「何度言ったら分かるんだ!」と言ったらパワハラになるので、我慢強く何度も同じミスをしても指導しないといけない・・・この大変さに苦しんでいる人も多いと思います。
しかし、単純にミスをする人の方に問題があるわけではなく、指導をする人にも問題があることがあります。
ここでは同じミスを何度も繰り返す人の5つのケースについて考えて見ることにします。
目次
そもそもやる気がない
やる気がない人には何度注意しても同じミスをしても心に響きません。
同じことを何度注意してもまた同じミスをやらかします。
なので、このタイプの人はもう放置するか、上に報告して処分を下してもらうしかありません。
やる気がない人の場合は基本的にその人自身に問題があるので、改善の見込みがなければ何らかの処置をする必要があります。
ただし、自分が担当している仕事の内容に納得していなくてやる気が出ない人もいますので、そのタイプの人には違う役割の仕事をさせるなどして、やる気のない状態を解消していけると会社のために働いてくれるでしょう。
何をやらせてもやる気のない人は割り振れる仕事が無くなってしまい社内ニート化しますので、会社から追い出すために勤務態度を記録し、何度も指導をしたが改善の見込みがないことも記録し、懲戒処分とすることがいいでしょう。
あるいは、この仕事に向いていないことを相手を刺激しないように告げ、自主退職をするように説得すると良いでしょう。
言われたことをアウトプットをしようとしても感触が分からない
言われたことを直そうとして、どんな加減でどう修正したらいいか分からない。
注意した方は、相手の心情が分からないので同じミスをしたことに対して注意することしかしない。
このタイプの人は「どうしたらいいか自分で考えろ」では伝わりません。
分からないから同じミスをしてしまうことにつながるのです。
このケースに該当する人は加減を知らないので正しい仕事が出来ていない状態なので、一方的にミスをする方が悪いわけではありません。
なので、一方的に相手のせいにしても問題は解決しません。
自転車に例えると、感覚が分からずうまく自転車に乗りこなせず、転ぶことを繰り返している状態です。
この場合は、正しく仕事をさせるにはきちんとアドバイスをして、どのようにアウトプットしてうまくやるか、きちんと相談に乗ってお互いに協力しながら、ミスをしないように修正していかなければなりません。
この手間を省いてしまうと、ミスを繰り返す人に一方的に責任を押し付けてしまうことになり、その人の心を傷つけて退職させてしまう原因となります。
気持ちにゆとりがない

仕事をする人の気持ちにゆとりがなくて、ミスをしてしまう場合は注意が必要です。
気持ちにゆとりがないのはいくつか原因がありますが、大きな理由では、抱える仕事が多すぎる、ミスをしたら激しく叱責される文化が出来てしまっている、などです。
または、ミスをすると社内でつるし上げを食らう、上司にCCでメールを送って注意をするアホ同僚や後輩がいる、などですね。
これはもちろんミスを繰り返す人だけの責任ではありません。
マネジメントをする人に責任があります。
なぜ同じミスをしているのに相手のせいにしてしまい、相手だけに改善を求めるのか?
そこに自分の指導ミスという考えはないのでしょうか?
おそらくないから相手の気持ちの余裕を奪って追い込んでいるのでしょう。
自分の指導に問題があることが分かっていて、それを改善しようとする上司であればこの問題はすでに解決しているはず。
解決できていないということは、何も対策をしていないということ。
部下の心のケアはきちんとできていますか?
注意する時にさらに上の上司にCCに入れるなど、晒しものにしていませんか?
部下が疲れていること、きちんと把握できていますか?
仕事の量は適切ですか?
仕事のミスをした時にプレッシャーをかけていませんか?
これらのことをよく考え、部下としっかり向き合いましょう。
そうすれば同じミスを繰り返してしまう人にも気持ちに余裕が生まれ、同じミスをすることも減っていくでしょう。
要求のレベルが実力と釣り合っていない
同じミスをする原因として、その人にとって仕事が難しすぎるということがあります。
例えるなら、一般の県立大学の志望者に東大や京大の入試問題を解かせるということです。
この場合、一般の県立大学に志望する学生と東大や京大は明らかにレベルが異なるので、たまに解ける問題はあったとしても合格点を取れるくらい問題が解けることはほぼありません。
これと同じように、明らかに実力が不足しているのに、実力を大きく超える仕事の完成を求められても実力が釣り合っていないので、仕事をする人の実力では絶対にできないこともあります。
不明点を相談しても解決しないくらいの実力と乖離した仕事であれば、ミスにつながってしまいます。
不明点の相談に乗るならまだ良いのですが、相談しても「それくらい自分で考えろ」と突っぱねられたら、仕事をする人にとってはどうしようもありません。
期限があって出来そうにないので早めに仕事を断るにしても「上司の指示は絶対だ。断ることは許されない」など、言って話を聞かないと、仕事をする人は前に進めないまま時間だけを消費してしまい、ミスに繋がります。
それなのに、「この仕事をさせるとこの人の成長につながる」などと勘違いして、実力をはるかに超えるレベルの仕事を毎度任せていたら、ミスを繰り返すのも無理はありません。
そして、仕事をする人はどんな手も尽くしたのに、ミスをしたことを一方的に攻められる。
部下が助けを求めてもきちんとフォローせずに叱る時だけは一丁前に叱る。
これでは条件が改善するわけがありません。
部下も自信を無くしてしまいますし、下手をすると心の傷を負って成功体験を得にくくなってしまう。
それに、自分で手を伸ばしてもジャンプしても届かないくらいレベルの高い仕事ばかりだと、無気力を育成してしまい、やる気がなくてミスを繰り返すタイプに変わってしまう可能性があります。
なので、部下の仕事が実力と合っていない場合は、上司の方はきちんとフォローをし、その仕事が成功するように努めることが仕事となります。
これをやらない上司は仕事を放棄しているのと同じであり、部下を叱る資格もなく、部下を持たせてはいけないタイプの人ということになります。
伝え方が悪い

部下が同じミスをした時「〇〇しろって言っただろ」と言う上司がいます。
このタイプの上司は部下を委縮させて同じミスを誘うので、厄介な存在です。
また、ここまでパワハラなことを言わなくても、ミスをした時に注意する言葉が全く同じである人もいます。
このケースの場合、伝え方に工夫がないので何度部下に注意をしても伝わりません。
部下が「どんな意味なのか分かりません」と言わないことにも問題はあるのかもしれませんが(そもそも何が分からないか分からないこともある)、上司はそんな指摘を受けなくても部下がどうすれば思うように動いてくれるかを考えなければいけません。
この工夫を放棄する人は上司としての仕事をしていないのと同じです。
改善というのはトップから行い、下に向かって伝わっていくものです。
なので、上司が部下に改善を求めるのであれば、上司の方が先に率先して自分を改善していかなければいけません。
このことを知らない人、出来ない人は部下を持つべきではなく、このような人の下で働く部下は同じミスを繰り返してしまい、うんざりしてしまい、最悪会社を辞めてしまいます。
同じミスをする人はその人だけに問題があるとは限らない
同じミスを繰り返す人は、その人だけに問題があることは少なく、何か別の問題があることも多いです。
ミスをする人が怠慢だったりプライドが高くて言うことを聞こうとしない場合はどうしようもないことです。
しかし、一生懸命仕事をしても同じミスをする人には、なぜ同じミスをするのか、どこを改善するべきなのかを考えさせ、改善させ、時にはフォローしなければいけません。
なので、同じミスをする人がもし仕事を一生懸命してくれる人であれば、見捨てずにきちんと育てていくことも意識した方が良いです。
同じミスをする人を使えないと言って放置する人や組織はその人の成長の芽を摘んでしまうのと、別の会社に転職してその会社で能力が開花して育ってしまい、今の会社で貢献してくれなかった分の損失を抱えてしまうということを考えなければいけません。
同じミスを繰り返す人も自分なりに考えて改善していることがあります。
結果だけを見て、同じミスを繰り返しているところを指摘しても改善にはなりません。
同じミスを繰り返すことになってしまいます。
同じミスを繰り返す人には「何度言ったら分かるんだ!」と威圧的な態度を取ったら、その人は委縮してしまいます。
そしてまた同じミスをしてしまう。
そしてさらに上司が怒り狂って部下に恫喝する。
こんな会社で働きたいという人はいるでしょうか?
実力がない社員を切りたい気持ちは分からなくもないです。
しかし、それをやってしまうと会社全体のボトムアップに繋がらず、会社の成長につながらないのです。
なので、同じミスを繰り返す人に対しては、きちんと原因を追求して、その部下に寄り添い、解決に向かってともに歩んでいくようにしましょう。
人を育てられない上司のもとで働くことは最悪に近いことです。
人が育たないので、中途や外注、派遣に頼る会社になります。
すると自社で生え抜きの技術者が育たなくなり、根本的な問題の解決から遠ざかってしまいます。
実力のある社員に見切りをつけられ、会社は衰退の一途をたどることになります。
そうなりたくなければ、マネジメントを学び、きちんとした人を育てられる人を用意しておくことが課題となり、解決するべきことになります。
その一つの課題が同じ失敗を繰り返す人をどう変えていくかということです。
今回のお話は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。