タルムードから学ぶお金の話5 「正直な仕立て屋」の話は商売で嘘やごまかしをしてはいけないことを教える話

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タルムードから学ぶお金の話5 「正直な仕立て屋」の話は商売で嘘やごまかしをしてはいけないことを教える話

今回は『ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集』より、正直な仕立て屋という話を紹介します。

ある国で干ばつが起きて、正直な仕立て屋が祈ると雨が降る話です。

仕立てやの祈りの内容をしっかりと理解し、なぜ今まで誰が祈っても雨が降らなかったのか、そこに注目しながら話の内容を読んで欲しいと思います。

なお、このブログで紹介する内容に満足せずに原文を読みたい方は書籍を購入して読んでみることをお勧めします。

「正直な仕立て屋」の話の内容

巻き尺

ある国で大干ばつが起きて、何日たっても雨が降る様子がありませんでした。

作物は枯れ、家畜も飲み水がないために次々と亡くなっていきました。

そんな時にある村のラバイが「服の仕立て屋に祈り台で祈りをさせよ」という、お告げのような夢を見ました。

そのラバイは、「服の仕立て屋はヘブライ語も理解していない、聖書の内容も知らないので祈りを捧げさせるにはふさわしくない」と、その夢の内容を信じませんでした。

当時は神への祈りはヘブライ語でするものという決まりがあり、ヘブライ語はきちんと勉強しなければ読めない言葉でした。

ヘブライ語を読める、話せる人を集めて祈らせ続けますが、雨は降る気配がありません。

そして、ラバイは同じ夢を一週間後、さらに一週間後と三度見ることになります。

これは神の意志に違いないと仕立て屋に祈りを捧げさせました。

仕立て屋はヘブライ語ではなく、自分の言葉で

私は仕立て屋の仕事を始めて40年になりますが、一度も他人をだましたり、ずる賢い商売をしていません。

他の仕立て屋は巻き尺の寸をごまかして高い代金を請求しています。

粉屋もはかりを狂わせて、粉を見かけより少なく売っています。

油屋もそうしています。

私はそういうことをしていません。

私の正直な商売を評価しているなら、何卒雨を降らせてくださいませ。

と、祈りました。

すると空がにわかに曇り、雨が降り出しました。

この雨で国中が救われ、今までずる賢い商売をしていた人はみな、巻き尺やはかりを正しいものに取り換え、誠実な商売をするようになりました。

この様子を見た神は満足されてその国に雨を決まった時期に降らせ、干ばつが起きることはなくなりました。

「正直な仕立て屋」の話から学ぶべきこと

この話から学ぶべきことは「正直で誠実な商売をしなさい」ということです。

人をだまして儲ける商売は続かない

なぜなら一見さんは騙せても、その後のリピーターにはならないからです。

タルムードの話はかなり昔の話になりますが、それでもそんな教えがあった。

今は情報社会であり、不正なことをするとたちまち多くの人の間に知れ渡るようになり、商売がしにくくなります。

それでもお金を儲ければいいという考えの商売は多く、特に不動産関係は知らない人にお金を吹っ掛けるという、不誠実な商売をしているところが多いように思えます。

本来ならば貸主負担である費用を借主に負担させる。

仲介手数料1か月分というのは貸主と借主が折半して家賃の0.5か月分ずつ払うのが正しいのに、借主が合意すれば家賃の1か月分を借主が負担できることを悪用して、何の説明もなしに当然のように「仲介手数料は家賃1か月分を頂きます」と書いて払わせる。

退去費用も意図的に傷をつけていない経年劣化による傷みは貸主負担でのメンテナンスになるのですが、これを借主に負担させる。

こんなアコギな商売がまかり通っています。

これは正直な仕立て屋がやっていた商売とは正反対のことであり、干ばつに悩ませられた時の他の仕立て屋や粉屋、油屋がやっていたことと何も変わりません。


ブラック企業もそうですね。

相場より安いお金でやりがいの名のもとに社員をこき使う。

ボーナスや退職金さえ払わず、有休も取れない。

仕事内容は他の会社と変わらないレベルなのに長時間労働、残業代も出ない。

こんなことをして成り立っているので、まともな人はやって来ないか、間違って会社に入っても状況を理解してすぐに退職してしまいます。

こんな商売をすることはいけないことである、それをユダヤ人はこの話から学び取っているわけです。


また、この話には常識やしきたりに関する警鐘も含まれていると思いました。

ヘブライ語が出来る人が祈るのが常識やしきたりである。

この事をラバイが守り続けていたら、干ばつで国全体が滅んでいたことでしょう。

常識やしきたりに縛られることなく、適切な判断をしたから、国や村が干ばつで困ることがなくなった。

今の日本はまだ常識やしきたりに縛られていることが多いように感じます。

今までそうであったからと言って、これからの状況もそれで通用するかというと必ずしもそうではないのです。

状況に応じて昔からの常識やしきたりを破って行動することも大切になります。

日本が他の先進国に比べて後れを取っている理由として、この常識やしきたりに縛られているということもあると思います。

まとめ

今回は『ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集』より、「正直な仕立て屋」の話を紹介しました。

この話は商売を誠実に行うこと、ずる賢く他人をだますようなことがあってはならないことを教える内容となっています。

このブログの読者の方は今、正直な仕立て屋と同じ立場に立っておられますでしょうか?

正直で誠実な商売を行っていますでしょうか?

もしそうでなければ正直な仕立て屋と同じ立場に立つように行動を改めて欲しいと思います。


「正直者はバカを見る」という言葉があります。

『ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集』の著者である石角氏は、この言葉は強欲な人が自分を正当化する言い訳にしか聞こえないと著書内で書いています。

これはその通りだと自分も思います。

何事もズルをせず正当な方法で行うことが評価される。

それが本来あるべき国や社会の姿であると思います。

今の日本の政治家は自分の私腹を肥やすために不誠実で国民の負担を上げることしか考えず、他の国にはいい顔をしてお金をばらまいています。

つまり、今の日本そのものが大きなブラック企業であると言ってもいい状態です。

正直な仕立て屋と反対のことをする人が上層部にいる日本。

そんな国がこの先どうなるかは少し考えれば分かることだと思います(個人的に将来どうなるかの兆候はかなり前から出始めていると思っており、今になってもそれに気付かない人が大半であるという印象です)。

そういう国を変えるために一人一人が正直な仕立て屋である必要があります。

自分のことしか考えないようでは、この先どんどん苦しくなっていくことでしょう。

経済の干ばつが起こるのもそう遠くない未来かもしれません。

少なくとも、個人レベル、企業レベルで正直で誠実な存在を目指さないと本当に日本の未来は暗いと思います。

今回のお話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

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