国民は国に借金しているという誤った認識から自分を解放しよう。借用書がない限り国からお金を借りているということはない。

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国民は国に借金しているというのはおかしい考え方である。借用書がない限り国の借金は国民の借金ではない。

テレビで日本政府は国民一人当たりいくらの借金をしているという報道をすることがあります。

そして、国民はこの借金を返さなければならない。

だから増税は仕方ないという理論になるんですね。

ただ、この考え方、少し落ち着いて聞くとおかしいということに気づくはずです。

このことについて今回はお話ししたいと思います。

まぁ、この記事が消されなければいいのですが・・・。

一部の国民は確かに借金をしている

まず、すべての国民が国に借金をしているわけではないのですが、一部の国民は借金をしています。

それはどういうことかというと、国の貸付金制度を利用した人です。

新型感染症の流行に伴い、国が事業者などに対して貸付金制度を行ったことがありました。

また、生活福祉資金貸付という制度も存在しています。

これは低所得者や高齢者、障碍者にお金を貸し付ける制度であり、生活費や住居費にかかる費用などを貸し付けるものです。

国から貸し付けられたお金は紛れもない借金であり、返済が必要であるため、国に借金しているといってもいい状態です。

ですので、貸付金制度を利用している人が国に対して借金しているというのは特に間違ってはいません。

国債という存在

国債という存在

国の借金という言葉を聞くと、ではその数字はどこから来たのかと言えば国債、および国の借入金、政府の短期証券などです。

これらの合計が1200兆円以上あるそうで、この数値を国民の数で割ると一人当たり1000万円くらいになります。


・・・しかし、ちょっと考えてみてほしいのが国債とはどういうものかということです。

国債というのは社債と同じであり、資金調達のために発行される債券です。

で、国債を買った人はどうなるのかというと、国に対して借金をしているわけではなく、逆に国に対して出資をしている状態となります。

個人向け国債は10万円買うと満期を迎えると国に国債を渡して10万円がそのまま戻ってくるのです。

しかもわずかながら利子もついてきます。

国債を持っている人はむしろ国に資金を貸し付けていると考えてもいいでしょう。

少なくとも国からの借金を背負っている人ではありません。

会社が借金すると社員が借金を負ったことになるのか?

では、国が資金調達のために国債を発行したり借り入れを行う。

この分を国民一人当たりいくらの借金というのは正しいのでしょうか?


ここで国を会社にたとえてみることにしましょう。

会社が資金調達のために銀行から5000万円を借りたとします。

この会社には社員数が50名いるとします。

借りた5000万円を社員数50で割って一人当たり100万円借金をしている。

この100万円を返さなければならないため給料の一部から天引きする。

こんなことってありえるのでしょうか?

こんなことを会社が行うと間違いなく問題になるし、社員もその会社から離れていきます。

そもそもこんな天引きは違法であり、労働者の権利を損なう行為です。


しかし、国レベルになると同じことを言うことが許されると考える人がいるのです。

国会議員をやっている政治屋がこんなことを言うこともあるのでシャレになりません。

不安をあおることで政策を進めようと、または国民の支持を得ようと考えているかもしれませんが、まったくもって愚かな考え方で、不誠実で話にならない考え方であると思います。

本当に国に借金をしているのであれば借用書があるはず

本当に国に借金をしているのであれば借用書があるはず

そもそも国民が国に借金をしているのであれば、国が発行した借用書やそれに相当するものが皆さんの家にあるはずです。

そしてその借用書にはどれくらいの額をいつまでに返すこと、何パーセントの利息を付けて返すことが書いてあるはずです。

そして、最低でも国と自分の二つの押印がなされているはずです。

では、皆さんの家にそんな借用書はあるでしょうか?

答えはNoであるはずです。

最初に述べた貸付金制度を利用した人はこれに該当するものがあるはずですが、それ以外の人はそもそも国からお金を借りた覚えがないはずです。


冷静に考えるとわかるのですが、借用書がない以上、我々が国にお金を返すという概念が生まれてこないはずです。

そもそも借金ではなく、国債発行額の総額が大きくなっているという状態であり、国債の発行により経済がうまく回るようになるわけです。

だから、国債発行額が増えると経済活動が活発になり、結果として景気が良くなる。

しかし、今の日本は反対の方向に舵を取っていますね。


よく日本の国債発行額が大きくなることで財政破綻が起きるということが言われていますが、この論が出てからしばらく経っても財政破綻が起こる気配がなく、健全にお金は回っています。

日本の財政がドル建てやユーロ建てであれば確かに危険かもしれません。

しかし、日本の財政は円建てであり、自国のお金を刷ることで解決出来るわけです。

なので、国債発行額を減らすということは何かの問題が生じない限り考えなくていいことだと思います。

ちなみにインフレが起きると当然日本国内に流通するお金は増えることになります。

お金が刷られ、それを国債発行で財政にするため、当然国債の発行額は大きくなるのです。

これは別におかしいことではなく、自然なことなのです。

以上より国民は国に対して借金をしていない

国からお金を借りた覚えもなく、家に借用書もない。

そうであれば、国民は国から借金をしているわけではないのです。

国債発行額などを足し合わせて国民一人当たりいくらの借金があるという計算をすることは無駄なことです。

その数字で割ったお金は借金ではないのだから。

ただお金がどれくらい国内に流通しているかの指標でしかないから。

それなのに国民の借金だから返さなければならないというのは完全な暴論です。


そもそも国債発行額を減らしてしまうと、国内に出回るお金は減少します。

そうなると国民一人当たりのお金の所有額が減り、それに伴い企業も値下げをしなければならなくなります。

国民も企業も苦しくなるため、絶対に国債の発行額を減らすことはやってはいけません。

好景気でインフレが進みすぎたときはいいのですが、不景気の時にこれをやろうというのは狂気の沙汰であります。

国債発行額が0になると一見よさそうですが、実際に0になると地獄絵図で日本は某世紀末の世界になっていることでしょう。

治安の悪化が懸念点であり、生活に困った人が起こす犯罪が問題化するのは明らかです。

ですので、国債の発行額はインフレが進むにつれて増えていくのは自然なことであるときちんと国民一人一人が理解しておくことが重要なのです。


テレビは政府のお抱えの専門家が話していることも多く、これを何も疑わずに信じてしまうのは政府の思うつぼです。

テレビなどのメディアの情報は鵜呑みにするのではなく、きちんと検証することが重要であり、この検証ができる人が今後もっと増えてほしいと願っています。

国の負債は日本の経済をきちんと回していくのに必要なものである。

これだけはきちんと覚えていってほしいと思います。


自分のお金を守るためにはお金に関する政治リテラシーを身に付け、正しい貨幣論を持った人を政治家に選ばなければなりません。

選挙はキャラクターの人気投票ではないのです。

悪い政治家にNoを突き付ける場であり、優秀な政治家を国会に送り出すためのもの。

パフォーマンスでは何とも言えますが、それが今まで実行できてきたかというと、今の日本を見れば明らかでしょう。

もしそれを変えるのであれば、政治リテラシーを上げて政治に関心を持つ人を増やして、選挙が政治家が厳しい審査を受けるような場でなければなりません。

そのために、少なくともこの記事を見てくれた人は、政治家に厳しい審査をする立場の人になってほしいと思います。


今回は政治色の強い記事になりましたが、政治に関するお金の知識も自分の豊かな生活を守るために必要なことなのです。

毛嫌いせずにしっかりと学んでほしいと思います。

今回のお話は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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