ゲームセンターに行くと必ずと言っていいほどクレーンゲームが置いてあります。
クレーンゲームは1プレイ100円から500円くらいで、クレーンを操作してプライズを取るというルールのゲームのことです。
二本爪と三本爪のものがありますが、三本爪のものは一定の金額が入れられるまでアームがプライズをキャッチしても離してしまいます。
二本爪のものは実力で取れるのも多いですが、プライズをつかんで取り出し口に持って行くという仕組みになっていないものがほとんどで、少しずつずらしながら取るなどのように、たいていはかなりお金を使わないと取れない設定となっています。
プライズを取った時の達成感はありますが、気を付けないといけないのはクレーンゲームにも依存的な部分があるということです。
クレーンゲームに依存してしまうことをゴトン病と呼びます。
これはプライズが取り出し口に落ちる音を表現したものであり、ゴトン病にかかると、毎月大金をクレーンゲームにつぎ込むということになりかねません。
ゴトン病と、ゲームセンターの射幸心をあおる演出

ゴトン病はプライズが景品取り出し口に落ちることに達成感を覚えることを繰り返すことで、景品を景品取り出し口に落とすことがクセになってしまい、特に欲しい景品ではなくてもクレーンゲームにお金をつぎ込んでしまうようになってしまう、一種の依存症です。
ゲームセンターで使うお金はパチンコやパチスロに比べると少額ですが、それでものめり込むと1日に2万円ほど使うようになってしまいます。
多くのゲームセンターにおいてクレーンゲームはゲームセンターの稼ぎ頭であるため、売上がそれなりに多く出る設定にしてあることが多いです。
クレーンゲームで主に取り扱っているのは、ぬいぐるみやフィギュアなどが多いですが、ゴトン病にかかるとその人の家の中がぬいぐるみやフィギュアで埋め尽くされるということも珍しくはありません。
それほどお金をつぎ込むということは、当然ながら給料から毎月貯金をする余裕がなく、生活費以外のお金全て、あるいは生活費の一部までクレーンゲームに費やしてしまうことになります。
それと、ゲームセンターにもゴトン病を誘発しやすい環境が出来ていると思います。
例えば、誰かが景品を取った瞬間に景品ゲットのアナウンスの声が流れることがあります。
大きめのクレーンゲームでプライズを取った時に流れることが多いですが、大手チェーン店のゲームセンターではクレーンゲームコーナーで遊んでいると、この声が流れるように設定しているところが多く、これがまたクレーンゲームをプレイする人の射幸心をあおってしまいます。
そして、自分で景品を取った時も当然この声が流れるわけですが、この時の満足感は何とも言えないものがあります。
クレーンゲームにも声の演出が備わっていることがあり、「いっけぇ~!」、「お願い!」などと言う声が流れたり、景品が取れなくてクレーンゲームをやめようとしたら「えっ、もう終わり?」という声が流れて、意地になって追いかけたくなります。
大体この声を聞くのは三本爪のクレーンゲームですが、二本爪のクレーンゲームにも導入されていることがあり、一度始めるとなかなかやめにくい状況になっています。
また、三本爪のクレーンゲームは一旦持ち上げて、そこから握力がなくなって景品を落とすようになっており、一定の金額まで達すると持ち上げても握力が落ちずに景品を持ち上げたまま景品の出口まで運ぶような救済措置が発動することが多く、これもまた、クレーンゲームをやめにくくする理由となっています。
巷ではこれを「確率」や「天井」と言うのですが、三本爪のクレーンゲームをやる際にこの知識があれば、他の人にハイエナされたくないからと言う理由で、救済措置が発動するまでお金を突っ込んでしまう羽目になることが多いです。
酷い店はこの救済措置を設定していない所があり、そのような店であればクレーンゲームに5千円使おうが1万円使おうが取れないということになります。
そうではなくても、最近はこの救済措置が発動するまでの金額を高く設定している店も多くなり、下手に救済措置に頼ったプレイをするのは危険であるという状態になっています。
ゴトン病の特徴
では、ゴトン病はどんな特徴があるか見ていってみましょう。
個人的に以下に挙げる中で当てはまるものが多いほどゴトン病にかかっている可能性が高いと考えます。
- 景品を取り出し口に落とした時に得られる達成感が忘れられない
- 景品を取るのに1つの台で5千円以上使ったことがある
- 景品が取れるまでお金を使わないと悔しくてゲームセンターから出ることが出来ない
- 既に取ったことがある景品でも挑戦してしまう
- 特に欲しくない景品でも挑戦してしまう
- クレーンゲームで1日に1万円以上使ったことがある
- クレーンゲームでひと月に5万円以上使ったことがある
- クレーンゲームをすることで、生活費以外のお金が無くなって貯金が出来ていない
- クレーンゲームをすることで生活費に手を出してしまったことがある
- クレーンゲームをすることで、借金をしてしまったことがある
- ゲームセンターを出る時にプライズを5個以上持ち帰ったことがある
- クレーンゲームをすることで家の中がプライズだらけになっている
- ゲームセンターを出る時にプライズが取れているかどうかに関係なく後悔したことがある
- クレーンゲームでプライズが取れても嬉しくない
パチンコ屋パチスロの依存症と違って、ゲームセンターで使うお金はそれほど多くはならない傾向になります。
しかし、1日に1万円以上使うことはそれほど難しくなく、2万円使ってしまうことも十分あり得ます。
これが蓄積すると、なかなか馬鹿にならない金額となり、生活を圧迫するようになります。
酷くなると貯金を取り崩し、そしてさらにひどくなると生活費の概念がなくなり借金をしてしまうこともあります。
ゴトン病はパチンコやパチスロの依存症と似ていて、一度かかると治るのがそこそこ難しいものです。
もし、上記に当てはまったものが多く、生活費を圧迫し始めたらゲームセンターに行くこと自体を減らしていく必要があります。
物理的にゲームセンターに通いにくい場所に引っ越す
お金がかからない新しい趣味を見つけてそちらに集中する
クレーンゲームに使うお金の予算を決めておく
景品はメルカリ、駿河屋などの中古品取扱店、ネットショッピングなどで購入する
上記をどうしてもできない場合はゴトン病を取り扱っている病院の外来で診察を受ける
ゴトン病はギャンブル依存症ほど克服は難しくありませんが、それでもかかると厄介な依存症の一つです。
自分で克服できないと思ったら、すぐに専門家に相談し、治療を行いましょう。
プライズは旬を過ぎると二束三文でしか売れない

プライズは、公式グッズのぬいぐるみやフィギュアなどに比べると値下がりが激しく、中古品買取店の買取ではすぐに200円や100円まで買い取り額が下がってしまうことが少なくありません。
そもそもプライズのぬいぐるみは流通量が多いため、中古品買取店に売っても在庫がたくさんある状態となってしまい、中古品買取店側も売れない在庫リスクを抱えてしまうことになります。
公式グッズの特別な条件でしか手に入らないものは時間が経つと買い取り額が値上がりすることがありますが、プライズに関してはそんな現象が起こることはそれほど多くはないでしょう。
最近はプライズのぬいぐるみやフィギュアのクオリティも上がってきていますが、公式グッズに比べるとやはり見劣りしてしまう部分があり、保有しておく意味というのがあまりありません。
そういった意味でも、プライズで取ったぬいぐるみは資産になるということは少なく、自分が好きで取ったぬいぐるみやフィギュアを飾っておく、子供に与えて抱いたりしてもらう、などの使い方になると思います。
なので、ゲームセンターのプライズは仮に取れたとしても、かかった金額に相当する価値があるとは言えず、最初から損をしてしまうことになることが多いです。
ただ、どうしても好きなプライズを狙って取ることは否定はしませんし、それが楽しいのであれば、プライズが本当に欲しいものであった場合は、クレーンゲームをすることは問題ありません。
問題は深入りしすぎないことです。
もし、ゲームセンターのクレーンゲームで1万円以上使ってしまった場合は、ちょっと立ち止まって、今の自分がどれくらいクレーンゲームに依存しているか考えて見ましょう。
お金を豊かにするには、お金がかかる趣味に依存しないことが大切です。
毎月貯金額、投資金額を決めておき、収入から生活費や毎月の支払額を差し引いた余剰資金の範囲内で楽しむようにしましょう。
今回のお話は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。