精神論と根性論は最低のマネジメント

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精神論と根性論はマネジメントに関してまともに勉強していない人がやりがちな最低のマネジメント

会社で働いているとこういうことを聞くことがあります。

「根性で何とかしろ」

「出来ないのは気合が足りないからだ」

確かに気合や根性はある程度は必要な時があります。

しかし、それだけで部下が成績を出してくれるほど部下のマネジメントは甘くはありません。

それに、売り手市場になり、求職者が会社を選べるようになった今、きちんとしたマネジメントが出来ていない無能な上司だと判断され、転職されてしまう可能性があります。

精神論、根性論で部下を鞭打って疲労をストレスを溜め込んだ部下に無理やり仕事をさせて自分の成果としようとする時代はもう終わったのです。

精神論、根性論とは?

精神論は、具体的な理論なしにただひたすら頑張ることを目指すものです。

気合根性といった言葉が使われ、平成の半ばころまでは普通に導入されていた方法です。

バブル期以降の人は今でもこの精神論を捨てきれずに、部下が辞めていく状態を改善できない状況に陥る場合があることでしょう。

しかし、精神論の中身は何の根拠もないことであり、論理的な解決方法で部下を導くことが出来るわけではない。

そして、部下が従わないと暴力やパワハラを行い、無理やりにでも仕事をやらせる。

上司が言うことは絶対であり、部下は上司の言うことに拒否することが許されないという考えで、「何が何でもやれ」と言う。

これが、精神論によるマネジメントの実態です。

氷河期世代までは精神論でたたき上げられてきた人が多いですが、ミレニアル世代やZ世代には精神論は通用しません。

どれだけ効率よく仕事をして、どれだけ残業をしないか、どれだけ体や心に負担がかからないか、という観点でマネジメントすることが求められるようになっています。


根性論は精神論の一つであり、根性さえあればなんとかなるという考えのことです。

確かに根性があると有利なこともありますが、それだけではうまくいかないことも当然あります。

ただただ根性と言うだけでは、何も生まれません。

根性は確かに出さないといけないことがあります。

しかし、それはここぞという時の勝負時に限られるのです。

普段から根性、根性と言われると疲れますし、慢性的に体や心に負担をかけるので、ここぞという時に頑張れなくなります。

根性は、普段からきちんとしたマネジメントで管理された仕事をこなしているからこそ、勝負時に発揮できるものなのです。

そういった意味では根性と言うのは特別なものであり、何に対してでも根性で乗り切るというのは誤った考え方であると言えます。

精神論、根性論は体育会系やブラック企業で多く見かける

精神論、根性論で部下を何とかしようとする人は基本的に頭が良くありません。

大声であいさつすること、毎日夜遅くまで仕事をすることを美徳とし、どうすれば改善できるかというところまで考えることが出来ません。

だから、一番マネジメントとして手軽な精神論や根性論に頼ってしまうことになるのです。

結果として、部下が退職で離れていき人手不足になってしまう。

ただ、その結果を招いたのは精神論や根性論を導入した上司が原因であり、退職していった部下は悪くはありません。


精神論、根性論は体育会系の企業やブラック企業で多く見かけます。

また、上司が氷河期世代以降の場合も、精神論や根性論で部下をマネジメントするケースが散見されますね。

体育会系の企業は、精神論や根性論で育ってきた人が上の立場となり、下の立場の人に同じように指導してしまうこと、また、上下関係が厳しく、下の立場の人が上の立場の人に対して改善提案や意見を言えないこともあるようです。

だから上司の言うことは絶対であり、時には軍隊のような厳しい上下関係で、部下を疲弊させてしまうようなマネジメントをしてしまうことが多いです。

上の人へのさん付けは許さずに役職付けで呼ばせる、先輩に関しても〇〇先輩と呼ぶように指導され、飲み会でも上司から無理やり飲まされる、などの昭和の企業で見られたような光景が見受けられ、非常に風通しの悪い会社であることが多いです。


ブラック企業はまともな考えや倫理観を持たないからブラック企業なのであり、人を使いつぶすために精神論や根性論を使ったりしています。

ブラック企業にもいい先輩や上司がいる会社もあったりして、そういうところは結構働きやすかったりします。

上は駄目だけど中堅より下がしっかりしているから業績を保つことが出来ているパターンです。

しかし、このタイプの企業はしっかりした先輩や上司に負担が重くのしかかっている場合が多く、その先輩や上司がもう無理だと感じて転職してしまったらどうなるかを考えると、先は暗いですね。

同じくらい優秀な人を雇うことが出来れば会社は保つことが出来ますが、令和になってからは人手不足になっていますので、優秀な人は会社を選べる立場であるため、同じ位優秀な人を雇うことが出来る確率はかなり低いです。

そして、良い上司や先輩が抜けたポジションに残念な人が割り当てられ、精神論や根性論でマネジメントをするようになる。

こうなってしまうと、会社の未来が暗くなってしまうため、いい先輩や上司が会社を抜けたらどうなるかというリスクを考えておく必要があります。

精神論、根性論は部下をつぶす

精神論や根性論は部下にひたすら気合や根性を求めます

部下が疲れてしまったときもそうです。

どうすればいいのかのフォローや部下のケアを一切行おうとせず、ひたすら気合で乗り越えさせようとします

疲れているのに「こういう時こそ気合や根性が必要だ」と言われても、言われた側にはその力が残っていないんですね。

結果として部下はどんどん疲弊してしまい、仕事のパフォーマンスも落ちてしまい、最終的には過労やストレスでつぶれてしまいます


これが理由で自分は精神論や根性論は最低のマネジメントであると思っています。

本来であれば何か問題が起きれば部下を守るのが上司の仕事です。

これが出来ないようであれば人の上に立つ資格がありません。

取引先の理不尽な対応で会社に損害が起きれば、守るべきは理不尽な対応を取った取引先を担当している社員であり、会社の利益ではありません。

理不尽な取引先に毅然とした態度で対応することが出来ず、理不尽な取引先を担当した社員に「お前の頑張りが足りないからこんなことになったんだ」などと言われると間違いなくその社員は会社に対しての不信感を持ちます。

そこを分からずに会社の利益を守ろうとして理不尽な取引先を担当した社員を責める、査定を下げるなどをすると、その社員は会社を辞める決意をして、会社から出ていきます。

結果として、残った社員でその社員の穴埋めをしなければならなくなったり、新しい人を雇わなければならなくなったりして、正しい判断をした時の数倍の損失を出してしまうことになるのです。

精神論や根性論よりマネジメントの勉強をして実践にアウトプットするべき

正直言って、精神論や根性論で部下のマネジメントをする人は、管理職として素人同然だと思います。

確かに仕事は出来るのかもしれませんが、人を管理するスキルと仕事をこなすスキルは違います。

これを同じだと思っている人は本当に多い。

だから、仕事が出来るが人を育てられない人に管理を任せ、本当に人を育てる能力のある人を上に立たせるという発想がない企業が多く、これが日本が成長しなくなった原因の一つだと自分は考えています。


この考えは高度経済成長期から間違っていたと自分は思いますが、残念ながら偶然にも日本がうまく成長してしまいました。

なので、精神論や根性論がいまだに正しいと思う人が結構日本には居て、会社の管理職というポジションに居る。

今の日本が成長しないボトルネックはここにあるのではないでしょうか?

それと、人を大事にせずに利益だけを追求した経営方針(例えば正社員を育成するより即戦力の派遣社員を使う、リストラや早期退職を行うなど)が、会社の技術の育成を妨げ、会社を衰退させる原因となったのではないでしょうか?


これからの時代は根性論や精神論は通用しない時代となります。

理由は人の多様性であり、いろいろな価値観の人が現れているため、一律の価値観の押し付けのマネジメントに限界が出て来ているからです。

根性論や精神論で画一的にマネジメントするのはこれからは不可能と思った方が良く、部下に寄り添ったマネジメントが求められるようになってきています。


部下のマネジメントに関して様々なマネジメントの本が出ていますが、実際にマネジメントをする立場で、これらの本を一冊でも読んだことのある人は少ないと思います。

マネジメントの勉強はこれからの時代は必須です。

画一的な指導をしても部下の成長につながらないこともありますし、部下のためにもなりません。

部下がどう考えて行動しているかよく見ることで、部下に合ったマネジメントが見えてくると思います。


根性論や精神論によるマネジメントは手抜きであり、怠慢でもあります。

それぞれの部下の行動のパターンを理解し、性格を理解したうえで、適切なマネジメント手法で管理していくことが部下を管理する人の仕事であり、役目でもあります。

根性論や精神論だけで何とかなるという考えをまずは捨ててください。

何とかならない時が来た時に大変なことになります。

部下としっかり向き合い、適切なマネジメントをするようにしましょう。

今回のお話は以上となります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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