社員は経営者を映す鏡である。良い社員が欲しければ良い経営者である必要がある

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社員は経営者を映す鏡である。良い社員が欲しければ良い経営者である必要がある。

会社というのは社長がいて、取締役等の役員がいて、その下に管理職がいて、一番下に平社員がいます。

会社には多様な社員が存在することもありますが、基本的にその会社の方針に反対しない人がその会社に居続けることになります。

会社をどんな方針で経営していくのか、それは経営者が決めることです。

そのため、会社で働く社員というのは経営者のいいところ、悪いところを映し出す鏡のようなものということが出来ます。

会社は組織であり、同じ価値観を経営者と社員で共有する

会社は一人で起業するマイクロ法人というものもありますが、一般的な会社は人を雇い、複数の人が新在する組織として活動するものです。

会社はそれぞれ経営方針があり、どんな方法で経営していくのか?

どんな価値観で仕事をしていくのかが決められていることがほとんどです。

社員はその方針に従って仕事をします。

ですので、社員にどんな行動を取らせるかは会社をどんな方針で経営していくかで決まり、ここがいい加減だと優秀な社員が集まらず、経営もうまくいきません。

良い経営者のもとには良い社員が集まり、ダメな経営者のもとにはダメな社員が集まる

良い経営者のもとには良い社員が集まり、ダメな経営者のもとにはダメな社員が集まる

経営者が優れていれば、その経営方針に共感して献身的に働いてくれる優れた求職者がたくさん求人に応募し、選りすぐりでいい人材を確保することが出来ます。

たまに良くない社員が間違って入社することがありますが、そのような社員は周りの優秀な社員とのギャップを感じるため、優秀な会社に居づらくなって辞めていくので、優秀な社員の割合が高くなります。


反対に経営者が無能であれば、優秀な求職者はまずその会社の方針に共感することはありません。

無能な経営者は経営に関する勉強もしなければ、人のマネジメントもまともにすることが出来ない。

あるいは判断力に乏しく、適切な舵取りが出来ない。

そのため、根性論や精神論に頼った経営をすることが多いわけです。

経営者が無能な会社の求人に応募してくるのは、優秀な人はほとんどいません。

他の会社でお荷物になって辞めることになったり、仕事を選ぶ立場にない人が応募してくる残念な求職者がほとんどであると言うことが出来ます。

経営者は無能なのに、いい人を雇いたいというのは高望みであり、例えるならば婚活で40代の女性が30台の年収1000万円以上のイケメン高身長を望むようなもの、年収400万円の50代の男性が20代のきれいな女性を望むようなものです。

優秀な人は無能な経営者の下で働くのは無駄であることを知っているため、求人にたまに間違って応募してくる人以外は、求人を出してもほぼ優秀な人が応募してくることはないのです。

なので、残念な求職者の中から比較的優秀な人を選んで、採用しなければならないのです。

そして、採用した残念な社員を育てなければいけないのですが、無能な経営者の下には人を育てられる社員がいることも少なく、「見て覚えろ」、「それくらい自分で調べろ」と言って、部下を切り捨てて育てようとしない管理職がいる会社も多いわけです。

そして、残念な社員はいつまでたっても残念な社員であり、会社に大きく貢献してくれることがありません。

そのため経営が苦しくなるわけですが、ここで経営者がきちんと判断して舵取りが出来れば問題ありません。

しかし、無能な経営者の中には経営が苦しくなった結果を社員に責任転嫁するような愚かな経営者がいることも確かであり、そのような経営者の下で働く残念な社員は、仕事の負担を増やしても、厳しく指導しても、自分の実力以上の結果を出すことが出来ず、経営を立て直すほどの成績を出すことはできません。

ない袖は振れないのです。

むしろ負担が増えたことがストレスとなって辞めていくことになり、気付けば残念な社員すら集まらずに倒産寸前になると言うこともあり得ます。


なお、無能な経営者がいる会社であっても、嘘八百を並べて求人票を作って人を集めようとすることがあります。

例えば残業代が出ないのに出るように書いたり、有休が全く取れないのに有休消化がしやすいように書いたり、残業時間が異常に長いのに月の平均残業時間が20時間程度と嘘を書いたり・・・、年間休日数が実際は80日くらいなのに124日と書いたり・・・。

このような求人票にはどこか穴があるはずなので、求人票はじっくりと見てその企業が優秀な企業なのか残念な企業なのかを見極めたいところです。

自分の経験から言うと、30時間以上のみなし残業制度を導入していたり(残業代を払う意思が感じられない)、試用期間が半年以上あったりする会社は優秀な企業である可能性が低いので、ここをきちんと把握しておけば残念な企業に騙される確率が減ると思います。

たまに無能な経営者の下で頑張ってくれる優秀な社員がいることがある

自分も何度か転職をしていくつかの企業を渡り歩いていると、経営者が無能であるのにその下で頑張ってくれる優秀な管理職や社員を見かけることがありました。

それを見て、なぜこんな会社にそんな人がいるのだろうと疑問に思ったことがあります。

この優秀な社員は経営者と末端の社員との間の緩衝材みたいな立場になっており、上からの理不尽な要求を受け止めて、部下にそのまま話さずに、適切な指示で仕事を任せます。

このような会社は経営者がブラックでも倒産しにくく、「こんな優秀な社員がいるからこそ自分も仕事を頑張れる」というモチベーションで下の人も仕事を頑張ってくれる人が多いのです(一方で将来こんな立場になるのかと危惧して希望を持てなくなる人もいますが、そういう人はさっさと退職してしまいます)。

個人的にこの手の無能な経営者のもとで働いている優秀な管理職や社員は他の会社で働くともっといいポジションと待遇を提示してもらえるのではないかと思ったりもしますが、これらの人たちがどんな意図で会社に残り続けているかは、自分が直接聞くことがなかったため推測でしか分かりません。

もしかすると、会社を支えているという責任感や、会社での主役として活躍できていることが優秀な管理職や社員の気持ちの中にあるのかもしれません。

または、仕事自体が好きで、長時間労働などの負荷があっても、そこまで心の負担にならない人なのかもしれません。

いずれにせよ、無能な経営者が経営する残念な会社に居続ける優秀な管理職や社員は、何かしらポジティブなことを考えているため、会社を辞めることがないのではないかと推測できます。


しかし、その優秀な管理職や社員の価値観が変わると、会社を退職してしまう可能性が大きくなってきます。

そして、優秀な管理職や社員の退職を機に会社の雰囲気は一変するのです。

優秀な管理職や社員が辞めるというのは社員にとって大きなダメージとなります。

たった一人しか辞めていないのに・・・と思うかもしれませんが、その優秀な管理職や社員がいたために会社に残ることを決意していた人が、その会社にいる意味を見いだせなくなり、退職していくと言うことが起こり始めます。

そして退職が止まらず、最後に残る社員は経営者の能力に合った残念な社員のみ。

こうなってしまうと会社自体の売上も大きく落ち込み、経営が苦しくなるわけですが、無能な経営者にはそれを打開するだけの実力はありません。

そして、残念な社員の中から比較的優秀な人から辞めていき、本当にどうしようもないくらいの残念な人しか残らなくなり、経営が行き詰ってしまいます。

今の大手企業と創業者の考え方のギャップ

今の大手企業と創業者の考え方のギャップ

今の大手企業は創業者の考え方から大きくかけ離れた企業が多いと感じています。

大手企業も最初は創業者と数名の人から始まるような会社だった頃が必ずありました。

どんなに大きな川も上流にさかのぼっていくと、小さな渓流から始まっていることと同じようなものです。

本田技研やパナソニックなどに代表される大手企業の創業者の多くは、人を大切にしていました。

お金優先ではなく、社員のことを大切にし、世の中にいいサービスや製品を提供することを優先していたのです。

だから、会社を拡大させ、日本を代表する大手企業を作り上げることが出来たのです。


ただ、残念ながら創業者の理念は社長が変わるたびに伝わらなくなってしまうことになります。

今の大手企業の社長になった人も自分が大手企業の社長であるという肩書にとらわれ、経営者と社員が対等であることすら理解せず、社員と比べると自分は雲の上の存在であるような勘違いをしている人すら存在します。

そのため、目先の利益ばかりを重視し将来に投資しなくなったり、早期退職やリストラなどで簡単に人を切ったり、使う人のことを見据えた新しい商品やサービスを提供できなくなったりしています。

当然社員のモチベーションも低くなり、自分から進んで面倒事を引き受ける人がほとんどいなくなります。

大手企業の看板が欲しいためだけに大手企業に入社する人が増え、上司や先輩のごますりがうまい人が昇進する。

最近では実力も考慮されるようになってきていますが、極端に仕事が出来る人は同僚や先輩、上司の嫉妬により潰される。

このように、大手企業の場合も経営者が変わるとその下で働いている人も変わっていってしまう。

創業者が苦労をしながら大切に作り上げた大手企業は社員を大切にしていた会社ではなくなり、本当に情熱をもって働いている人がどれくらいいるのだろうと疑問に思えるような会社になっています。

つまり、社員が経営者を映す鏡であることは大手企業の場合も顕著に現れてしまっているのです。


昔の大手企業の創業者がやっていたことを今のスタートアップ企業がやっていることがあります。

スタートアップ企業の中には社員の働きやすさを重視しながら、いい商品やサービスを日本や海外に出していくという心構えの会社もあります。

昔の大手企業の創業者の情熱をスタートアップ企業の経営者が持っていたりするわけです。

このようなスタートアップ企業が大きくなったころ、いずれ今の大手企業との立場が逆転する時が来るかもしれません。

アメリカではよくあることですが、日本でもこの逆転劇は将来良く起こるようになってくると思います。

まとめ

今回は優秀な経営者のもとには優秀な社員が集まり、無能な経営者のもとには無能な社員が集まる。

つまり社員というのは経営者を映す鏡っであると言うことをお話ししました。


無能な経営者の下に優秀な社員がいることがありますが、この状態は会社としてはとてもラッキーなことであり、当たり前のことではありません。

この手の会社の経営者はその優秀な社員がいることで胡坐をかいてしまうことで、将来的に大失敗を犯してしまう可能性もあります。

ですので、この優秀な社員は手厚い待遇で退職されないようにしておく必要がありますが、他の人と同じ給料や少しいい給料しか与えないのであれば、その優秀な社員の気持ちが変わった時に会社を退職した時、どんなことが起きるかは容易に想像が出来ます。

残念な経営者のもとに残念な社員だけが集まる。

本来のあるべき会社の姿になるわけです。

なお、たった一人の退職と考えるかもしれませんが、そのたった一人が会社に大きく貢献していた優秀な社員の場合、たった一人が抜けることで会社の業務が回らなくなることも珍しくはありません。

その優秀な人がいたから取引している顧客がいたり、その優秀な人がいたから頑張って仕事をしていたという人もいます。

そんな優秀な人が辞めてしまうと、たった一人の退職でも会社に大きく影響してしまいます。

今までその人を指名して取引していた顧客は後任の態度に納得せずに取引を停止する可能性がありますし、その人を目標にして頑張ってきていた社員も目標を失って優秀な社員にならなくなってしまいます。

その結果として退職が相次いで起きることもあり、残念な経営者のもとに残るのは残念な顧客と残念な社員のみ。

ですので、社員の能力の高さは経営者の能力を映す鏡であることをしっかりと意識し、会社を経営する場合は、いい人が来ないと嘆くよりも自分自身が優秀な経営者となることをまずは目指すことが重要です。


法規を守ることは前提条件で、サービス残業、有給消化をさせない、パワハラ、モラハラがないようにしっかりとした経営を行い、顧客、社員、世間のいずれにもいい影響を与えることが出来るようにしなければなりません。

また、自分だけがこれらを実践するだけではなく、社員や管理職がパワハラやモラハラを行っていないかもきちんと見るようにし、常にいい会社の雰囲気を保てるように努めてくことも大切です。

経営者として自ら提供する商品やサービスを考えることも重要ですが、社員からのアイディアを聞きながら会社の目指すべき方向を決めること(トップダウンの仕事は社員の立場では仕事をやらされる感があって面白くありません)。

これくらいの気持ちで仕事を行い、結果が出せるようになってくるときちんとした仕事が出来る優秀な社員が集まるようになるので、会社の経営も軌道に乗ると思います。


社員で働く場合も、経営者がどんな人であるかは最低でも把握しておいた方がいいでしょう。

あまりいいうわさを聞かない経営者のもとで働くと地獄を見ます。

経営者がダメでも成り立っている会社がありますが、それは下の社員が頑張っているため。

ただ、多くの場合は経営者がダメであればその下の社員もダメになっていることが多いので、経営者がダメな企業は求人を応募する時に選ばないほうがいいと思います。

今回のお話は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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