今後働いていく場合は、年功序列に頼らないことが大切。スキルやキャリア、成果などの実力面が重要になる。

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今後働いていく場合は、年功序列に頼らないことが大切。スキルやキャリア、成果などの実力面が重要になる。

昭和や平成初期の頃は、年功序列という制度を導入している会社が多く、働いている年数や年齢を重ねるごとにエスカレーター式に給料が上がっていきました。

とにかく働けば給料が増えていく時代であり、将来も安心できる時代であったため、結婚をして子供を作ったり、一戸建てやマンションを購入して、ローンを返していくことも難しくなかったのです。

しかし、今はそんな安定した時代ではなく、不安定な時代となってしまいました。

会社に入社してもその会社に自分の身を定年まで預ける時代ではなくなりました。

入社した会社で定年までぬくぬくと過ごしたいと思っても出来なくなってしまったのです。

年功序列とは何か?

年功序列とは、働いている会社に何年在籍しているか、年齢がいくつであるかという基準で昇給していくシステムで、特に仕事が出来なくてもエスカレーター式に給料が上がったり、役職がついたりするシステムです(ただし、ある程度以上の役職への昇級は試験の合格と上司に媚を売るなど、実力も必要だったようですが)。

定年まで働くことを見通すことが出来、結婚や出産、マイホームを購入することが安心して出来るのが最大のメリットでした。

子供が高校や大学に行く、一番お金のかかる時期に年収もピークを迎え、学費の捻出も今ほど大変ではありませんでした。

当時は専業主婦も多かったのですが、今のようにフルタイムで働く女性が少なく、働くにしてもパートで働くくらいでした(実際に自分の母がそんな感じでした)。

そして、定年の60歳まで働いたら退職金もたくさん出て、そのまま年金生活に入るというパターンも多かったのではないかと思います。

今のように60歳で退職して65歳の年金開始までどうするかを悩む必要もなく、年金が70歳から支給という話も出てこなかった時代でした。


しかし、一方で年齢と勤続年数で役職が決まってしまうことにより、仕事が出来る若手より仕事をしないおじさんの方が役職が上で高年収になることもあったというデメリットがありました。

景気が良かったころは特に問題になりませんでしたが、景気が悪くなると年功序列では年齢が高くなるほど人件費のコストが掛かるため、経営が成り立たなくなり、年功序列を廃止する企業も多くなりました。

少子化が深刻化し、若手が少なくなり、ベテランや年配の社員の割合が増えたのも原因でしょう。

そうなると、企業は年功序列の廃止に加えて早期退職などで人員整理を増やし、コストが掛からない若者の割合を増やしたり、業務の下請けを行ったりするようになり、今まで会社の言う通りに動いてきたような人が育たない会社が増えてきてしまいました。

年功序列に頼ってはいけない理由

年功序列に頼ってはいけない理由

今では大手の会社でも年功序列一本で評価することを止めている会社もあります。

そのため、大手に入れば定年まで働けるという考え方はあまり持たないほうがいいです。

給料のベースアップがある企業はありますが、やはり働く社員の実力を重視するようになっています。

そのため、ベースアップがあってもそこまで昇給は多くはなく、仕事の能力が上がらないとベースアップ以外で給料が上がる要素がなく、年齢を重ねても実力が上がらなければ年功序列を導入していたころのように高給となりません。

仮に年功序列を導入している会社で働くとしても、給料と実力が見合わないのであれば人員整理の対象となりやすいです。

会社にとって年齢だけ重ねて実力のない社員や働かないおじさんは高いコストであり、それに見合った仕事をしないのであれば会社に長居させたくないのです。

コストに見合わない結果を出せない年齢の高い社員は早期退職の対象となり、早期退職の話を断っても会社に居づらくなり、結局退職せざるを得なくなることもあります。

そのための方法が追い出し部屋などの閑職であり、仕事を与えられない苦痛やたまにどうでもいい雑務が入ってくるくらいしかない苦痛を与えて社員の方から退職を申し出させるように仕向けているのです。

子会社への出向や僻地への転勤も同じようなものですね。

仕事での働きがいを奪って、自分から退職するように仕向けるという意図があります。

そうなってしまうと行くも地獄、引くも地獄。

退職してしまうと、次の転職先を見つけるのも難しい年齢。

大手企業でぬくぬくと過ごしてきた人は特にそうで、大して結果も出さずに会社に長くいるだけの人は他の企業から欲しがられることはありません。

転職市場では年齢、経験、会社でどんな結果を出して来たのかを重点的に見られます。

そのため、年齢相応の実力がないと低年収の仕事かブラック企業など、人手不足で悩んでいる会社で働くという選択肢しかなくなるのです。

仮に転職せずに独立しようとしても、何もノウハウのない人が独立できるくらい、この世界は甘くはありません。

飲食店は特に苛烈な競争となっており、何も考えずに居酒屋、ラーメン屋、カフェを開いても赤字を垂れ流し、多額の借金を抱えることになります。

農業もある程度の知識が必要で、素人が作った質の悪い農作物は安くでしか売れません。

知識もノウハウも何もない状況から事業を成功させるのはとても難しく、最初の数年は24時間265日働くくらいの覚悟がないと、絶対に成功しないと思った方がいいです。


今まで年功序列の会社で働いて将来が見えていたのに、早期退職や閑職に追いやられることなどで急に将来が見えなくなり、その日暮らすのに精一杯になる。

こうなりたくなければ、最初から年功序列に頼ることなく、自分で勉強するなりして実力を磨いておくしかありません。

ビジネス本、自己啓発本などを読み、仕事のし方や仕事に対する意識もしっかりしておいた方がいいでしょう。

自分の実力を磨くことを怠ると、後でツケが回ってきます。

特に20代と30代で自分を実力を磨くのを怠ると相当ここから挽回するのは難しいです。

例えるなら野球で9回裏に10-0で負けている時にここから逆転して勝つくらい難しいです。

特に大手企業の看板を背負って働いてきた人は、自分が仕事が出来る偉い人と勘違いしやすく、他の人が頭を下げていたのは大手企業という看板を背負っていたからだけで、看板を背負わなくなると誰からも頭を下げてもらえなくなることは良くあることです。

それはその人の人柄に問題があることが多く、やけに横柄で自信過剰な人だったり、役職があることで驕っていたりします。

しかし、そういう人は大手企業を一歩外に出るとただの人に成り下がります。

しかも大手企業での経験しかないため、中小企業で働くノウハウもなく、大手企業でお荷物と判断された事実がある以上、このような人を採用したいという企業はほとんどないはずです。

仮に自分が人事担当だったとしても、このような人は採用したくありません。

また、面接まで進めるかどうかも怪しく、面接する価値もないと判断したら書類選考で切るかもしれません。

採用しても会社にどれくらい貢献してくれるか、たかが知れているからです。


今後は年功序列で採用している会社はもっと減っていくことになると自分は予想しています。

年功序列を導入するほど会社側に余裕がなくなっているからです。

給料を払うのであればしっかりと働いてくれて結果を出して会社の売上に貢献してくれる人の方がいい。

給料だけをもらって怠慢な仕事をしたり、まともに仕事をしない人はいらない。

そんなことを思う会社は今は多いはずです。

今は雇う側もこんな感じではありますが、雇われる側も転職は当たり前。

会社と自分の価値観にずれが生じたら、自分の実力に見合わない待遇に不満があったら、転職してしまいます。

だから求職する側も、採用する会社の側もお互いに本当の実力が求められる。

今でさえこんな感じなので、年齢より実力が評価されることは、今後はもっと当たり前になるでしょう。

年功序列は絶滅する可能性さえあると思っています。

会社で働いていくうちに準備しておくこと

会社で働いているうちに準備しておいて欲しいことがあります。

まず1つ目は一般的に通用するスキルやキャリアを形成しておくことです。

今後は大手企業に入っても安泰であるとは言えません。

スタートアップ企業が急成長し、ポジションを奪われる可能性だってあります。

仕事によってはその職場でしか通用しない知識やノウハウがあったりします。

これを学ぶことも大切ですが、これだけだと職を失ったときに他社で通用するスキルに乏しく、再就職時に不利になります。

そのため、自分が働いている業界で一般的に通用する知識を一通り身に付け、ある程度アウトプットが出来るようにしておきましょう。

これだけでも転職時や再就職時の印象はだいぶ違います。

「経験が浅いけど知識もノウハウもあるので、結果を出してくれるかもしれない。勉強熱心な人みたいだし採用してみるか」

と思う会社に出会いやすくなります。


2つ目は自分のやりたいことに関する知識やスキルをお金にできるレベルまで高めておくことです。

今は副業OKの会社も多く、仕事とプライベートの時間が両立できる会社であれば土日祝日や有休を取得した日に副業に励むことが出来ます。

そして、ある程度副業で収入が得られる状態にしておくと、仕事を失ったとき、定年後の仕事として、収入を得ながら生活することが出来ます。

土日を何もせずにゴロゴロしたい気持ちは分かります。

平日に仕事をして疲れていますからね。

でも、こんな時こそ踏ん張りどころなのです。

自分の好きなことならストレスもたまらないし、疲労も少ない。

だから、自分の好きなことのスキルやノウハウを蓄積する時間、スキルをアウトプットしてお金に換える時間、これらに充てることだって十分にできるのです。

そして、副業の収入≧仕事の収入になれば、会社を退職しても怖くはなくなります(会社に残る場合も副業の収入を貯蓄と資産運用に全て回してお金持ちへの一歩を歩むことだって出来ます)。

しかし、何もせずに土日をゴロゴロと過ごすだけでは成果主義が中心となる今後の社会で年収を増やしていくことは難しいです。


会社は昔とは違い、入社してくる人は誰でもいいとは思っていません(中には人手不足過ぎて誰でもいいと言わざるを得ない業界もありそうですが)。

新入社員であればしっかりと成長してくれてなるべく早く会社に貢献して、そのまま会社に居続けてくれる人。

中途社員であれば、ある程度しっかりとした実力があり、社風を理解しながらも自分から動いてくれる社員を欲しがっています。

求人票に「セルフスタートな人」と書いてある会社は間違いなく自分から行動してくれる人を望んでいます。

ただ働くだけで何もしないとキャリアは形成されません。

一人一人丁寧に教育してくれるほど会社は社員に対してコストをかけられなくなりました。

だから、自ら行動し、自らキャリアとスキルを形成していくことが大切なのです。

賃金の格差が出てきているのは自ら行動する人とそうではない人の差であるのではないかと個人的に思っています。

良い賃金をもらいたいのであればそれ相応の努力が必要です。

決して仕事をすることだけに満足せず、プライベートな時間を使い、勉強やスキルアップの努力を惜しまないようにして、賃金を多くもらえる努力をすることが大切だと心がけておいた方がいいでしょう。

今回のお話は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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