「プライドを捨てろ」という言葉は誰もが一度は聞いたことがある言葉の一つだと思います。
この言葉は自分の中のすべてのプライドを捨てるのではなく、自分の成長や改善に邪魔になる悪いプライドを捨てろと言う言葉です。
良いプライドである自尊心も捨てることではないので、そこは注意してほしいと思います。
プライドとは?
プライドという言葉には二種類の意味があります。
一つ目は誇りや自尊心というプラスの意味。
二つ目は見栄や驕りというマイナスの意味です。
一つ目の意味は自分が「プライドを捨てろ」と言いたくなるタイプのプライドではありません。
自分を信じて、自分に誇りを持つ。
これは一流の仕事をするのに必要なことですし、特に捨てるべき理由はありません。
二つ目の意味はまさしく自分が「プライドを捨てろ」という言葉で捨てるべきプライドだと思っているものです。
自分の見栄や驕りというのは自分を過度に大きく見せることです。
外側の容器は立派なのに中に入っているものは大したものではない。
そんな状況になるのが、二つ目の意味のプライドです。
このプライドは持っていても自分に何の役にも立ちません。
「プライドを捨てろ」という言葉とプライドを捨てる方法
「プライドを捨てろ」という言葉についてお話しします。
ここで「プライドを捨てろ」と言うのは、誇りや自尊心を捨てろと言っているわけではありません。
誇りや自尊心を捨ててしまうと自分の大事なものを捨ててしまうことになります。
そうすると心に穴が開いたかのようになり、何かをする上で自信が持てなくなり、いい仕事が出来ませんし、他人と話していても「どうもパッとしない人」と思われるようになってしまいます。
なので、誇りや自尊心は捨ててはいけません。
誇りや自尊心は自分にとって必要なものだからです。
一方で見栄や驕りと言った表面だけを取り繕うためのプライドは自分を大きく見せることになるのですが、これが過剰に自分を大きく見せるものになってしまいます。
人の言うことを素直に聞けなかったり、他人に頭を下げてお願いが出来なかったりすることに加えて、その人が仕事が出来ない、人として信用できないというタイプであれば、どうしようもないのです。
こういう人は過去の自分の栄光(例えば有名大学を出た、以前の会社で部長をやっていたなど)を語るのが好きで、それを聞く側をうんざりさせるのです。
しかし、過去のことは過去のことです。
過去の実績がどうであるかは確かに今の実績に関係があることがありますが、過去は実績が出せていても今は実績が出せないような場合はいくら過去を語ってもどうしようもないのです。
重要なのは今どういう状況にいるかですね。
今の状況が良くないのに過去語りをして自分を保とうとしても逆効果です。
過去の栄光を盾に偉そうな態度を取るようであれば言語道断ですね。
将来も状況を改善させることが出来ずに、ますます自分の過去の栄光にすがって過ごすことになるでしょう。
こういう過去の栄光にすがることこそ、自分に見栄や驕りを生じさせ、自分をダメにしていくのです。
だから過去の栄光や見栄や驕りといったマイナスのプライドを捨てる必要があるわけです。
自分も旧帝大を出ていますので、昔はマイナスのプライドの塊のような人間でした。
ここプライドのせいで社会に出てから約10年を棒に振ってしまいました。
旧帝大を出たという過去の実績から来るプライドが役に立たないと思たのもこの頃であり、以降は旧帝大にいたころの自分は過去の話だと片付け、人の言うことを素直に聞くようにしたのです。
そうするときちんと仕事で成長を感じられるようになりました。
いま、こうして自分が人生で得た知識や勉強で得た知識を発信できるようになったのも、余計なプライドを捨てたおかげだと思います。
もし今もなおプライドを持ち続けて見栄や驕りの感情を持っていたら、今ごろ仕事が見つからずにフリーターやニートになっていたかもしれません。
それくらい過去の栄光から来るプライドというものはマイナスであり、本当にこのプライドを捨てて良かったと思います。
また、今うまくいっているからと変に驕りを持つ人がいます。
昔働いていた職場にも平社員の頃はそうではなかったのですが、営業で成績を上げて役職がついて昇進したらかなり偉そうな人になったことを見たことがありました。
その人からは、自信過剰というか驕りというか、そんなものが感じられるようになりました。
実際に敏腕な営業マンでありましたが、自分から見た印象はあまりいいものではありませんでした。
飲食店でも同じようなことが起きることがあります。
人気店になったからと言って、店主が自分が一流になったと勘違いして驕りの感情を持つようになる。
その結果、人を区別するような態度を取ったり、客を見下したりするようになる。
その気持ちというのは料理の味にも現れ、常連離れや悪い口コミが立つようになる。
ある寿司屋が「自分は一流の客を相手にしているので、普通の人が頑張ってお金を貯めてくる店ではない」とブログに書いて炎上しましたが、こういう人も自分が一流を相手にしているからと言って、自分も一流であると勘違いしている。
ブログではそうではないと弁明していますが、そういう驕りの態度が文章を読んで所々に感じられました。
ツイッターを見ると「こういう店ではお金持ちになっても行きたくない」という反応が多く、おそらく本当に一流の人はそういう店に来ないということも理解せず、ただ成金相手に商売しているに過ぎないという現実が理解できていないのだと思います。
こういう店も「自分が成功者だ」という驕りから来るプライドを捨てて精進し続けなければ、他の店に客を取られ落ちぶれていくようになるということをしっかり理解しておく必要があります。
20年以上前にラーメン選手権のチャンピオンになった一風堂の店主が「ありがとうございます。もっと勉強します。」と言ったことが印象良く感じたのはこの驕りというのがなかったからだと思います(今の一風堂はあまりいいとは言えなくなりましたが)。
「プライドを捨てる」という話に戻しますが、「プライドを捨てる」ということは歳を取るにつれて難しくなるものだと思います。
なぜならば、歳を取るにつれて自分の考え方が定着し、変えるのが難しくなっていくからです。
出来れば若いうちから余計なプライドを捨てて自分を成長させていくことが他の人と差をつけていくのに必要なことです。
余計なプライドを早く捨てることが出来た人とそうではない人では、歳をとった時の人間的な魅力や仕事での立場に大きく差が出ると思います。
昔のように年功序列の社会だったらプライドを捨てなくても何とかなったでしょう。
しかし、今は実力がある人が上に行き、しかも常に社会の変化が起きるので、柔軟に考えを変えていかなければいけない時代となっています。
余計なプライドを持っていると自分を変えていくことの邪魔になります。
ですので、余計なプライドを捨てられないままだとどんどん社会から取り残されてしまうのです。
余計なプライドを捨てるコツは、自分より上の人がいることを認識し、現実として受け止めることです。
どれだけ上に行ってもそれ以上に上を行く人は必ずいるものです。
そして自分が一番上に立っても、他の人が追い付き、追い越そうとしてきます。
だから、どんな立場にいても謙虚な立場で努力をし、自分を磨いていかなければなりません。
この時に変な驕りや見栄のプライドを持っていると、絶対に他の人に追い抜かれます。
必要な努力が出来ないからです。
過去の自分の姿を見るのではなく、現在の自分を見る。
そして、自分より上の人がいることを常に認識することで、「自分は大したことない」、「もっと頑張らないといけない」という気持ちを持つことで、自然と余計なプライドを構成する見栄や驕りの感情が消え、良いプライドだけが残る状態になると思います。
まとめ
プライドというものは2種類あります。
一つ目は自分を信じる気持ちや自分に誇りを持つ気持ちから来るプラスの意味のプライド。
二つ目は驕りや見栄などから来るマイナスの意味のプライドです。
捨てなければいけないのは二つ目の意味のプライドで、これを捨てることが出来るかが、重要なポイントとなります。
余計なマイナスのプライドを捨てると気持ちが軽くなります。
自分が作り出した虚像にこだわらなくてよくなるからです。
自分が作り出した本当の自分よりもはるかに大きい虚像を持つことは、身に付ける必要がないのにわざわざ身に付けている鎧のようなものです。
この鎧を着ていることで自分を能力以上の人だと信じ込んでしまい、俊敏な動きが出来なくなります。
しかもその鎧は自分を強化する能力がありませんし、逆に弱くする呪いの鎧のようなものなのです。
だからその鎧を脱いでしまうと身軽になるわけです。
その結果としていろいろなことを吸収し、どんどん成長していけるのです。
理想的なレベルは実力があれば年下からも学べるレベルですね。
今の若者は変化の時代を生き抜いているので、中高年の人にとっては変化の時代を生き抜くためのノウハウを教えてもらうには理想的な「先生」だと思います。
ここで余計なプライドを持ったままで「こんな青二才から教えてもらうことはない」と拒否してしまうと、折角の成長の機会や変化に適応できる力をつける機会を失ってしまいます。
余計なプライドを捨てることが出来た人とそうではない人では差がついていく時代です。
自分の中の驕りや過去の栄光にすがる気持ち、見栄といったものを捨てて素直になりましょう。
そうすれば心も豊かになりますし、成長が出来ることで収入も増やしてお金の面でも豊かになっていくことが出来ると思います。
この記事をここまで読んでくださった方は、悪いプライドを捨てることが出来ると信じています。
今回の話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございます。