72の法則について

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投資における72の法則について

投資のことを勉強していると必ず聞く言葉として、72の法則というものがあります。

72の法則は特に長期の投資戦略を考えるうえで重要なものになります。

72の法則を知っていなくても投資成績を上げることは可能ですが、72の法則を知ることで、より投資成績を投資戦略に近いものとすることが出来ます。

投資における72の法則とは?

投資における72の法則とは、複利での計算の時に何年経てば元本が倍になるのかを表すものです。

72を年利の利率で割ったものが元本が倍になる年数であり、これはどの年利の利率で計算しても大体あっています。

72の法則は単利では成立しません。

複利の場合のみに成立する法則です。

単利と複利については以下の記事で紹介しています。

72の法則を使うと、年利4%の資産運用では18年、年利6%では12年で元本が倍となることが分かります。

ここで一つ注意が必要なのが、一定の年率で複利が働くというのは投資ではあり得ないことで、投資商品の基準価格が上下を繰り返しながら長期的に上がっていくという様子を平均して計算して算出している点に注意が必要です。

銀行預金も利息は複利ですが、複利の効果をしっかりと発揮できるほど利率が高くはないため、銀行預金による資産運用はあまりお勧めできません。

ですので、預金の利息に72の法則を使うのは現実的ではなく、投資による資産運用で72の法則はよく使われます。

複利の力は恐ろしく、頼りになる

単利と複利

複利の力は敵に回すとおそろしいものですが、味方につけるとこれほど頼りになるものはありません。

複利は(元本+金利)に対して利率に応じた利益が得られるので、最初はあまり単利と差がなくても、時間が経つにつれ、勢い良く資産額が増加していきます。

3年くらいでは単利と複利では資産運用の結果にそれほど大きな差が出ませんが、5年くらい経った頃から少しずつ複利の方が差を付け始め、20年くらい経つと複利の方が単利よりも圧倒的な差を付けるのです。

投資でお金を増やそうとする場合は、元本と利益に対して複利の計算が行われるので、元本だけが利益の対象となる単利よりも、複利の方を味方につけて効率よく利益を増やしたいものです。

年利は4%くらいでもいいので複利の力を利用すると、資産を効率よく増やしていけることでしょう。

年利4%だと72の法則を適用すると資産は18年で倍になります。

時間はかかりますが、着実に資産を増やしていける唯一の方法が複利を味方につけることなのです。


一つ、注意しておかなければいけないことがあります。

複利の力は借金でも力を発揮し、特にリボ払いをする人をかなり苦しめる要因となっています。

リボ払いや借金で元本がなかなか減らずに破産してしまうのはこの複利の力の強さも原因の一つではないかと思います。

借金の利息が複利の場合、利率が高いので借金が大きく増えていくスピードが上がるまでの期間が短く、時間が経つと返せなくなってしまいます。

例えば借金の利息の利率が12%の場合、72の法則を使うと全く返済をしないと支払うべきお金が6年で倍になることが分かります。

なので、借金などの形で複利を敵に回してもらうととても厄介なことになるのです。


複利を敵に回すか味方にするかはその人次第です。

複利は敵に回すのではなく、味方にして、その恩恵をしっかり受けるようにしましょう。

インフレにおける72の法則

72の法則自体は簡単に理解できるものですが、資産運用のためにはインフレという複利の効果が働くことを理解しておかなければなりません。

物価上昇率という言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、これも複利の計算方法で算出しています。

毎年物価が2%上がっていくと、毎年2%のインフレが起きていると考えることが出来ます。

そして、毎年2%のインフレが起きると、物価は何年で倍になるか?

72の法則を使って算出してみると36年で物価が倍になることが分かります。

本来であれば、この場合に給料も倍になっていないと生活水準が同じにならないのですが、日本では給料が上げ止まっていて、物価だけが上昇していく悪いインフレの状態となってしまっています。

そのため、資産運用が重要になってくるのですが、資産運用の対象はインフレ率<資産運用の年利でなければなりません。

銀行に預金するだけの資産運用はインフレ率>資産運用の年利になるので、時間が経つにつれ、資産価値が減損していくのです。

これより高い年利を実現するのが投資になるのですが、ここでも注意が必要で投資による資産運用は年利が高ければ高いほどいいというものではありません。

年利が上がると投資のリスクも上がります。

そのため、どれくらいの年利で資産運用できるかを、自分が許容できるリスクから考え、投資商品を選ぶ必要があります。

もちろんアクティブ投資やビットコインなどの投機はやってはいけません。

インデックス投資をメインとし、リスクヘッジの資産として債券ETFやコモディティを混ぜつつ着実に成果を出していくことが大事なのです。

そうすることで、インフレによる資産価値の減損以上に投資による利益が大きくなり、結果として資産価値を上げて利益を出していくことが出来るのです。


注意点として、インデックス投資でも毎年の利益は一定ではなく、変動して時にはマイナスになることもあります。

そのため、長期的な視点で平均どれくらいの利率で利益を出したのかが、年利として使われています。

72の法則を理解し、投資に最大限活かすようにしよう

72の法則は年利何%の運用の時に何年後に元本が倍になるということをおおよそ計算できるものとなっています。

投資の年利を考えることから始まりますが、まずは年利3~4%くらいで計算し、18~24年で元本が倍になるというおおよその計算を立てましょう。

年利5%でもいいのですが、もしかすると将来的に現実的な数値ではなくなるかもしれませんので、ここは低く見積もりました。

そして、年利3~4%の成果を出せるのは、日本以外にインデックス投資をすることです。

日本も最近株価が上がったり、下がっても底堅いように見えますが、円安で海外から株が買われているだけのように思えるので、この株価の上昇が続くとは思わない方がいいです。

海外のインデックス投資ではS&P500の投資が王道であり、米国全体への投資、全世界への投資(いわゆるオルカンというものです)などが、インデックス投資の主な手段となります(新興国は今のところパッとしない状況で今後どうなるかも分からないので、ここでは提案していません)。


複利はアクティブ運用の投資商品ではうまく活かすことが出来ません。

インデックス投資が複利の力を活かす最善の道となります。


72の法則を用いて年利何パーセントで何年後に元本が倍になるという計算をしたら、実際にインデックス投資を行い、積み立てを行いながらただひたすら待ち続けます。

投資の利率は一定ではなく、大きくマイナスになる時もありますので、暴落時に元本が半分になっても決して心が折れて株を売却するということがあってはいけません。

売りたい衝動を抑え、じっと耐えます。

耐えることには強いメンタルが必要かもしれませんが、暴落時に耐えて上昇に転じる稲妻の輝く瞬間に立ち会うことが出来れば、暴騰が起こっても有頂天になることなく、淡々と投資を続けられると思います。

「株を売れ」とインフルエンサーが言っていても無視をして、アメリカや世界全体が必ず成長すると信じて、資産を取り崩す時が来るまで売らないことです。


72の法則は複利全般に当てはまる法則ですが、特に投資において使われることが多いです。

年利が分かれば、何年経ったら元本がいくらになるのかがおおよそ分かるので、しっかりと理解しておいてほしい内容です。

72から年利の利率で割るだけというシンプルな計算方法で難しいことは覚える必要はありません。

投資の計画を立てるのに重要な法則なので、理解してきちんと活用するところまで、実践してほしいと思います。

今回のお話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

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