「人の気持ちを考えろ」という言葉は一度は言われたことがある人もいると思います。
しかし、この言葉は非常に厄介で、そのまま受け取ってはいけない言葉です。
また、「人の気持ちを考えろ」という言葉は相手に対して言ってはいけない言葉の一つでもあります。
「人の気持ちを考えろ」とはどういう意味かを説明したうえで、相手に対して言ってはいけない理由を説明します。
目次
「人の気持ちを考えろ」=「自分の気持ちを考えろ」である
「人の気持ちを考えろ」と言われても、単純に「相手の気持ちを考えろ」という言葉としてとらえてはいけません。
大抵の場合、相手の行動や言動が自分の意図しないものであったため、自分の気持ちを考えて欲しいため、「人の気持ちを考えろ」という言葉を使っているのに過ぎません。
つまり、自分が気分を害したから言っているだけのわがままな言葉でしかありません。
要するに「察して欲しい」という意味で「人の気持ちを考えろ」という言葉を使うわけです。
自分の思い通りにならないから怒って「人の気持ちを考えて」という言葉を使うわけです。
相手をコントロールしたいから、「人の気持ちを考えて」という言葉を使うわけです。
こんな言葉を使う人と付き合いたいともう人は多くないでしょう。
だから、「人の気持ちを考えて」という言葉を使う人にあなたがなってはいけないのです。
もし「人の気持ちを考えろ」と言われた相手が相手なりに気を遣っていた場合はショックを受けてしまうでしょう。
なぜなら相手の気遣いを0点と評価する、相手の気持ちを否定する言葉であるわけですから。
ちなみに相手のことを考えて動いた結果「人の気持ちも考えてよ」と言われたことが、このブログの管理人は何度か経験しています。
不器用なりに人の気持ちを考えて行動して自分にとっては大変ショックな言葉で、酷く落ち込んだ経験もあります。
自分が経験したケース以外でも、同じような経験をした方はいるのではないでしょうか?
例えば自分のパートナーのためにプレゼントを贈るためにいろいろと考えてプレゼントを選んで、相手にプレゼントを渡して、相手がプレゼントを開けてこう言われた。
「何これ、私の気持ちも考えてよ」
こちらの苦労を一切否定して自分のことしか考えていない言葉を投げかけられると、ショックでしかないですよね。
自分の思い通りにならないから「気持ちを考えて」と言われても、こちらはエスパーではないので気持ちを考えることは出来ないのです。
察してちゃんは本当にめんどくさいです。
同じように食事に誘う時も、何が食べたいとこちらが聞くと「何でもいいよ」と言う。
そしていろいろ考えた結果、店を決め予約して相手と食事をする。
別れ際に「なんでこんな店を選んだの? 私の気持ちを考えてよ」と相手から言われる。
こちらは、「いや、何でもいいと言ったじゃん。面倒くさい奴だな」となる。
こんな感じで、こちらが相手の気持ちをしっかりと考えて行動しているにもかかわらず「人の気持ちを考えろ」という趣旨の言葉を言う人は、自分の気持ちをきちんと伝えずに察してくれという受け身な発想を持つ人が多く、付き合うと面倒くさい場合が多いです。
正解を隠して相手に行動させるのはちょっとその人の人柄に問題があります。
本来であれば、最初にああして欲しい、こうして欲しいがあってからこそ、こちらも正しく動けるわけですから。
それをせずに最後に正解を押し付ける行動は卑怯であると言わざるを得ません。
他人に対する気持ちの考え方は人によって異なる
そもそもすべての人が他人に対して同じように相手の気持ちを考えているわけではありません。
人によって価値観や言葉の解釈のし方が異なりますし、相手に対する気の遣いの方法も異なります。
それによっていろんな行動方法が出てきますし、相手が要望に応えるために用意したものも違います。
マナーやモラル的なものであれば納得できますが、それ以外のことについては相手がどう考えているかなんて、相手の心を読む能力がない人ではない限り完全に把握するのは不可能です。
友人や恋人、上司や部下、これらの方とは他人同士の関係です。
兄弟や親に対しても何を考えているのか分からないことがあるのに、他人に対して何を考えているか、「人の気持ちを考えろ」と言われても100%分かるわけがないのです。
相手の気持ちを察することが苦手で、こちらが思う通りになかなか動いてくれない人は存在します。
しかし、それでも「人の気持ちを考えろ」という言葉を言ってはいけません。
相手に何も伝わらないからです。
相手は「こちらは相手の気持ちを考えて行動しているのに、なんでそんなことを言われなければいけないの?」と思うことでしょう。
行動の改善につながるわけではなく、人間関係が悪化してその人が離れていってしまうことになるからです。
もし、期待した通りに動いてくれなかった場合は、行動したことを認めつつ、「次はこうしてくれるともっと嬉しい」とそれとなくフィードバックを行うことです。
そうすることで、人間関係に傷がつくことなく、相手にこちらが伝えたいことを円満に伝えることが出来ます。
すぐ感情に頼って力ずくで従わせようとするのは愚かな人がすることです。
自分自身がその愚かな人にならないように気を付ける必要があります。
ただ、「人の気持ちを考えろ」と言ってもいいケースが一つだけあります。
それは、本当に自分のことしか考えずに行動している人に対してです。
自分さえよければ相手のことなんてどうでもいいという考えの人は自分勝手な行動をするため人間関係を壊します。
そんな人に対しては「人の気持ちを考えろ」と言ってもいいでしょう。
ただ、ストレートに言うと角が立つので、やんわりという程度にした方がいいでしょう。
ストレートに「人の気持ちを考えろ」というとパワハラだと捉えられる可能性もありますし。
そして、人を変えるのは難しく時間がかかるものなので、どうしても変わらないようであればもうそのまま何もせずにフェードアウトした方がいいでしょう。
あまり良くない方法かもしれませんが、職場で人の気持ちを考えずに自分勝手な行動をする人が居て、相手の気持ちを考えて行動するように何度注意しても改善の見込みがない場合、その人と仕事で必要な最低限のコミュニケーションだけにして、深く関わらないように周囲の人と協力してその人を孤立させると、その人は居づらさを感じて辞めていき、職場の雰囲気が変わるかもしれません。
それでも居座られるようであれば管理職以上の人から厳しく注意してもらうなどもう少し考える必要がありますが、人の気持ちを考えずに自分勝手な行動をする人は無能な働き者なので、何とかしないと会社に害を与えてしまいます。
なので、ここにはあなたの居場所がないということをしっかりと分かってもらうようにすることも、会社という組織を維持するためには重要なことです。
「人の気持ちを考えろ」はテイカーが使う言葉である
「人の気持ちを考えろ」は「自分の気持ちを考えろ」とイコールであることを説明しました。
人にあれしてほしい、これしてほしい、そういう要求を相手に対してぶつけているだけであって、相手に対しての思いやりは全くありません。
つまり、相手から与えられることだけを求める、テイカーの考えを持っている人が「人の気持ちを考えろ」という言葉を発するのです。
「人の気持ちを考えろ」と言った側は、言われた相手の気持ちを考えているのでしょうか?
多くの場合、自分の感情を最優先にして相手の気持ちなんて全く考えていないと思います。
そう言った意味では「人の気持ちを考えろ」というのはかなり大きなブーメランであるとも言えます。
自分がなぜ気分を害したか、具体的に伝える

「人の気持ちを考えろ」と言われた相手は、相手がこの言葉を発した人のことを考えていれば考えているほど大きなショックを受けます。
なので、相手に対して自分の気持ちを理解してほしい時は、具体的にどんな行動が気分を害したのか、自分の言葉で相手に伝えましょう。
この時に、相手に対して気を遣ってくれたことを評価する言葉を一緒に添えてください。
そうすると、言われた人はショックを受けずに行動を改めてくれます。
お互いに自分の気持ちをオープンにしてコミュニケーションを取っていった方が長くいい人間関係になるのではないでしょうか。
感情的になって「人の気持ちを考えろ」なんて言葉を言ってしまったら、「ああ、この人と考えが合わないな」という感じで人間関係に溝が出来てしまいます。
その溝はどんどん深くなっていき、人間関係を分断させてしまいます。
「人の気持ちを考えろ」と言いそうになった場合は、自分も相手をどう思っているのか、冷静に考えてみましょう。
感情的になった時は一呼吸おいて言葉を出したほうが良い結果に結びつきます。
感情のままに発言すると、とげとげしい言葉を発することとなり、相手に伝わるどころか、相手を不快にさせ、感情的にさせます。
以下の記事で感情的に相手に接すると相手も感情的になるということをお話ししていますが、少なくとも「人の気持ちを考えろ」と言われた方は、この言葉を発した人に対してネガティブな感情を持つか、ショックを受けます。
「人の気持ちを考えろ」とは自分が都合がいいように考えて欲しいというわがままな言葉であり、こういう言葉を発する人との人間関係はかなり疲れるものとなります。
いい人間関係を築きたいのであれば絶対に言ってはいけません。
お互いにWin-Winの人間関係を築くためにも、相手に対して言う言葉はきちんと選び、相手に気持ちを適切に伝えるようにしましょう。
今回のお話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。