証券会社のホームページを見ると、個人向け国債を取り扱っているところを見かけます。
「日本の国債はリスクがどれくらいだろうか?、リターンはどれくらいだろうか?」
そう思いながら個人向けの国債を見てみると、利率が低くて「定期預金よりはまし」というくらいの利率。
リスクが少ない分リターンが少ないのは当たり前のことですが、投資のために個人向け国債を購入するとなると、日本の毎年のインフレ率を2%として考えてみると、額面は増えても実際の資産価値は目減りしていくため、投資には向いていません。
日本の国債は政府が発行している債券
日本の国債は日本政府が発行しています。
債券の一つであり、公債の一つでもあります。
債券なので、保有していると配当があり、買った金額より配当の分だけ利益が出ます。
利益には約20%の税金がかかり、配当の約80%が実際の利益となります。
個人向け国債は買い入れ額と満期まで保有したときの償還の時に受け取る金額が同じであり、変動することがありません。
1万円購入すると償還時に1万円受け取ることが出来ます。
1万円単位で購入できるので少額でも保有しやすい投資商品となっています。
個人向け国債の長所

個人向け国債の長所は元本保証型であることです。
1万円購入して、売却や償還になっても最低でも1万円受け取ることが出来るので、元本は減りません。
途中で換金すると、直近2回分の配当金が換金時に差し引かれますが、配当を3回以上受け取ると額面上はプラスになります。
配当は銀行の定期預金よりも高く、定期預金の代わりとして利用することも出来ます。
また、国がデフォルトしない限り国債が紙切れになることはありません。
そのため、社債よりも安全な投資先であり、損失に関してそこまで心配する必要はありません。
個人向け国債の注意点
個人向け国債の注意点としては以下のようなものがあります。
- 配当が低く物価変動に追いつけない
- 日本政府がデフォルトする可能性は0ではない
まず、配当に関してですが、最低で0.05%です。
一時期はこの最低の利率が続いていましたが、2025年1月時点では利率が上がり、それなりの配当が期待できるようになりました。
ただし、やはり米国債を見るとかなり見劣りします。
配当はまともに出るようになりましたが、お金の増え方は緩やかであり、米国債と比較するとやはり魅力的に映りません。
個人向け国債は円建てで投資できる元本保証型の投資商品ではありますが、その分リターンがかなり低く抑えられています。
資産を増やすには利率が最低2%は欲しい所ですが、今の状況を見るとこのラインを超えそうにありません。
お金を大きく増やすことには向いておらず、複利の力も活かすことが出来ません。
リターンが低いのでインフレに追いつけなくなる可能性が高く、現金で預金するより少しマシといった程度になります。
インフレに追いつけないということは実質上、プラスにならずマイナスになる可能性があるということも考えなければなりません。
また、日本がデフォルトする可能性は低いですが0ではありません。
特に2020年頃から日本は目立った悪政が続いており、不景気なのに増税するという頭がおかしいことを平気でやっています。
年金、社会保険料は税金ではないという人がいますが、強制的に徴収されるので税金です。
そして、人は減っているのに税収は最高値。
これが何を示しているかが分かる人は子供を作らないし、海外に出ていく能力がある人はまともな政治を行っている国に出ていきます。
なので、日本が10年後に終わるという話もちらほら聞かれるようになりました。
ただ、日本は円建ての国であり、海外に借金してお金を集めることに依存していないので、デフォルトしにくいことは確かです。
しかし、今後も悪政が続き、国民が生活できないくらい税金を取られるようになると、人が出ていくことや人が減っていくことで国が成り立たなくなる、移民だらけで治安が悪くなるなどの現象が起きるかもしれません。
現状ではすぐに日本がデフォルトすることはなさそうですが、今後の日本の様子を注視しないといけない時期がやってきていると思います。
個人的には国債は買いの対象にならなない
個人向け国債は1万円単位ではありますが定期預金の代わりに保有しておくことが出来る投資商品です。
この見出しの結論に至った理由は、注意点で述べたように価格変動に追いつけないこと、日本のデフォルトの可能性が0ではないことの2つがありますが、もうひとつ、個人的に日本自体が投資の対象になっていないことが挙げられます。
日本では、失われた〇〇年という言葉が使われており、2000年の頃は高くて質の良い製品を作る国だったのが、今では安くてサービスの良い国となっています。
新型感染症後は観光客によるインバウンドに頼る国に成り下がってしまいました。
2021年くらいから目立った物価高騰が始まり、日本もデフレとは言えない状況となり、5年前の価格の1.5倍~2倍で売られている商品も平気で見かけるようになりました。
コストプッシュ型という悪いインフレが起きており、それにもかかわらず国民の給料はそれに合った上がり方をしていない。
そのため、普通の家庭はとても苦しい生活を送ることになってしまっています。
ただ、それでも円安の為に海外に比べると物価が安く、海外の人からすると安くで安全に旅行できる国として日本に旅行をする人が目立っている状態です。
また、最近は物価高騰が続いているとはいえ、今まで途上国だった国の方が物価が高いということも起こっており、このあたりを放置すると日本を投資対象に入れるのはリスクが高いと個人的に思っています。
上記のことを考えると、アメリカや全世界の投資の方が効率がいいと個人的に考えており、日本が今後大きな伸びが期待できるというのが現状では考えられないです。
日本はかつては世界の工場であり、ものづくり大国としても知られていました。
しかし、今では世界の工場は中国になり、肝心のものづくりにたいしても短期的な利益やコストばっかりを考えて長期的な目線での利益を考えられない経営者が多くなり、ものづくりも一部の小規模な企業や個人事業に限られるようになりました。
そのため、日本の強みが自国の製品を輸出することから、観光で海外の人がお金を落としてくれることにシフトしてきている傾向が見られるようになりました。
ただ、日本政府が自国を衰退させる緊縮財政という悪政をやめ、企業の成長を積極的に促し、企業が技術開発を行っていける環境が整えばこの状況も変わってきます。
どこかで、緊縮財政から積極財政に転換し、国民の収入が増えて豊かな生活が出来るようにならないと、これから先、日本は衰退の一途をたどることになります。
選挙に行き、緊縮財政の政党(自民、立憲、維新、公明)に入れないこと、投票の権利を放棄しないことで国を変えていかないと失われた〇〇年ではなく、悪夢の〇〇年が始まります。
こうなってしまうと完全に日本は海外に置いていかれる状態になるため、投資対象として考える以前の問題になります。
個人向け国債は元本保証というほぼリスクのない投資商品でリターンが得られる資産運用手段ではありますが、いかんせんリターンが低すぎます。
資産運用としてはもう少しリスクを大きく取り、リスクを経験しながら運用の方法を決めていく。
そうやって自分で考えながら投資をしていく方が個人的にあっていると思いました。
ただ、必ずしも自分と同じ考えである必要はなく、人によって許容できるリスクは異なります。
自分の許容できるリスクをしっかりと把握し、リターンが低くてもいいけど元本割れを起こしたくないと考えるのであれば、資産運用の方法の一つとして個人向け国債を選んでもいいでしょう。
今回のお話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。