、適切に準備してタイミングよく起業する人がうまくいく可能性が高く、何があっても挽回することが出来ます。

ですので、「難破船と三人の乗客」は適正なリスクを取ることに加え、慎重になり過ぎてもいけないし、思い付きで行動してもいけない。

そんな教えも含んでいるように思えます。

まとめ

「難破船の三人の乗客」の話は適正なリスクを取ること、慎重になり過ぎてもいけないことを教える話です。

乗客以外に修理をする人がいたことと、乗客を残して出航したことに疑問を持った人もいるかもしれません。

しかし、この話で伝えたいことから外れるのでこの点の考察はこの記事では行いませんでした。


自分が三人の乗客の誰に当てはまるのか?

一度自分を見直して考えてみるといいでしょう。

多くの人が船に残る乗客のような気がしますが、それで平凡な人生やそれ以下の人生で終わってしまうのが、今の日本の状況だと思います。

この事に気がついて改めてくれる人が出てくることを願い、この記事を終わりたいと思います。

今回のお話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

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