投資商品にはアクティブ運用の投資商品とインデックス運用の投資商品があります。
インデックス運用の投資商品は指数に連動するような成績を目指す投資商品であり、アクティブ運用の投資商品は指数よりいい成績を目指す投資商品です。
一見アクティブ運用の投資商品の方がよさそうに見えますが、必ずしもそう言い切れるものではありません。
アクティブ運用の投資商品がなぜ長期投資に向かないのか、アクティブ運用の投資商品の特徴を確認しながら説明したいと思います。
目次
アクティブ運用の投資商品は手数料が高い
アクティブ運用の投資商品は、インデックス運用の投資商品に比べ手数料(信託報酬等)が高い傾向にあります。
毎年1%以上の手数料がかかる投資商品も少なくはありません。
また購入時の手数料や解約時の手数料がかかるものもあります。
個人的に毎年0.5%以上の手数料がかかるのは、手数料が高すぎると考えています。
手数料が1%だと、100万円投資を行うと毎年手数料1万円持って行かれることになります。
この1%というのは小さいようで結構大きく、短期ではそれほど投資結果に影響を及ぼしませんが、長期で保有すると投資結果が100万円以上違うという大きな差として現れることもあります。
手数料が高ければ高いほど、投資のパフォーマンスは落ちます。
アクティブ運用の投資商品を購入することで指数より上の成績が実現できればいいのですが、指数より下の成績になってしまうと投資の効率が落ち、そこにさらに手数料という重みが乗っかり、うまく資産を増やすことが出来ません。
下手をすると元本割れになる可能性も大いにあります。
アクティブ運用の投資商品は資産運用会社の実力で成績が決まる

アクティブ運用の投資商品は、インデックス運用の投資商品に比べ、資産運用会社の実力が試されるものです。
うまくいけば指数よりも上の成績となりますが、うまくいかなければ指数よりも下の成績、下手をすると損をしてしまうこともあります。
その為、インデックス運用の投資商品に比べて不確実性が高く、長期投資には向いていません。
少し投機の要素があり、個人的には10年も保有したいと思わず、そもそも保有したいとすら思いません。
多くのアクティブ運用の投資商品は、長期的に見るとインデックス運用の投資商品に成績が負けています。
それくらい運用の難しい投資商品であり、選ぶのも難しい投資商品です。
一部の指数よりいい成績が出せたアクティブ運用の投資商品を選択できれば儲けられますが、その一部の投資商品を見抜く力が必要となり、アクティブ運用の投資商品は初心者にお勧めできるものではありません。
投資初心者は今後伸びが期待される指数に連動するインデックス運用の投資商品に絞った方が良く、出来ればNISAのつみたて投資枠を使って、金融庁のお墨付きの投資信託(配当が出ない配当再投資型)を購入すると良いでしょう。
アクティブ運用の投資商品は10年後になくなっている可能性が高い
アクティブ運用の投資商品は、10年間で半分から三分の一がなくなっています。
日本株に投資するアクティブ運用の投資商品の約三分の一が10年間でなくなっており、米国株に投資するアクティブ運用の投資商品は10年間で約半分がなくなっています。
これはインデックス運用の投資商品に比べると割合が高く、長期保有することのリスクが高いとも言えます。
また、指数を超える資産運用が資産運用のプロでも難しいことを示すものでもあると言えます。
幸いなことに、NISAのつみたて投資枠で購入できる投資信託ではこのようなアクティブ運用の投資信託がほとんど取り除かれているのですが、つみたてNISAではなく普通に投資信託を購入する場合は注意が必要です。
投資商品がなくなると言っても投資したお金がまったくなくなってしまうのではなく、ある程度基準価格が下がったところで償還されます。
ただし、ほぼ確実に元本割れになりますので、資産は減ることになります。
10年、20年という長期投資を目指して投資商品を買い、アクティブ運用の投資商品を混ぜたいと考えるのであれば、この現実をしっかりと理解しておかなければなりません。
間違っても長期投資のためにアクティブ運用の投資商品一本で資産運用していくという手段を考えてはいけません。
アクティブ運用の投資商品は銀行や証券会社が売りたい商品である
銀行の窓口や証券会社の窓口を利用して投資を始めようとすると、お客が儲かる投資商品ではなく銀行や証券会社が儲かる投資商品を買うようにおすすめされます。
銀行や証券会社が儲かる投資商品というのがどういうものかというと、手数料が高い投資商品ということになります。
つまり、手数料の高いアクティブ運用投資商品や毎月分配型のタコ足配当を行う投資商品を勧められる可能性が高いです。
NISAのつみたて投資枠で選べる投資商品も限られていますし、むしろ成長投資枠として「これを買ってください」と手数料の高い投資商品をお勧めされることでしょう。
YoutubeのFラン大学就職チャンネルというチャンネルで「本音くん」という、証券会社の社員でありながら本音でお客に忖度なしで話す動画があるのですが、そんな社員が銀行や証券会社に現実にいると売りたい投資信託が売れないので、窓口の担当者に本音くんみたいな人はいないと思って構いません。
特に銀行はお客の取り合いになって吸収合併も結構起きていますので、利益重視で投資商品を勧めてくる可能性が高いです。
証券会社も窓口がある証券会社は、ネット証券会社との競争にさらされています。
そんな状況で、お客が得をする手数料の安く利益が出やすい投資商品ばかりを売っていては淘汰されますので、やはり利益重視の投資商品を勧めてくると思ってよいでしょう。
それらの候補の一つがアクティブ運用の投資信託で、しかも将来の利益が見込めない投資信託であるということだけです。
アクティブ運用の投資商品は短期売買であることを覚えておく
アクティブ運用の投資商品は長期投資に向かないことをお話ししてきました。
個人的にあまりお勧めしない投資商品ですが、どうしてもアクティブ運用の投資商品が買いたければ、短期売買をする必要があることを覚えておきましょう。
どこまで増えたら利益を確定するか、その見極めをしっかり行うことです。
これが出来ないのであればアクティブ運用の投資商品は買ってはいけません。
アクティブ運用の投資商品はNISAという非課税枠も利用できますが、つみたてNISAではほとんど利用できません。
アクティブ運用の投資商品でお金を増やしたければNISAの選択もありですが、インデックス投資よりもギャンブル性が高いことを忠告しておきます。
元本割れをした時にどのような対応を取るか、その判断が重要です。
右肩上がりの指数に投資して暴落が来ても保有し続けるというインデックス投資のような戦略ではうまくいかないこともあります。
アクティブ運用の投資商品はとにかく買って保有し続けるという手段が使えず、投資の初心者向けの商品ではありません。
売りと買いのタイミングが理解できていないと利益を出すことが難しいし、インデックス運用の投資信託を購入して運用するよりも手間がかかります。
その手間は無駄となることもあり、利益は安定しません。
投資商品の売り買いの判断に自信があれば買うことを止めませんが、自信がないのであれば絶対にやめておいた方がいいです。
初心者がビギナーズラックでお金を増やしてしまうと、余計にしっかりした判断がしにくくなるので、やるのであればしっかりと勉強して判断力を身に付けることです。
それが面倒であればアクティブ運用の投資商品は最初から買わないこと。
この事をきちんと守ってほしいと思います。
今回のお話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。