沈没船のジョークで語られる同調圧力に弱い日本人の国民性についてビジネス観点で考えてみた

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沈没船のジョークで語られる同調圧力に弱い日本人の国民性について

沈没船のジョークとは沈没船に乗っている各国の人に対し、何と言って海に飛び込ませたかをテーマにしたジョークです。

この話は自分が大学生の頃にゼミの教授から聞いた時に初めて知った話であります。

いろいろな国の人がそれぞれ異なる言葉をかけられて海に飛び込むのですが、日本人にかけられた言葉も「ああ、なるほど」と思うと同時に「こんな目で見られているのか」と思わせられるかもしれません。

そんなジョークを紹介して、日本人にかけられた言葉に注目してみたいと思います。

沈没船のジョークの話の内容

世界の各国の人が乗った豪華客船が沈没しかけていました。

乗客の数に対して救出ボートの数が足りず、乗客に海に飛び込んでもらう必要がありました。

そこで、船長は次のように乗客を説得します。

アメリカ人に対しては「飛び込めばあなたはヒーローになれますよ」

イギリス人に対しては「飛び込めばあなたは紳士になれますよ」

ドイツ人に対しては「飛び込むのは規則です」

フランス人に対しては「飛び込んではいけません」

ロシア人に対しては「海にウォッカの瓶が流れています」

日本人に対しては「みんな飛び込んでいますよ」

韓国人に対しては「日本人が飛び込みましたよ」

日本人が同調圧力に弱いことをうまく表現したジョークである

沈没船のジョークは日本人が「周りがやっているから自分も同じことをしなければ」という考えで行動するのと、「みんながやっているからお前もやれ」という同調圧力に弱いことをうまく表現したものであると思います。

この他人に合わせて行動することと同調圧力に弱いことは、義務教育で教えられてそうなったのではないかと個人的に考えています。

学校でみんな同じことをする。

テストでも教科書通りの答えを求められ、それ以外の答えは正解とならない。

もしほかの人と同じことをすることに反対したら先生から「みんながやっているのにどうしてあなたはやりたくないの?」と言われる。

先生が言わなくてもほかの生徒たちが同じことをしない人を快く思わず、いじめに発展する。

こういうことがたびたび自分の周りでも起きていました。

個性を出しすぎた人は問題視される。

つまり、出る杭は叩かれるのです。

昭和や平成初期の頃はこれが普通であり、今では多様性が認められるようにはなりましたが、相変わらず同調圧力や他人や周りに合わせるという考えは根強く残っている部分があります。

そのため、日本人は今でも他人に合わせることが正しいと思って生きている人がほかの国よりも多いように思えます。

自分で考えて判断して行動する人もいますが、相変わらず少数派であり、多くの人は自分の考えを貫くことよりも和を乱さないことを重視します。

会社の会議ではあらかじめ用意した資料の確認のために行われ、意見を言う者を「お前の意見は聞いていない」と邪魔者扱いし、いくら仕事が優秀であってもほかの人と価値観が違うという感情的な理由で排除するもったいないことをしている会社も多いのです。


テレビで紹介されたものが翌日のスーパーの棚から消える。

行列が出来ていれば並びたがる。

営業をしていると訪問先で導入事例がないかを聞かれる。

本当にいいものは自分の目で判断すればいいのに、周りの評価だけで判断してしまう。

そういう考えの日本人も依然として多く、この沈没船のジョークは今でも笑い話として通用する話であると思います。

「みんながやっている」と聞くとほかの人と同じことをしていれば無難という考え方

沈没船のジョークで日本人にかけられた言葉である「みんな飛び込んでいますよ」と言うのは、日本人の心理をうまくついた言葉であり、実際に「みんながやっているのであれば自分もそれに従った方が無難だ」と考える人が多いです。

周りの人が「Yes」と言えば、自分は本当は「No」と言いたいのに、「Yes」と答えてしまう。

周りの人が流行りのものを持っていたら、本当は欲しいとは思っていないのに自分も手に入れなければ気が済まない。

そんな感じで、「みんながやっている」という事実を突き付けられると、自分も同じようにしなければいけないという心理状態になります。


この「みんながやっている」から自分も同じようにやるというのは、個人的にあまり良くないことと考えています。

確かに「みんながやっている」から自分も同じようにすることで、日本は高い集団力を発揮し、経済を成長させてきた一面もあります。

昔はリーダーもトップも一丸となって頑張ってきたからよかったのです。

しかし、今ではこの集団で行動することを悪用するトップが結構いるのです。

「みんながやっている」という理由で行動することは一種の洗脳が可能になります。

創業者を崇めるブラック企業、教祖を奉る怪しい宗教。

これらに所属して何とも思わない人は、「みんながやっている」という理由で行動しすぎて、それが当たり前となっている人です。

特に強い同調圧力により同じ考えを共有しない人が虐げられ、ボロボロになって追い出されるのを見ると尚更周りの考えが正しいと思うようになってしまうでしょう。

そうしないと、自分も同じ目に合いますからね。

集団の外から見ると浮いているのですが、周りも同じような感じなので、集団にいることの安心感と外に飛び出すことへの不安で、そのまま居続けてしまうのです。

特に新入社員として最初に入社する会社では、そこの価値観や文化の影響を受けやすいです。

最初の会社がブラックで価値観を刷り込まされるタイプの会社であれば、その価値観や文化を疑うこともなく、自分の集団の中の価値観が正と考えるようになり、次第にその集団の外の世界が見えなくなります。

そして、最悪の場合はその会社でしか通用しない価値観を植え付けられ、定年まで使い倒されることになります。

「みんながやっているから」という縛りからの解放

みんながやっているから自分も同じことをする。

これでは、自分で何も考えずに他人の考えで人生を歩んでいるだけになります。

本当にそんな人生が自分が望んでいた人生なのでしょうか?

違うはずです。

自分の判断が必要な重要な局面では、自分で考えて行動をしなければなりません。

そうしないと自分の人生を勝ち取れません。

日本人の大体8割くらいは自分よりも周りの意見を重視し、自分で考えられない人だと思います。

だからテレビやインフルエンサーの言うことを妄信して行動してしまう。

周りを気にせずに自分の意見を言える人はそこまで多くありません。

だからこそ、「みんながやっているから」とまともに考えずに判断する人よりも、自分で考えて意見を行ったり行動したりする人が貴重になるのです。


「みんながやっているから自分も合わせる」人達の集団の中にいることは確かに心地いかもしれません。

しかし、ぬるま湯につかっているだけでは何も成長しません。

この集団から脱出できるかどうか、それが今後の人生で勝ち組になるのか負け組になるのかの境目となるでしょう。

「みんながやっているから」と言われてそれに素直に従う、沈没船のジョークにあるような典型的な日本人であるだけでは、どんな天才も平凡な人生で終わってしまいます。

非凡な人生を送りたいのであれば、「みんながやっているから」と言う縛りから自分を解放し、自分が本当はどうしたいのかをしっかりと考え、しっかりと自分の足で歩き、目的地に向かうことが重要です。

周りにいる人が少なくなりますが、本当に自分の人生にとって重要な人だけが残るので何も問題はありません。

何も考えずに行動して歳を取って後悔するよりは、自分の行動したいままに行動した方がやらない後悔に悩むことが無くなる。

「みんながやっているから」と言う考えで流されて行動し続けるか、自分の考えを尊重し、自分の判断で行動し続けるか。

この違いが自分の人生を成功に導けるかどうかの鍵となります。

今回のお話は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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