宝くじに3億当たったら預金の利息だけで食べていける。
そういわれていた時代がありました。
確かにその時は預金の利息が数パーセントあり、3億預けると源泉徴収を引いても数百万円のお金が何もしなくても毎年入ってくるようになっていたのです。
しかし、今は超低金利時代。
今の銀行の預金では100万円預けても利息でうまい棒一本も買えないかもしれない。
宝くじ1等分の10億を預けても、毎月の利息は数千円から数万円。
とても利息だけでは食べていくことが出来ない時代になってしまいました。
もちろん、そんな状況では銀行の預金がお金が増える手段になるはずもありません。
銀行預金の利息に付いて
1980年代の銀行預金の毎年の利息は数パーセントありました。
そのため、宝くじの1等が当たると利息だけで生活していけるという景気のいい話がありました。
しかし、その利息の値は1995年あたりに1%を割り込み、以降はさらに下降し、今では0.001%という恐ろしいくらいの低金利になっています。
これがどれくらい恐ろしいかと言うと、預金の利息は複利なので72の法則を使って計算してみましょう。
72÷0.001=72,000
つまり、今の金利だと預金が倍に増えるのに7万2千年かかってしまうということになります。
これは20%くらいかかる住民税と所得税を考えない数値。
これを考えると9万年くらいかかるということになります。
つまり、今では銀行預金でお金を増やすという手法は全く使える方法ではなく、例え定期預金であっても銀行の預金だけでは一生かかっても預金を倍にすることが出来ないのです。
預金にかかる手数料
銀行やゆうちょの取引でかかる手数料として一番最初に思いつくのは時間外の取引の手数料か、コンビニATMの利用手数料ではないかと思います。
それ以外にも振込手数料や口座維持の手数料など、口座利用にかかる手数料は意外と馬鹿になりません。
しかも手数料は種類が増えていく傾向にあります。
今では両替の手数料、硬貨での預金の手数料など、正直ぼったくりも甚だしいというレベルの手数料を銀行側が取っています。
手数料については無料の時間帯やATMもあるため、それをうまく利用すると払わずに済むものも多いですが、1回手数料を支払ってしまうと銀行に500万円預けていた場合でも、利息が手数料を上回って、預けたお金が減ってしまうということになります。
口座維持の手数料がない銀行もあったり、一定の金額の預金をすれば口座維持の手数料が無料になるところもあるため、条件を満たす取引を行っていれば気にする必要はないと思います。
銀行にお金を預けて増えていくのは過去の話で、今はお金はほとんど増えず、預けたお金が減っていくのが銀行の預金と思ってもいいでしょう。
銀行預金のメリット
では銀行預金を使うことで何かメリットがあるかと言うと、きちんと存在します。
それは銀行預金はある程度しっかりしたセキュリティがかけられており、カードや通帳を紛失した場合に連絡すると引き出しをストップしてもらえること、暗証番号を繰り返し間違うとロックされ通帳の盗難などがあっても暗証番号が漏れなければ預金が保護されること、お金を自宅に置かないので火災が起きても預金は守られることなどがあります。
さらに預金している銀行が倒産しても、ある程度の金額までは預金が保障されるので、お金が全て消えてなくなるということがありません。
また、ATMから引き出せるお金には上限があり、上限を超えたお金は窓口で引き出さなければならず、引き出しの際に印鑑、通帳、本人確認書などで本人確認が行われます。
つまり、なりすましでお金を大量に引き出されて盗まれるということがなく、預金のシステム自体はかなり安全なお金の管理方法となっています。
銀行の預金はあくまでもキャッシュポジションとして利用する
銀行の預金につく利息がかなり低いため、銀行預金でお金を増やすことはほぼ不可能です。
定期預金も懸命な資産運用ではなく、インフレ率よりも低い金利で資産運用してもお金の価値が下がり、預け入れた時のお金よりも引き出したお金の価値の方が低いということも十分考えられます。
では銀行の口座をどのように利用するべきかというと、不測の事態に備えるための現金を預けておくという使い方をすればいいのではないかと思います。
余剰資金のほとんどを投資に回すのはリスクが大きすぎるので、生活に必要なお金(生活費の半年から1年分)を預金で持っておく。
そうすることで不測の出費が起きた時にうまく対応することが出来るようになります。
預金自体はセキュリティがしっかりしていますので、お金を増やすことを目的にしなければ安全なお金の保管場所になります。
タンス預金に比べるとリスクが小さくなるため、タンス預金よりも積極的に活用したい貯金方法になります。
最近、日本でもインフレの兆候が見られ、現金の価値が下がっていくことも懸念されるようになってきています。
預金の利息はほぼ無視できるくらい低いので、タンス預金ほどではありませんが、インフレによるお金の価値の低下には注意を払った方が良いでしょう。
金利上昇により預金の利息が上がっていく可能性がありますが、当分は今の状況が続くと思った方がよく、現状では金利上昇の可能性も限りなく低いと思います。
投資についてはある程度の知識が必要でリスクもありますが、預金に比べるとかなりお金が増えるので、お金を増やしたければ覚える必要のある資産運用方法です。
リターンが預金に比べると大きい分、リスクもあるので、投資を扱う記事でこのリスクについて触れていきたいと思います。
今回の話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。