プライドが高い人は自分の考えにこだわり、人の言うことを素直に聞けません。
逆にプライドが高くない人は謙虚であり、人の言うことをしっかり聞いて、ノウハウを蓄積して自分のものにしていきます。
今回はプライドが高くない人は雇うと得をするということで、どんなメリットがあるのかお話ししたいと思います。
プライドが高くない人は仕事のスキルやノウハウを蓄積しやすい
プライドが高くない人は誰からも教わろうとします。
相手が年下であってもきちんと話を聞き、ノウハウを蓄積して自分のものとします。
そのため、すぐに仕事を覚え、早い段階から活躍しやすいのです。
反対にプライドが高い人はこうはいきません。
プライドが高いゆえに自分のやり方が正しいと思っており、他人から何か言われることがあってもそれをしっかりと受け止めないのです。
もちろん我流でやるので失敗しやすく、それを反省することもなく、「格下大学出身の人に物を言われる筋合いはない」、「前の会社ではこれでうまくいっていた」、「若いころはこうやって成果を出してきたんだ」などと屁理屈を言って、他人の意見に聞く耳を持ちません。
注意してもきちんと受け止めないので、直そうとせず、何度注意しても同じことを繰り返す。
これではスキルやノウハウを蓄積することはできません。
新人であっても年下にタメ語で話す人もいて、こういう人は高確率で地雷となります。
この手のタイプは例外なくプライドが高く、新人で、しかも試用期間の立場なのに、先輩や役職者の人に指図をしたりします。
また、自分の実力を過大評価していて、「言われなくてもできる」、「メモを取らなくてもできる」と言いながら、実際に仕事をするとミスをして時には大きな損失を出すこともある。
きちんとした社員であれば、新人の頃は先輩や上司が年下であってもきちんと敬語を使い、謙虚に学ぶ姿勢を見せます。
過去がどうだったというのは関係がなく、新しい会社に入ったのだから一からのスタートになるということをしっかりと認識しています。
過去のことを過去のことと認識しない人、今の自分の実力を自分で適切に評価できない人はダメな人なんです。
プライドが高くない人は職場の雰囲気を悪くしない
プライドが高くない人は物腰柔らかく他人に接します。
威張ったりすることがないので、周りの人も相手にしやすく、信用もしやすいのです。
いい人間関係を築くことが出来るため、自然と職場の雰囲気も良くなります。
プライドが高くない人は「あの人は信頼できる」と周りから言われても「ありがとうございます。頑張ります。」と言うわけです。
かなり昔の話ですが、TVチャンピオンだったでしょうか?
ラーメンの選手権があり、一風堂の創業者の川原成美さんが優勝した時にこんな言葉を話しておられました。
「ありがとうございます。もっと勉強します。」
これはすごく謙虚な言葉で、「ああ、この人はこんなことを言えるからすごいのだな」と思ったものでした。
一風堂の創業店は福岡市の天神西通りから少し入ったところにあるのですが、当時に実際にここのラーメンを食べるとすごくいいラーメンであったことを覚えています。
今は全国に展開するラーメン店であり、時代とともに味を変えているため創業店でも当時のラーメンは食べられなくなりましたが、ここまで大きくしたのも創業者の力が大きかったと思います。
話しを戻しますが、プライドが高くない人は決して自分で自分のことをできる人だと思っても、言葉にすることはなく、驕ることはない。
どんなに実力があってもミスをすることがあることをしっかりと理解している。
人から認めてもらうのは自分が強要するのではなく、結果を出すことで周りから認めてもらう。
そのことを知っているのです。
プライドが高くない人は些細なことを言われても感情的にならず、自分の学びになることがないかを気にしながら話を聞きます。
さすがに人格否定や悪口は気にするかもしれませんが、仕事のミスを注意する場合はきちんと聞いてくれて、次回から改善してくれるのです。
一方でプライドが高い人は「周りの人よりも自分の方が出来る」という謎の自信を持っています。
たとえ相手が格上であったとしても格下と見ている時があります。
なので、相手から忠告や注意をされても、「自分より格下のくせに偉そうに」と思ってあまり素直に聞かない人になるのですね。
また、学歴から来るプライドを持っている人は低学歴の人を見下すこともあります。
学歴が高くても社会に出てから何一つ結果を出してこなかった人、高卒でも社会に出てから数多くの結果を出してきた人のどちらが社会人として信用できるか?
答えは当然後者なのですが、学歴から来るプライドを持っている人は前者であるという間違った認識を持っています。
プライドが高い人は他人を見下すことがあるとお話ししましたが、それ以外にも他人に指図したり、自分が注意されても逆上したりしていいことがありません。
そんなことが起こっていると職場の雰囲気は悪くなってしまいます。
誰もが腫れ物に触るかのような態度で接するようになり、何かを教えても我流で通そうとするので、教える側もかなり消耗します。
プライドが高い人は個人的に無能だと思っています。
理由は、実際にプライドが高かったころの自分が完全に無能だったからです。
学歴を理由に「自分は教えられなくても出来る」という根拠のない自信をもってとにかく努力をしなかった。
なので、他人に追い抜かれ、どんどん差をつけられるのですが、その現実すら見えていなかった。
とくに、30代前半で開発チームに入った時は新卒で入った新人に実力を抜かされるくらいのとんでもない無能だったわけです。
幸いなことにその時にいた会社が鍛えてくれたので、プライドを捨てて頑張ることが出来るようになりましたが、もしあの時プライドを捨てていなければ年だけを取ったプライドが高い無能であり続けていたことでしょう。
プライドが高い人は歳を取ればとるほど、そのプライドを捨てることが難しくなります。
40代、50代でプライドが高いとなると、そのプライドを捨てて謙虚に頑張ることが難しいので、個人的には書類選考や面接で落とすと思います。
なので、プライドが高くなくて何でも吸収できる、いくつになっても新しいことを学び続け、それでも謙虚であり続けられる。
そんな人を雇った方が会社にとって得になるのです。
プライドが低くても注意するべきする人がいる
プライドが高くない人は雇わないほうがいいということをお話ししましたが、逆にプライドが低くても注意するべき人がいます。
プライドが低いというと謙虚で様々なことを吸収できるというイメージがありますが、それに当てはまらない人もいるわけです。
ではどんな人が注意するべき人になるかというと、自己評価が低く、何かを失敗すると自分を責めてしまう人です。
少し厳しいことを言うと大きなダメージを受けてひどく落ち込んでしまう。
時には心の病を発症し、長期の休みが必要になることもある。
そういう人も会社の性質によっては雇うのはやめておいた方がいいでしょう。
この手のタイプにはまじめで誠実な人が多いので、しっかり指導していきながらきちんとメンタルケアをすれば自信をつけて戦力になりますが、指導方法が不適切であれば自分を責め続けてしまい、なかなかいい方向に向かってくれません。
もし会社が穏やかな雰囲気で人を育てる、お互いの成長のために協力し合う雰囲気があればプライドが低くて自己評価の低い人を雇ってもいいかもしれません。
しかし、人を育てる文化がなく、競争を求める会社であればこのタイプの人は高確率で心を病んでしまいます。
その人のその後の人生に影響しますので、競争でギスギスした環境の会社や、パワハラや精神論で人を育てる文化の会社は絶対に雇ってはいけません。
実力が付くことなく短期で離職するリスクも高く、働いている期間がスキルやノウハウの蓄積にならないことも会社と働く人の両者に痛手ですね。
そもそも人を育てることが出来ない会社が悪いという見方もできるのですが、プライドが低くて自己評価が低い人に成功体験を与えることが出来ない会社にとってはコストにしかならないと思います。
また、現在はプライドが低くても実力をつけるとプライドが高くなって驕りを持つようになる人もいます。
この手の人は育ててくれた人に感謝をすることを忘れ、時には元上司を見下すようになることもあります。
こうなる原因は心の器が小さいことですね。
人にはそれぞれ心の器があります。
そして心の器に収まるくらいの実力や権力を持つと、バランスが取れていい感じになるのですが、心の器より大きな実力や権力を持つと、それに酔ってしまい、自分を見失って、自分が偉いと勘違いしてしまうわけです。
結果として仕事が出来なかった頃の自分を忘れ、人の上に立つ立場になったら自分と同じレベルの仕事を部下にも求めたり、部下や後輩に対してエラそうな態度を取ったりするようになります。
当然、部下や後輩からの評価は悪く、職場の雰囲気を乱してしまうことになりかねません。
周りの人が次第に参っていき、退職者が出てしまう原因にもなります。
この手のタイプは見分けが難しいですが、違和感を持ったら注意をするべきだと思います。
面接で「お金や権力を持ったらどんなことをしたいか?」ということを確認してもいいかもしれません。
雇うのに理想な人はプライドが高くなく、素直にノウハウを吸収し、戦力になってくれること。
こういう人が会社に多いと職場の雰囲気が良くなり、業績にもプラスの影響を与えることでしょう。
しかし、先に述べたように実力をつけた時に他人への感謝を忘れ、横柄になる人は注意が必要です。
こういう人を仕事が出来るからと言って擁護することは論外です。
たいていの場合、仕事で出した実績以上の損失を出すようになっているわけですから。
今回のお話は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。