タルムードから学ぶお金の話8 「悪魔と助産婦」は適切ではない報酬をもらってはいけないことを教える話

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タルムードから学ぶお金の話8 「悪魔と助産婦」は適切ではない報酬をもらってはいけないことを教える話

今回も『ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集』より話を紹介します。

今回紹介する悪魔と助産婦の話では悪魔、猫の他に3人の登場人物がいます。

それぞれに対して悪魔は誘惑をしてくるのですが、3人ともウィズダムを知っていたので悪魔の誘惑に負けることなく、自分が悪魔にならずに済みました。

少し長い話になるので早速話を紹介していきたいと思います。

「悪魔と助産婦」の話の内容

悪魔の猫

ある村にユダヤ人の助産婦が住んでいました。

助産婦はある時、弱って死にそうな捨て猫を発見し、ミルクと毛布を猫に与えました。

するとその猫は、

「私は悪魔です。他の悪魔がお産の助けに呼ぶかもしれませんが人の姿をしているので分かりません。その時に悪魔は持ちきれないほどの報酬を差し出すでしょう。それを受け取るとあなたが悪魔になります。金貨に惑わされずいつも通りの報酬を受け取ってください。このウィズダムが私を助けてくれたお礼です。」

と言って、悪魔の姿になって消えてしまいました。


ある時、立派な身なりの男が助産婦の元にお産の助けを求めてやってきました。

助産婦は嫌な顔をせず、お産を手伝うことになります。

訪ねてきた男は立派な城の主で、助産婦がお産の手伝いを無事に終わらせるとお礼として大金を渡そうとしましたが、助産婦はいつも通りの報酬を受け取りました。

城主からしつこく受け取るように言われても断り、子猫の話とウィズダムについて城主に話します。

城主は悪魔となり「次はごちそうで人を誘惑するようにしよう」と言って消えてしまいます。


それから何年か経ち、村のラバイが見知らぬ人の葬式に招かれ、ラバイは遠い城に連れて行かれます。

ラバイがそこで死者を丁寧に弔ったところ、城主はお礼としてラバイが見たことの無い豪華な食事に招いたのです。

しかし、ラバイは助産婦から話を聞いていたのでラバイは食事を辞退し、その後、城主はラバイの元に二度と現れなくなりました。


数年後、同じ村のモヘル(割礼の手術をする人)のところに、見知らぬ人から依頼が来ました。

モヘルはケチで寄付をすることを大切にしていませんでした。

モヘルは立派な城に連れていかれ、そこで毛布にくるまった男の子の割礼を無事に済ませました。

モヘルはラバイから話を聞いていました。

城主から金貨を渡されようとしても、豪華な食事からもてなされようとしても辞退しました。

城主は悪魔となり、「金貨にも食事にも誘惑されないのであきらめる。ただし、今後も寄付をしないのであれば、お前も悪魔の世界に引き込まれるだろう」と言って消えていきました。

モヘルは村に戻りラバイにこの事を話すと、「それは悪魔の言うとおりだ」とモヘルに忠告し、モヘルはきちんと寄付活動をするようになりました。

不相応な報酬をもらってはいけない

「悪魔と助産婦」の話では3人の登場人物に対して、それぞれ不相応な報酬が悪魔が渡そうとしています。

不相応な報酬をもしこの3人が受け取ってしまうと悪魔になっていたことでしょう。

助産婦は助けた猫の話してくれたウィズダムを守り、ラバイも助産婦から聞いたウィズダムを守り、モヘルも同じく助産婦が聞いたウィズダムを守りました。

この事で3人は悪魔にならずに済みました。


現実では人が悪魔になることはありませんが、高い報酬で人を騙すような悪魔の心を持った人は存在します。

この報酬を受け取ってしまうと自分を滅ぼすことになったり、報酬を支払った人の言いなりになる可能性があったりといいことがありません。

また、適切ではない報酬を受け取り続けるとそれが当たり前となり、不当な商売に手を染めるようになります。

「悪魔と助産婦」の話はこの事を警告しており、お金に目がくらんだアコギな人が悪魔である。

だから、適切な報酬を受け取り、まともな商売をしなさいと言っているわけです。


今の日本にはこのウィズダムに従わずにお金が第一になっている政治家や企業が多く存在している状態だと思います。

つまり「悪魔と助産婦」の話で悪魔になった人が現実世界で存在しているわけです。

無知な人を陥れる、会計をごまかす、横領をする、高い報酬に見合った仕事をしない、そんな人が実在しているわけです。

日本にウィズダムという考えがあれば状況は変わっていたのでしょうか?

今の日本はユダヤ人の教えと正反対のことをしている人が多くいる。

お金第一主義で「正直な仕立て屋」に話しで多くの仕立て屋がやっていたごまかしをやっている。

そんな様子が散見されている国になっていることは確かだと思います。

寄付は大切である

「夢をかなえるゾウ」でもガネーシャが寄付を課題と出してきたことがありました。

悪魔と助産婦の話でも、モヘルが「寄付をしないと悪魔のようになってしまう」と、悪魔から忠告を受けます。

他人に対してギブをすることは良いことであり、海外の資産家が多額の寄付をしたという話はあまり珍しいことではありません。

対して日本の資産家が多額の寄付をしたということはあまり聞かない話です。

マスコミにとって都合が悪いから報道しないのか、それとも寄付をする人が本当に居ないのか?

真実は定かではありませんが、海外ほど寄付という文化が根付いていない。

海外ほど寄付をする人は多くなく、自分のためにお金を使う人が多いように思えます。


他人に与えることが自分が何かを得ることにつながる「ノーペイン、ノーゲイン」の話は「魔法のザクロ」の話でも語られていました。

寄附をしないことは何も痛みを伴わないことです。

でもそれではダメなのです。

他人に対して何かを与え、自分に痛みがあるからこそ、自分にリターンがある。

今の日本が貧しい国になりつつあるのは、他人に与えようとせず自分のことしか考えない人が多いことも少なからず影響していそうです。

まとめ

『ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集』に掲載されている「悪魔と助産婦」の話ですが、2つポイントがありました。

1つめは適切な報酬をもらうこと、相応を大きく超えた報酬をもらうと自分が悪魔となり身を滅ぼすこと。

2つめは寄附をすることが大切であることです。

どちらも多くの日本人が実現できていないことで、これが原因で日本の経済は発展するどころか衰退に向かって進んでいます。

適切な報酬を得ることは商売の基本でもあるので、ズルをせず、儲ければ何をしてもいいと考えず、真っ当な商売をすることを心がけて欲しいと思います。

これは商売人だけではなく、社会人でも同じ心構えが必要です。

自分の仕事に対する不相応な報酬を考える人はラットレースから抜け出すことは出来ません。

今回の話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

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