「安くて高品質なものが欲しい」と思う人は結構いることでしょう。
しかし、「安い(低価格)」と高品質は本来は正反対のもので、両立することが出来ません。
低価格であれば品質が低くなりますし、高品質であれば価格は高くなります。
つまり、価格と品質は相関性があるのが普通です。
「低価格で高品質」は本来は求めてはいけないものです。
投資においては低価格で高品質な投資商品が存在しますが、今回は商品や製品に焦点を当ててお話しします。
低価格とはどういうことか?

低価格の商品は品質を普通かやや悪い程度に抑えて、手ごろな値段で楽しめるようにしています。
低価格の商品には材料費を抑えたり、生産を外注したり、工場の稼働していない時間を利用して生産するようにしたり、などのコスト削減を行っている場合があります。
例えば、スーパーで見かけるサバの缶詰ですが、一つだけ価格がやたら低価格のものがありました。
他のサバの缶詰は国産サバを使用して国内工場で生産されているものが多かったですが、そのやたら低価格のサバの缶詰は原産国がタイになっていました。
つまり、そのサバの缶詰は製造コストを海外に委託することで抑えていたわけですね。
商品の生産にかけるコストが安いので、低価格の商品ではそこまで品質が良いものを作ることは一般的に無理です。
特に、こだわりや高級と言った高品質の商品にありがちなものは期待できないです。
とにかく使えればいい、食べられればいい。
そんな感じの商品が低価格の商品の特徴となります。
高品質とはどういうことか?

高品質の商品は、ものすごく美味しい、長期間使ってもなかなか壊れない、使い勝手が良くて効果も素晴らしい、などど、利用することで生活を豊かにしたり、便利にしたりする商品が多いです。
高品質の商品は、一言で言うと「よく考えられて作られている」ものであり、その背景には生産者や製造者の思考や改善の努力が見受けられます。
そのため、必要最低限のコスト削減は行っているかもしれませんが、それ以上のコスト削減は行っていないことが多く、むしろ品質向上のためのコストはしっかりかけていることが多いです。
原料の生産地と質にこだわったり、品質のいい製品を作ることが出来る機械を導入したりして、とにかく消費者を喜ばせようという努力が商品に現れています。
例えば、海外産の材料に頼らず、食品添加物も極力使わない、地元の素材や食材だけで作られたこだわりのドレッシング。
値段は高いですが、品質の良い原料で作られているので野菜にかけて食べると野菜の魅力を引き立ててくれる。
まるでレストランで提供されるようなサラダの味になる。
商品によるこだわりが、利用者を幸せにしたり、豊かな感情を生んだりするのです。
しかし、その分相応の値段になる。
安い(低価格)の商品にはない、生産者や製造者のこだわりによりかけたお金が商品価格に上乗せされているため、決して低価格では高品質の商品は成り立ちません。
低価格と高品質は両立しない
ここまで見てきた通り、低価格の商品が目指す方向と、高品質の商品が目指す方向は同じ方向を向いていません。
そのため、低価格と高品質は本来であれば両立しないものです。
低価格と高品質の両方を求めることは、婚活で例えるならば、家事をしっかりやってくれて若くて高収入のイケメンを探すことと同じようなことです。
基本的にこちらもハイスペックではない限りマッチングしないものですが、もしそのような人とマッチングしたら、何か訳がある人だということになります。
低価格で高品質な商品が存在する場合も同じです。
低価格で高品質な商品があるとすれば、何か訳があるのです。
例えば、従業員の給料のコストカットを行い、労働に対して適切な賃金を払わない(サービス残業があったり有休が取れなかったりする)。
あるいは、下請けに安くで依頼し、品質面についても強く要求する。
などと、特に人に対してコストカットを行っている場合が多いです。
つまり、低価格と高品質の両方を求めると、その裏で泣いている人が出てくることがあるのです。
人のコストを抑えなかったとしても、普通に低価格で高品質の商品を販売すると、原価率が高くなり、それだけ利益が出にくくなります。
対応策として工程を減らしてシンプルな商品にして品質を維持したり、広告宣伝費を抑えるなどがありますが、それで仕事が減る人が出てくるわけです。
そのため、低価格で高品質を求めるという考えは間違いであり、品質を求めるのであれば、それ相応のお金を出す必要があります。
安くて美味しい店は、その店の料理人の腕が良い代わりに原材料の費用を削減したり、居抜や自宅での開店などにより賃料を抑えていたりします。
手ごろに美味しいものを食べてもらいたいというその店の気持ちもあるのですが、知り合いから市場に出せないがしっかり食べられるような野菜を安くで分けてもらうなど材料の入手ルートに工夫していたり、お客一人当たりの利益が低い分何度も通ってくれる店を目指したり、お金のかからないサービス面で高いレベルを実現していたりしていて、普通に商売するよりもかなりの努力をされていることが多いです。
そのため、安くて美味しい店というのは商売としてやるにはなかなか難しく、繁盛している店はその店の料理人や店主の手腕がカリスマ的であることがほとんどで、普通の方法で実現しようとしても無理であることが多いです。
安くて品質のいい製品を作る時も同様です。
材料費、製造費、人件費、管理費のいずれかをカットしなければいけません。
例えば、規格外ではあるが十分使える部品を安くで仕入れる、製造に使う機械を頻繁に買い替えず、メンテナンスも自社で行うなどという、コストカットの工夫が無ければ成立しないものです。
そして、上記のような工夫があっても、飲食店の場合は料理が家庭的や大衆的なものであったり、製品の場合も高級品と言えるくらいの製品にはならないのです。
ちなみに低価格で高品質は本来は存在しないのですが、高価格で低品質なものは存在します。
高価格なのに添加物たっぷりの食品や、高価格なのにすぐ壊れる商品を買ったことがある方は結構いるのではないでしょうか?
高価格な商品は基本的に質がいいためにコストをかけていることが多いですが、稀にお金儲けのために不相応な値段を付けて販売していたりします。
しかし、そのような商売は長続きしませんね。
お金を出して買う人は高いものについてはそれ相応の品質を求めます。
もし、高いお金を払ってその品質に到達していない商品をまた買いたいとはだれも思わないはずです。
高くて品質が悪いのであれば、安くて同じ品質のものを選んだほうがいい。
ニーズが合わないから長続きしないんです。
最後に今回のテーマについて話をまとめますが、低価格と高品質は求める方向性にそもそも違いがあります。
低価格は品質を許容範囲内(許容範囲より下のものもありますが)にしてコストを下げる、高品質はコストが掛かってでもいい商品を作るために工夫して目指すもの。
そのため、低価格と高品質は両立することが出来ないのです。
安ければ品質を妥協する必要があるし、高品質を求めるのであればそれなりの対価を出す必要がある。
低価格と高品質の両方を求めることは高望みです。
低価格と高品質のどちらか一方を選び、納得したうえで商品を選ぶようにしましょう。
また、仕事で発注する場合も低価格と高品質の両方が成り立つことはありません。
発注価格を抑えたいのであれば品質の妥協、高品質を求めるのであればそれなりの価格を提示しましょう。
高品質のものを買い叩いてはいけません。
高品質のものを買い叩く人が増えると品質を維持したままの価格競争になり、その結果が給料に反映されます。
買い叩いた人の労働が給料という形で返ってくるのです。
今回のお話は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。