今回から『ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集』より、魔法のザクロのお話を紹介します。
このお話はお金とは一切関係がなさそうに見えますが、重要なことを教えてくれるストーリーとなっています。
話は簡単にまとめて紹介しますので、本文を読みたい方はぜひ書籍を手に取ってみてください。
魔法のザクロの話の内容
あるところに三人の兄弟がいました。
兄弟はそれぞれ成人したので1年後に戻ってくること、不思議なものを持って帰ることを約束し、旅に出ました。
一番上の兄は世界の隅々まで見通せるガラスのコップを手に入れ、二番目の兄は空を飛ぶ絨毯、一番下の弟は花がたくさんついているのに実が一つしかなっていないザクロ(ザクロを手に入れるとザクロの木が消えてしまうという不思議なことも起こる)の実を持って帰ります。
一番上の兄がガラスのコップを覗いてみると、ある国のお姫様が重病でベッドに寝ている姿が見え、三人の兄弟は二番目の兄の空飛ぶ絨毯で、そのお姫様の元に駆けつけました。
そして一番下の弟が魔法のザクロの実の半分をお姫様に食べさせると、お姫様の病状が回復しました。
この様子に王様は感動し、三人の兄弟のうち一人がお姫様と結婚するよう話し合うように兄弟に言いました。
そこで、お姫様がそれぞれ三人の兄弟にお姫様を助けるために不思議なものを失ったかどうかを聞き、一番上の兄と二番目の兄は「失っていない」と答え、一番下の弟だけが「ザクロを半分失った」と答えました。
この事がきっかけで、お姫様は一番下の弟と結婚することに決めたのでした。
この物語が教えてくれること
一番下の弟がなぜお姫様と結婚できたのか?
それは唯一、一番下の弟だけがお姫様を助けるために失ったものあるからです。
お姫様を助けた後でも世界を見通せるコップ、魔法の絨毯は今まで通りその力を失うことなく使える状態でした。
しかし、一番下の弟のザクロはお姫様に半分与えたため、ザクロは半分しか残っていない状態だったのです。
つまり、一番下の弟がお姫様を助けるために最も多くのものを失ったということになります。
お姫様はそれを知ったからこそ、一番下の弟と結婚を決めたのです。
「ノーペイン、ノーゲイン」
「痛みなくして得られるものなし」という意味ですが、何かを得るためにはその代償やリスクを背負わなければならないというのをこの物語では教えているのです。
確かに一番上の兄の世界の隅々まで見通せるコップは情報を与え、問題を発見する手がかりを作りました。
二番目の兄の空飛ぶ絨毯は問題を早急に解決する手段として役に立ちました。
この二つの道具に対して良くなかったということは言うことが出来ないと思います。
しかし、やはり何も失っていないのでこの2つだけではそれなりのリターンしか望めないわけです。
ノーペイン、ノーゲインにも順序があります。
痛みを経験するのは何かを得た後ではありません。
痛みを経験するのは何かを得る前でなければならないのです。
先行投資を行うことが成功をつかみ取るカギとなるのです。
我々には魔法のザクロはありませんが時間とお金があります。
自分の持っている時間とお金。
それを何かを始めるために犠牲にしないと成功はしません。
何も失わない挑戦はそれなりの成果しかないのです。
大きな成果を残すためには時間とお金のどちらか一方、あるいはその両方を犠牲にする必要があります。
この事をきちんと学び取って実際の生活に活かしてほしいと思います。
まとめ
魔法のザクロの話を一番最初に取り上げようと思ったのは、自分が話そうと思っていた話のうち一番最初に出てくる話だからと言うのもありますが、「ノーペイン、ノーゲイン」が成功のための基本であるからと思ったからです。
『ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集』では、株の投資についても警鐘を鳴らしています。
しかし、この株式投資は個人の投資ではなく、他人のお金を集めて投資をすることを否定しており、個人がお金を出して投資をすることがいけないと言っているわけではないので、そこは自分もこの本を実際に読んでみて一安心しています。
世界の隅々まで見渡せるコップは情報、空飛ぶ絨毯は手段であるとしており、これはタルムードの物語でもそういう位置づけとなっています。
ザクロを失うことは自分のお金を使って事業を始めること、修行として料理人としてのスキルを身に付けるなど、自分に投資をすることに近いとも本書籍に書いてありました。
自分の時間とお金を使うこと、それが確実な商売や副業を行うのに大切であるということです。
手軽に始めるビジネス、1日30分で〇〇万円稼ぐ、そんなことに騙される人もいますが、多くは失敗し、結局は稼げるどころか自分のお金を失うことになります。
何かを得たいのであれば痛みのない楽な方法ではだめ。
自分の時間とお金を犠牲にする痛み(ペイン)があって初めて成功と言うゲインがあるものだ。
この事はきちんと覚えておいた方が良いでしょう。
この記事では話の概要しか書いていないので、タルムード金言集の話の内容をもっと深く考えたくなるようなことがあるかもしれません。
気になる方は、ぜひ書籍を手に取り読んで欲しいと思います。
今回のお話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。