無能な働き者は本当に排除するべきなのか?

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無能な働き者は本当に排除するべきなのか?

無能な働き者という言葉を聞いたことがある方はいると思います。

ドイツの軍人であるゼークトが定義した4つのタイプであり、有能な働き者、有能な怠け者、無能な働き者、無能な怠け者の4つのタイプの人に分類しています。

ゼークトは無能な働き者以外の3つのタイプの人には役割を与えましたが、無能な働き者は処刑するべきだとしています。

これはなぜなのか?

今回時はこのことについてお話しします。

4つのタイプの仕事のやり方について

4つのタイプの仕事のやり方について

まずは4つのタイプの人について触れておきます。


有能な働き者は情報を集め、自ら動くことを好むので、あまり人の上に立つタイプではありません。

トップの人に対して提案したり、フォローしたりして手助けをする。

また、高い能力を活かしてトップの右腕として、主力級で仕事をやるのに向いています。

つまり、トップの参謀や右腕として活躍してくれる人というのが有能な働き者であるわけです。

能力自体が高くて、自分で判断して行動することが出来るので、仕事が出来る人といえばこのタイプの人ということになります。

もちろん、自分が考えたことに関して上への確認も忘れません。

上に確認してOKが出てから行動に移します。

そのため、勝手に行動して問題を起こすということもほとんどないのです。


次に、有能な怠け者ですが、能力自体は高いのですが、自分で動いて仕事をすることを苦手としています。

そのため、現場に行って前線で頑張るのには向いていません。

ただ、判断力には優れているので、管理職や組織のトップとして、人を動かして組織をうまく動かしていくのに向いています。

有能な怠け者はいい意味で面倒なことを嫌います。

そのため、仕事をしていてこの仕事のやり方は面倒だなと思った場合は、どうしたら効率よく仕事が出来るかを考え、業務効率化を実施することが出来ます。

結果として、会社の仕事の効率を上げ、会社の業績の向上に貢献することが出来るようになります。

なので、有能な怠け者は一見仕事が出来ないように見えることもありますが、地頭が良いので会社や組織にとってはなくてはならない存在です。


無能な怠け者は自ら行動をせず、自分の能力を伸ばそうともしません。

一見このタイプが一番悪いように見えますが、自分勝手に動いて迷惑をかけることがないので、放っておいても害がありません。

あまり責任が重い仕事や高度な仕事をすることは出来ませんが、上の指示に従って仕事をすることは出来るので、作業をさせたり、伝言役として仕事を任せることが可能です。

なので、無能な怠け者は組織の中で一応居場所がある人になります。

ただ、無能な怠け者は仕事の能力が低く、能力を伸ばそうとしないので昇進させることが難しく、どうしても平社員や主任くらいまでで止まるため、給料もそこまで多く得ることが出来ません。

しかし、AIやロボットが作業を担当する時代が来るまでは、作業が必要な会社はまだ多いと思います。

なので、無能な怠け者でも現段階では一応需要があるわけです。

ただし、一つ断っておくと無能な怠け者と無職のニートや社内ニートは同じではないということです。

無職のニートや社内ニートはそもそも働こうという意思がないうえ、仕事のやる気もないため、会社で雇ってもあまり役には立ちません。

そのため、ここで言う無能な怠け者に該当しないタイプになります。


そして、最後に無能な働き者ですが、このタイプの人が一番厄介です。

確かにやる気に満ち溢れていて仕事に関する意欲も高いのですが、能力が伴っていないため、判断が間違っていることも多いです。

自分が考えたことを上に相談して確認することがないため、自分で判断したことを勝手にやってしまったり、仕事に必要がない余計なことをしたりするので、組織にとって害となります

上司が把握する範囲外のところで仕事をするので、後になって「なんでこんなことをしたの?」という感じになってしまいます。

つまり、無能な働き者は確かに働き者ではありますが、勝手な行動が多いため、上司の手を焼かせることになり、時には大きなトラブルを起こすことにもなります。

そのため、指示に従うだけで他は何もやらない無能な怠け者の方がましであり、無能な働き者というのは組織の中で最も悪い存在であるということが出来るのです。


会社に利益をもたらすのではなく、逆に会社に損害を与えるような人材は害悪でしかありません。

損害を与えたことについて指摘しても「会社のためを思ってやった」と返ってくるので、なかなか反省もしてくれず、行動を変えてくれないわけです。

なので、会社という組織で考えても無能な働き者はクビにした方がうまく仕事が回るようになります。

無能な働き者の特徴

無能な働き者の特徴

無能な働き者の特徴には以下のようなものがあります。

  • 自分で考えて行動し、周りや上の人に確認しない(コミュニケーション力の不足)
  • 自分の能力に合わない仕事を引き受け、失敗してしまうことで周囲に迷惑をかける
  • 積極性は高いが、失敗に対して反省することがなく、改善もしない(結果として同じ失敗を繰り返す)
  • 他人の仕事を勝手に奪い、失敗してしまうことで、組織に大きな損害を与える
  • 自分の能力を過信している(本来は20点くらいの人材なのに自分のことを80点だと思っている)

自分の能力を必要以上に大きく見積もり、出来もしないことを出来るかのように考えて行動してしまい、失敗してしまう

これが無能な働き者の特徴です。

そしてその失敗を自分のせいだと認めず、改善することもない。

そのため、周りからどう思われようと自分のやり方を変えないことで、同じ失敗を繰り返したり、時には致命的な失敗をしてしまったりすることがあります。

これらの失敗を繰り返すと、組織に対して利益をもたらすどころか、損害を出すことが多く、周りの人がフォローに回る羽目になり、コストばかりがかかる存在になるのです。

もちろん、無能な働き者である当の本人は、このことについて何も意識することがありません。

自分の能力を高める努力もせず、有能になることも少ない。

自分の考えが間違っていると思っていないため、他人の意見も聞かないし、本を読むことも勉強することもしない。

成長が期待できないので、会社は給料を上げることが出来ないのですが、当の本人は何で給料が上がらないのかという不満を抱き、原因が自分自身にあることに気が付かない。

この手のタイプの人は決して人の上に立つべきではなく、年功序列で昇格、昇進させてしまうと、他の社員の不満を買うだけで何もいいことがないのです。

なので、組織から見ると排除した方がいいタイプと言えるのが無能な働き者であるのです。


そういえば、昔「愛の貧乏脱出大作戦」という番組がありました。

今あれを放送するとクレームが殺到すると思いますが(普通に年下のプロが年上の店主にタメ口というのが普通にありましたし、パワハラと取れる言動が多々ありました)、客があまり入らない店の店主がプロの店で修行して店を立て直すという番組でした。

プロがせっかく教えようとしても、メモを取らない、勝手な行動をするなど、無能な働き者そのものの行動をとる店主が多く見受けられました。

飲食店のプロは本気で自分の技術を教えようとしているのに、自分のやり方を変えようとしなかったり、そもそもやる気がなかったりして、プロにさじを投げられた店主もいました。

そして、せっかく修行を成功させても、1年後になると元の客の入らない店に戻っていることが多く、一時期は客が入ってもそれに胡坐をかいてしまった店主も多かったのです。

そして、さらにそこからしばらくすると多くの店が潰れていました。

一部では変わることが出来て今も繁盛している店もありますが、多くの店主が無能な働き者から変わることが出来なかったのです。

無能な働き者にならないためにはどうしたらいいのか?

無能な働き者にならないためにはいくつかやるべきことがあります。

  • 自分の能力を過信せず、自分の能力を高めるために日々努力をする
  • 上の人や周囲の人と適切なコミュニケーションをとる
  • 自分より能力が高い人の動きや考え方を真似る(または直接コツを聞きに行く)
  • オフの時間を無駄にせず、自己啓発や自学の時間を取る

まず、自分の能力を過信してしまった時点で、自分の能力の成長は止まると考えて問題ありません。

実際にそういう人は現在の能力以上に延びることがなく、逆に能力が低下する人すらいます。

常に努力する人がいればその人に追い越され、立場を奪われます。

何も努力しない人が努力をする人に勝つことはあり得ません。

寝ているウサギはカメの地道な歩みに勝てないのです。


そして、謙虚な気持ちを持つことが大切です。

これは仕事が出来る人にも大切なことですが、仕事の能力が低いうちは特に意識することが重要です。

特にいい大学を出ている人やコネで入社した人は、この謙虚な気持ちを簡単に持てない人もいます。

今持っているプライドは今後の人生において邪魔なものなので捨ててしまいましょう。

能力が低いうちは、特に能力が高い人のアドバイスを謙虚な気持ちで聞き入れ、なるべく早く自分のものにすることが大切です。

まずは能力の土台をしっかり築き、そこに自分の能力の家を建てていくイメージです。

ここで注意しないといけないのが、年上、年下関係なく仕事が出来る人の話を聞く必要があるということです。

年下の人の話は聞かないという人もいますが、年下の人が決して能力も下であるとは限りません。

年下の人が自分より優秀というケースは普通にあります。

なので、年上、年下関係なく、先輩後輩関係なく、優秀な人のアドバイスは謙虚な気持ちで受け止めて、実践に移して自分のものとしましょう。

自分より能力が高い人がやっていることを真似すれば、少なくともその人と同じ立場に行きつくことが出来ます。

つまり「無能」という立場から脱出することが出来るのです。

自己流でやるのは何もノウハウがない人がやるべきことではありません。

能力が高い人が自分の蓄積したノウハウで他の人と異なることを考えて自分なりの行動するのは問題がありません。

能力が高い人は、自分なりの行動のした時の周囲のフィードバックを得て、それをもとに軌道修正して周囲に認められる行動に変えていく。

こうして初めて自分流の仕事のやり方が組織の中で通用することになります。


また、オフの時間や通勤時間など、仕事以外に空いた時間が出来ることがありますが、この時間の使い方こそ、自分を無能にするか有能にするかの分かれ目となります。

良くオフの時間や通勤時間をゲームやスマホ、テレビなどですべて消費してしまう人がいますが、これでは能力の向上は期待できません。

オフの時間や通勤時間などのスキマ時間に自ら学ぶ姿勢が自分の能力を上げ、自分を少しずつ有能にしていくのです。

そして、この時間の使い方は継続しないといけません。

1か月くらいではあまり何も変わらないのですが、3年、5年と続けていくと確実に変わります。

今までは無能だと思っていたのに気が付けばこんなこともできるようになっている。

そういう成長を楽しむ人生であってもいいと思います。

無能から有能になると世界が変わります。

ぜひ無能な働き者という自覚がある人は、有能になることを目指し、いい立場で仕事が出来るようになることを目指しましょう。

今回のお話は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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