金はコモディティと呼ばれる、配当が出ない投資商品です。
購入するときの手数料が高く、金を現物で受け取るのに手数料と発送料がかかります。
また、買った時より売った時の金額が低いということもあり、これを見越して購入と売却を行わなければなりません。
この記事では以下のようなことが書かれています。
金は株のような値動きをしない
金は手数料がかかり、購入手数料だけではなく年会費と保管料があるところもある
金を積み立てで購入しても平均点の成績にならない
金を保有したい場合は資産の一部として一括購入して持っておく程度にする
金を購入するのにかかる手数料
金を購入するのに以下の手数料がかかります。
- 買付手数料
- 年会費
- 保管料
買付手数料はETFを購入するときに比べると高価であり、楽天証券でも1.65%の手数料がかかります(2022年2月現在)。
年会費と保管料は証券会社によって無料のところもありますが、手数料1%オーバーは積み立ての時の手数料としては見逃すことはできません。
また、積み立てで金を購入することで別の問題が生じます。
これは後程説明します。
金が株とは異なる点
金が株と異なる点は、配当が出ないということもありますが、経済成長と金の価格が必ずしも一致しているわけではないということです。
つまり、経済成長とともに右肩上がりで金額が上がっていくものではありません。
国内の金の価格は、1980年に高値を付けた後、その価格を超えたのが2020年になっています。
コロナショックの後は価格が上昇していますが、この後も価格が上昇し続けるとは限りません。
また、金の場合は買い付け額>売却額に設定されており、この差が実質上の売却手数料となっています。
買い付け時の金額よりも売却時の金額が高い時に売らないと損をしてしまいます。
金を購入しても配当が出ない点は先ほど述べた通りです。
なので、10年後に同じ価格のままであれば10年経っても資産が増えることがないのです。
むしろインフレで貨幣価値が落ちて損をするということにもなるかもしれないのです。
積み立ては長期的に右肩上がりで評価額が上昇していくことで実力を発揮する
インデックス投資が積み立てで有効なのは、長期的に見て右肩上がりで評価額が上昇していくからです。
インデックス投資は基本的に経済成長に合わせて連動対象となる指数も上昇していきます。
そして、ETFなどの場合は配当も出ることがあります。
短期で上下を繰り返し、長期的に見て右肩上がりに成長していくため、平均的な成績を上げるものとしてインデックス投資を積み立て投資で行って資産運用することが通用するのです。
一定の間隔で一定の金額を積み立てる投資の特徴として、高い時に買う数を減らし、安い時に買う数を増やすというものがあります。
しかし、金でそれをやってしまうと、いつ売るのかという出口戦略が立てづらく、高値が付いた後、その高値を超える高値がいつやってくるのかが読めません。
高値が付いているときに積み立てても、値下がりをすると損をしますし、値下がりをした時に積み立てて多く購入できても、高値が付いた時に積み立てをやめて一度に売らないと損をします。
これをやるくらいであれば、安値の時に金を一括で購入しておき、高値の時にまとめて売った方が効率が良く、積み立てで投資するメリットはありません。
手数料も高いので、積み立てで金を購入すると手数料負けしやすいのです。
とてもインデックス投資のように扱えるものではありません。
金は資産の一部として一括で買う
金を資産の一部として、いざという時のために持っておきたいという人もいると思います。
そんな場合も、金は株のリスクヘッジとして資産の一部として持っておく程度にしておくといいでしょう。
ただ、値動きが株より激しいので、買う時と売る時のルールをきちんと設定しておいて、そのルールを外れない投資をする必要があります。
1980年から2000年にかけて値段が6分の1になったという時期もあるため、どれくらいの値段になったら買いで、どれくらいの値段になったら売りというのをきちんと設定しておくことです。
買った後の売り時が難しい商品なので、高値掴みしてしまうとなかなか手放せなくなったり、損切りせざるを得なくなったりします。
資産の大部分を金で占めるのは売り時がなくなるリスクがあるので、資産の一部として持っておく程度にしておきましょう。
まとめ
金は配当が出ない上に購入時の手数料が高い。
これに年会費、保管料がかかると購入手数料以上に手数料がかかり、手数料負けしやすい。
金の購入は積み立てで平均的な成績を期待できないので、安い時に一括で購入し、高い時に一括で売るという戦略が必要。
金は資産の一部に持つ程度にし、資産運用のメインにしないようにしよう。
資産運用のメインは債券と株で十分やっていけるので。
今回のお話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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