今回は戸建てやマンションなどの賃貸と持ち家のメリットとデメリットについてお話しします。
賃貸がいいか、持ち家がいいかはよく議論されることなのですが、個人的には「人による」の一言で片付けられると思います。
賃貸と持ち家のどちらにもメリットとデメリットがあるからです。
しっかりとメリットとデメリットを理解したうえでライフスタイルに合わせた選択をすることが大切です。
賃貸のメリットとデメリット
賃貸の場合、いくつかかかる費用があります。
大家さんと直接やり取りをすることは稀なので、大体以下のような費用が掛かることになります。
- 敷金(退去時返却)
- 礼金
- 仲介手数料(1か月分請求する不動産屋が多いが、本来であれば0.5か月分)
- 1か月分の家賃(先払い)
- 鍵交換代、清掃費(本来であれば貸主負担だが請求されることが多い)
- 更新料(ない場合もある)
- 火災保険料または保証会社に支払う費用
ここではそれぞれの説明は省きますが、賃貸は家賃が7万円位であれば初期費用が30万から50万くらいになりますね。
この初期費用を支払ったうえで、契約期間は毎月の家賃と、定期的に更新料を支払っていくことになります。
退去時は1か月前までに大家さんや管理会社に連絡することになっています。
こんな賃貸のメリットは以下の通りです。
- ローンを組まないので借金しなくて済む
- リフォーム代を気にしなくていい
- 好きな時に引っ越しできて住所を自由に変えられる
- ワンルームで十分である場合、費用を安く抑えられる
一方でデメリットとして以下のようなものがあります。
- 隣人や上の階の人ととのトラブルが起きることがある
- 賃料の値上げの連絡が来ることがある
- 火災保険に自由には入れないことがある(物件の管理会社指定の保証会社に加入というケースもある)
- 退去時の退去費用に関して管理会社とトラブルになることがある
- いくらお金を払っても自分の部屋や家が手に入らない
- 前に住んでいた人の郵便物が届いたり、訪問者が来ることがある
特に木造や軽量鉄骨の物件の場合、上の解や隣の部屋の音が気になることがあり、木造はお勧めできません。
学生の時、自分が木造の安いアパートを借りていたころがありましたが、上の階の人が夜遅くまで(朝の3時とかまで)騒ぐ人だったので、寝られないことがありました。
また、前に住んでいた人の郵便物が届くことまではいいのですが(郵便局に届けるのが少々面倒ではありますが)、前の人が闇金から借金していたのか、借金取りが押し寄せてきて、身に覚えがないのにドアや窓をドンドン叩かれ、迷惑したことがありました。
結局その借金取りが来たのは一回だけでしたが、あまりにもしつこかったので警察に連絡すればよかったと思っています。
また、お金について詳しくない人は賃料の値上げの連絡が来た場合、その書面にサインして提出するのが当たり前みたいな書き方で送られてくるので、何も考えずにサインして、不利な条件を飲んでしまうということがあります。
もしサインしなければ「出ていけ」と言われるのではないかと思われる方もいるかもしれませんが、心配は不要です。
「賃料値上げに応じなければ出ていけ」は違法なので、これに応じる必要はありません。
出ていく場合は、引っ越しにかかる費用を全額請求できますし、そもそもお互いが合意しないと賃料値上げは成立せず、今までの家賃での更新となります。
この場合、法定更新となることがありますが、この法定更新は注意しなければならないことがあって、大体の賃貸は退去1か月前か2か月前に退去を申し出れば退去できますが、法定更新になってしまうと遅くても退去日の3か月前に申し出をしなければなりません。
また、賃料値上げに応じなければ家賃を受け取らないという悪質な大家さんや管理会社が存在します。
この場合、家賃を受け取らないからと言って家賃を支払わないと家賃未払いを理由に退去になることがあります(ここは借地借家法で貸主側にペナルティを設けて欲しい所なのですが)。
大家さんや管理会社に家賃を受け取るのを拒否された場合、供託制度というものがあり、供託所に大家さんや管理会社が家賃を受け取りを拒否した時から今までの分の額の家賃を支払うことで、家賃を支払ったという証明をすることが出来ます。
供託制度を使うと、家賃の未払いによる退去が出来なくなりますので、強制退去をさせられる可能性はなくなり、大家さんや管理会社と話し合いをして折り合いをつけることになります。
このような大家さんや管理会社とのトラブルになる可能性があるというのも賃貸を借りるデメリットと言えるでしょう。
引っ越し時や車を買い替えた時などに、車庫証明の申請をするために大家さんや管理会社に必要な資料の発行を依頼する必要がありますが、大体の場合は有料になりますので、この点も注意が必要になってきますね。
持ち家(戸建て住宅やマンション購入)のメリットとデメリット
持ち家として戸建てやマンション購入を行う場合は、以下の費用が掛かります。
- 印紙税
- 不動産所得税
- 登録免許税
- 住宅ローンの印紙税
- 司法書士への報酬
- 申込証拠金(不要な場合もあり)
- 固定資産税
- 都市計画税
- 手付金
- 仲介手数料(中古物件や仲介会社を通して購入する場合)
- 住宅ローン借り入れ費用
- 修繕積立金(マンションの場合)
- 管理費(マンションの場合)
- ローン返済額
- 火災保険料
見てわかるとおり、めまいがするくらい色々な費用がかかります。
特に税金は取りすぎですね。
色々と費用がかかるうえに、賃貸物件を借りる時よりも手続きが多く、初期費用が多くかかります。
ローンをすべて返済しても固定資産税は毎年発生しますので、毎年何かしらのコストがかかります。
そんな持ち家の購入のメリットは以下のようなものです。
- 車を買い替えた時の手続きが比較的楽(賃貸は大家さんや管理会社に書類を発行してもらわなければならなかった)
- ローンを返済すると家やマンションが自分のものとなる
- 住宅ローンは年末調整の控除の対象となる
- 購入した家や部屋は自由に使える(画鋲を使ってカレンダーを壁に掛けても怒られない)
- 引っ越しがほとんどない場合は良い選択
- 賃貸ほどルールに縛られることがない(賃貸は大家さんや管理会社が定めたルールに従わなければなりません)
一方でデメリットとしては
- ローンを組んでも返済できない可能性がある(35年ローンなどの長期ローンには特に注意!)
- 引っ越しをする場合が面倒である
- ローンを返済し終えたころは減価償却により建物の価値がほとんどなくなり、土地の価値しかなくなる。
- 建物が老朽化すると修繕やリフォームの費用が必要であり、この費用がかなり掛かってしまう(マンションは修繕積立金により定期的に修繕が行われる)
- 普通の購入のし方では、基本的に購入した時よりも売却した時の方が高く売れるということがない
- 隣人のトラブルなどが起きると、賃貸物件を借りている時よりも対応が面倒
戸建てやマンションを購入した時、購入した時よりも売却した時の方が高く売れるケースは、一般の戸建てやマンションの購入ではまず起こりません。
土地開発が進んでいる、駅が出来たなど、地価が上昇する要素がない限り、地価が大幅に上昇することもありません。
なので、投資目的で戸建てやマンションを購入しても、素人の場合は大体の場合は損をしてしまうことになります。
消費のために戸建てやマンションを購入するのであればここは意識しなくていいでしょう。
また、転勤が多いなどの理由で引っ越しが多い人は戸建てやマンションの購入はお勧めしません(ここは転職するなどで対策してもいいかもしれません)。
転勤が多いのに、毎回戸建てやマンションを勝手売却してまた買うなどの行動を繰り返したらローンばかりが残り、ローンの支払いだけで生活費が大きく削られる状態にもなってしまいます。
戸建てやマンションの購入はローンが終わると自分のものになりますが、それですべての費用から解放されるわけではありません。
賃貸と持ち家のどちらが自分のライフスタイルに合っているかを慎重に判断してからどうするか決める必要があるでしょう。
その選択の先に自分の将来がかかっているわけですから。
今回のお話は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。