ただより高いものはないを企業のサービスの観点から考えてみた

広告 言葉の話

「ただより高いものはない」は本当。無料で何かをもらったりサービスを受けたりするのは高くつく。

「ただより高いものはない」という言葉があります。

そして、実際に何かを無料で配っているところを見たことがある人は多いと思います。

この無料(つまりただ)という言葉の裏には、企業側の巧みな考え方があり、蜘蛛が巣を張ってエサが引っかかるのを待つかのように、お金を落としてくれる人を待ち構えているのです。

今回は無料(ただ)でもらえる商品や、無料相談の裏に隠された実情についてお話しします。

無料でモノを配ることについて

最近、XやLINEなどで何十万名にもあたる大量当選のキャンペーンが多く行われています。

主催しているのはコンビニ、またはメーカーです。

メーカーは自社の商品を知って欲しいからこのキャンペーンを行う。

2回目以降に買ってもらうために、最初は無料でコンビニ引換券を多くの人に配り、まずは自社の商品を試してもらうのです。


抽選を行っているのがコンビニの場合は、取り扱う商品の一部を無料で配ることで他の商品を買うことが狙いだと思われます。

クーポンだけを引き換えて店を出ることも出来るのですが、ついついほかに一緒に商品を買ってしまう人もある程度の割合でいるでしょう。

つまり、売り上げアップの手段として、コンビニがクーポンを大量に配ることがあるのです。

ファミリーマートのアプリでは期限付きのファミペイや無料クーポンが配られることがあるのですが、これも目的は同じと考えていいです。

無料のものをクーポンとして配布することで、何かの商品を一緒に買ってもらうという意図があるわけです。

だから、何でもただだからと言って飛びついてはいけません。

本当に自分にとって必要なものだけを受け取るといいでしょう。

無料相談は契約させるための罠

無料相談は契約させるための罠

証券会社や保険の無料相談は絶対に行ってはいけません。

ただし、相談に乗ってくれること自体はありがたいかもしれません。

しかし、相談の相手はプロです。

相談に乗って欲しいと思う人を巧みに自社の商品を買わせてくれるように、または自社のサービスを契約させるように持って行きます。

不安をあおる言葉を言えば、相談をした人は不安になります。

ここから相談の相手の営業トークが始まります。

このトークに負けずに「やっぱり自分で何とかします」と言える人は少なく、自分で何とかできないから相談をしに来たわけであり、無料相談に訪れた人に営業トークをはねのけることが出来る人はほとんどいません。

そして、気付けば契約の話になっていて、契約書にサインをしてしまいます。

この契約書にはとても重要な事項が書かれているのですが、それを読んで理解するくらいの余力が無料相談に行く人には残っていないでしょう。

ざっと雑に契約書を読むか、契約書を読まないかして、契約書に同意のサインをしてしまうわけです。

こうして、無料相談に行ってしまったことにより、高い商品を買わされることになった。

ただや無料という餌につられてしまって、余計なお金を払わされることになってしまったわけです。

無料で素材入手や動画視聴が出来る理由

このブログで使っている画像も、無料で素材のサイトからダウンロードしてきて利用しています。

そして、Youtubeやニコニコ動画ですが、これらも無料であっても動画を観ることが出来ます。

この2つに共通するのは、無料ではあるが、運用者はお金をしっかりと得ているということです。

どういうことかというと、理解してもらうためには実際に使ってみると理解が早いでしょう。

今すぐYoutubeや素材サイトを見て気になったところを探してみてください。


・・・何か気づきませんでしたでしょうか?

そう、どちらのサイトにも共通するものがあったはずです。

それは広告。

無料で素材を配布しているサイトや動画サイトの運営者は、広告によって収益を得ています

そしてもう一つ、有料会員というサービスがあったものもあったと思います。

こちらも運営者の主な収益源であり、広告が邪魔だから有料会員になるという人が一定数います。

だから、あえて無料会員に広告を流すことで、それを邪魔だと思っている人が有料会員になることで、有料会員が集まり、安定したサブスクの収入になるわけです。


ただ、全ての無料素材サイトが広告と有料会員によってお金を得ているわけではありません。

いらすとやはグッズ化したり、企業向けに20個を超えるイラストの利用を有料にしたりして、収益を得る方法も取っています。

だから、一見無料で運営して赤字になっているように見えても、実情は儲かっていたりするような仕組みになっているのですね。

最近は見なくなった話ですが・・・

自分が学生の頃、大体2000年代前半くらいの話ですが、宝石店から「来店するとアクセサリを無料で差し上げます」というはがきを送り付けられたことがありました(どこで自分の住所を入手したのか分かりませんが、学生というターゲット層以外の人に送っているところを見る限り、手当たり次第に送っている感じでした)。

自分は宝石に興味がないので店に行かなかったのですが、このアクセサリ目的で来店した多くの人は店の商品を買わされたそうです。

店の商品を買わないと出られないようなセールストークが行われ、その雰囲気から逃れたいために店の商品を購入してしまう。

つまり、アクセサリだけをもらって帰ることは、よほどの強いメンタルの持ち主ではない限り、普通の人にがほぼ不可能なシステムになっていたわけです。


これはただより高い物はないということをはっきりと現した事例でありました。

今はこの店はこの商売方法をやめているようですが、同じような商売方法をする店や企業が今は全くないかといえば、そうとは限りません。

今でもディーラーや住宅展示場、携帯電話の契約で使われる手法でありますが、余計な出費をしたくなければなるべくそういう所に行くことは避けることです。

気持ちが弱い人だと説得させられて、モノを買わされたり契約をさせられたりします。

ただで何かをもらえるということが書いてあるメールや葉書を受け取った場合、何か裏があると疑う習慣を持った方がいいです。


自分が子供の頃に住宅展示場に行くとイチゴがもらえるというものがありましたが、当時中学生の頃の自分が一人で行ってもイチゴがもらえました。

こういうケースはレアケースだと思うので、無料で何かをもらえるということは、たいていは何かの営業を受けるものだと思うことが大事です。

なお、最初から買うつもり、契約するつもりでついでに粗品をもらってくるという気持ちが最初からあれば、問題はありません。

何か商品を売る時にただで配るという選択肢は、本来であれば取ってはいけないこと

店や企業はボランティアや慈善事業ではありません。

売上を上げて、純利益を出して初めて商売が成り立つものです。

そして利益を上げるためには一定数以上の商品を売らなければなりません。

売れる商品が少ないと利益よりコストが多くなり、赤字を出してしまうことになります。

なので、商品をただで配るというのはコストを増大させる行為であり、店や企業にとってはリスクとなることです。

本来であれば取ってはいけない選択であり、それ以上の回収が見込めないと、経営を苦しくしてしまうことになります。


でも、それでも無料で商品の配布や無料相談というものは現実に存在している。

これはどういうことであるかというと、無料で配布した分を回収し、利益に持って行けるだけの見込みがあるということです。

だから大手企業を中心にこのようなキャンペーンを行っている企業が実在しているのですね。

中小企業はあまりこの方法を使いづらいけど、大手になるとブランドがあるので、無料の商品配布や無料相談というのが使いやすくなります。

なお、利益に持って行くためのお金はどこから出ているかという話ですが、これは商品を無料で受け取った人のリピート買いや無料相談に行って契約まで行った人の財布から出ています。

無料で配ったり無料相談を行うと、一定数リピート買いや契約してくれる人がいるから、コストを回収でき、利益に持って行くことが出来るのです。


街中で試供品を配るのも同じですね。

何十万人に配るような大規模なものではありませんが、まずはお試しで使ってもらう。

気に入ったら買ってもらうという考え方です。

一定数気に入って買ってくれる人がいるから試供品を配ることが販促行動になり、利益につながるわけです。


一方、無料相談はどうかというと、無料相談の場合、契約を取る自信があるから無料相談を設けています。

無料相談の結果、契約に繋がらなかったら、無料相談を行った企業側にコストが掛かるだけになってしまいます。

そのため、無料相談は腕の立つ営業を鰓案で契約に持ち込もうとする。

そんな仕組みがあるから無料相談は成り立つわけです。

一部同業者と競うために無料相談を設けている会社もありますが、やはり目的は同じですね。

自社のサービスを契約してもらうことが目的です。

そのため、何か無料でサービスを受けることや商品をもらうことは、結局何もしないことよりも高くつくことも意識する必要があり、無料で何かを提供することの裏を知って、無料の商品をもらったりサービスを受けたりすることが大切になるわけです。

まとめ

「ただより高いものはない」というのはただで何かをしようとしたり、何かをしてもらおうとしたときに、代わりに頼まれごとをしたり、お礼として商品を買わなければという心理が働き結局高くついてしまうことです。

いくつかケースを紹介しましたが、やはりこの「ただより高いものはない」というのは本当であり、無料で何かを提供する側はその見返りとしてサービスの契約や商品の購入を期待しており、売り上げを伸ばしたいからまずはただでサービスしているという意図があります。

先にお客や見込み客にコストを支払うことで見返りとして売り上げに貢献してもらおうとする商売の一つだと思った方がいいでしょう。


販促で商品を抽選で配ったり路上で商品を配ったりするのはありがたくもらっておけばいいと思いますが、ただの中でもコストの大きい無料相談などは十分注意してください。

もちろん無料で複数社に見積もりができるサービスも要注意です。

大抵の人は見積もりをした会社の中から選んでしまいますが、もっと安くてサービスのいい会社や、安くはないけどサービスの質が高い会社もあります。

見積もりの結果依頼しないというのもありなので、無料のサービスを使う時こそ慎重に検討をする必要があります。


ただで何かをしてもらうと高くつく。

これはしっかりと意識した方がよいでしょう。

とくにギバーやマッチャーに該当する人は、ただであることの罠にはまりやすいと思うので、より一層注意した方がいいと思います。

企業もボランティアで無料のサービスを行っているのではありません。

何か意図があることが多いのでそこはきちんと意識しておきましょう。

今回のお話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

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