牛後と鶏口、仕事をする立場としてはどちらの立場がよいのか?

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牛後と鶏口、仕事をする立場としてはどちらの立場がよいのか?

鶏口牛後(けいこうぎゅうご)という言葉があります。

鶏口は鶏の口、牛後は牛のお尻(牛のケツ)を表しています。

この言葉は史記に記された言葉であり、「鶏口となるも牛後となるなかれ」、すなわち小さな動物の重要なポジションにはなっていいが、大きな動物のどうでもいいポジションにはなってはいけないことを示しています。

鶏のような小さな動物が小さな組織、牛のような大きな動物が大きな組織として解釈するのが良く、小さな組織の長(つまり小さな会社の社長や重役)にはなっていいが、大きな会社の平社員にはなってはいけないというのが現代風の解釈になるかと思いますので、この論点で話していくことにします。

小さな会社の重役は会社を動かすための様々な体験ができる

小さな会社というのは、人が少なくチームワークで与えられた仕事をこなすよりも、自分で判断して動くことが求められます。

どうすれば会社を盛り上げていけるか、どのような方針で会社を動かしていけば、大手企業とまともに張り合わずに自分の会社だけの持ち場でビジネスが出来るか?

これを考えていくのが小さな会社の重役の仕事です。

決して大手の下請けばかりをやってお金稼ぎをすることを考えることが仕事になるわけではありません。


大手の下請けの仕事は牛の尻どころか牛の尻尾の先の毛です。

いつでも切られるリスクがありますし、立場が弱い状態で常に大手企業に頭を下げなければいけない仕事なんて面白いはずもありません。

確かに確実に収入が得られる仕事ではありますが、何も独自性はなく、他にも競争相手が多く、競合に負けたらそこで終わりです。

なので、小さな企業で大手の下請けの仕事を収入のメインの柱にするのは言語道断であります。


大きな企業には大きな企業の立場があり、小さな企業には小さな企業の立場がある。

それに小さな企業は社員数が少ないので小回りが利きやすい

うまくいかないと思ったらすぐに方針転換が出来るのが強みになります。

小さな企業で経営者や重役として働くと、一定レベルの経営のセンスが身に付きますし、何よりも政治家や親会社とのドロドロな会社の付き合いもない(これは大手の下請けをやらないことが前提となりますが)。

それに、何よりも自分の力が試され、荒波にもまれることで自分の実力がしっかりと身についていく

給料のためではなく自分を精進するための仕事が出来る。

それが小さな会社の重役や重要なポジションで働くことの大きなメリットとなります。


しかし、個人で起業せず、既存の小さな会社で働くということはブラック企業で働くことになる可能性も高いということを理解しておく必要もあります。

社長が法律を知らない、守らない。

社員を大切にせず、自分の気に入らない人をパワハラや間接的ないじめで追い出してしまう(たとえいくら優秀な人であったとしてもです)。

これは小さな会社で働いた時によくあることでもあり、実際に零細企業で働いてきたときに何度も見てきました。

小さな会社の経営者や重役以外の立場で働くことは人間関係が重要であり、田舎のようなコミュニティが確立されていることもあります。

当然、このコミュニティに合わない人間は村八分にされることもあるわけです。

社長がワンマンであり、その取り巻きはすべてイエスマン。

だからこそ、小さな会社のワンマン社長の下で働く場合は自分も社長に異論があってもきちんと言うことが出来ずに、イエスマンとして動かないといけない。

なので、小さな会社の平社員で働くことは大きな会社の平社員で働くことよりもリスクが高くなることはしっかりと抑えておかなければなりません。

鶏後は牛後よりも悲惨な立場であると言えるでしょう。


だからこそ、小さな会社で働く場合は鶏口、つまり「長」として働いた方が働いた方が良く、自分で経営戦略を考え、自分の会社の舵取りをしていく。

その方が、上の人間に気を使うというしがらみを受けずに済みます。

小さな会社の長となるのは難しいのではないかと思う方もいるかもしませんが、鶏の口となるのは会社勤めに限ったことではありません。

自分が独立して代表となるか、副業として個人事業主となって事業をやれば鶏の口になれます


このブログでおすすめしているのは副業をして鶏口になることで、自分がやりたいことをやることが出来るだけではなく、ビジネススキル全般が身に付くので、本業がうまくいかなくなった時に転職する羽目になっても、自分で仕事をやってきたという経験を評価してくれる企業を見つけやすく(スタートアップや独立系に好まれます)、転職時にそこまで困らなくなります。

大きな会社の平社員は出世競争に負けると悲惨である

では、牛後、つまり大きな会社の平社員はどうでしょうか?

大きな会社で働くことは世間体で見ればいいことです。

給料も中小企業よりも多く、何よりも安定しているイメージがある(現実にはそんなことがない大手企業もたくさんありますが)。

「俺はあの会社で働いている」と言えるし、「へぇー、すごーい!」と周りから言ってもらうこともできます。


しかし、大きな会社で働くことは問題があります。

それは会社の看板を背負っている自分が、自分の本当の実力であると勘違いしてしまうことです。

大きな会社で働いているというのがプライドとなり、小さな会社で働く人を見下したり、横柄な態度を取ってしまう。

大きな会社で働いていても、役職もない平社員であれば、それはただの平社員です。

それ以上でもそれ以下でもありません。

大きな企業で何となく働くという手段を取ってしまうと、末端で重要な仕事を任せてもらえず、上から指示されたことだけをやればいいだけになる。

そこから昇進するとしても、人が多いので競争はかなり厳しく、時には上司のご機嫌取りや根回しが必要であり、会社の改善を提案したくても直接社長と話すことなんてとてもできないわけです。

どうしても上司→その上司→役員→社長という、伝言ゲームになってしまう。


また、大きな会社の平社員で働くことはただの会社の歯車として働くことになる

大きな企業は小さな企業よりは組織がしっかりしているので最低限の立場は守られますが、それでも年功序列で定年まで働くことが守られる時代ではありませんし、リストラもある。

自分の身を守ることを考えずに20代~40代を過ごしてしまうと、それはもう悲惨なことになってしまいます。

なので、大きな会社で働く場合は万年平社員を目指すのではなく、ある程度の昇進(つまり課長や部長)を考えて働くようにしないと牛後となってしまい、いつでも使い捨てられる可能性が出てきてしまいます。

だから牛後として働くことはお勧めできません。

鶏口の立場は絶対に経験しておくべき

小さな会社の重役や長となる。

これは、これからの時代の人は必ず経験しておいた方がいいでしょう。

小さな会社の平社員は最悪で、大きな会社以上に人権が得られません

社長が法律を守らないことが多々ありますし(そうしないと儲からないから)、パワハラ、モラハラ(これは2022年から中小企業も対象に法律が整備されましたが、無視している会社もあり)もある。

もし、パワハラやモラハラを受けることになってもパワハラやモラハラを対策してくれる相談口がないため逃げ場がない。

こうなってしまっては最悪です。

つまり鶏後は絶対になってはいけない立場であり、下手をすると心を壊しかねません。

それよりも、ある程度の会社である程度のポジションを確立しながら、副業で鶏口の立場を経験してみる

これが今の時代では一番良いのではないかと思います。


大きな企業に入ってプライドは一人前、会社員としてのスキルは半人前という立場で働き続けると後で不幸になります。

大きな会社と小さな会社ではルールが違うので、転職しても自分を変えない限りうまく仕事が出来ません。

牛後で満足すると後の人生で悔いが残ることになりますので、大きな会社で働く場合も決して慢心せず、目の前の仕事にしっかり向き合い、自分から進んで行動し、ある程度のポジションを確立してください。

優秀な人は中小企業にたくさんいます。

その人達と対等以上に渡り合えなければ、リストラや何かの拍子で退職しなければならなくなった時に、大手という看板を外された自分の立場を思い知らされ、苦労します。

何年も、何十年も働いて何のスキルもない、そんな30代以降の人を雇うくらいであれば新入社員や第二新卒を雇った方が会社の立場としては得をしますから。

だから、大きな会社で働く場合も、小さな会社で働く場合も、何となくで働くという意識は持たないようにしてください。

ある程度会社でのポジションを確立したうえで、なるべく若いうちに鶏口として副業で事業主となること。

事業主になった立場をしっかり活用して、なるべく早いうちに鶏口の立場として働いた時に得られる経営戦略、マーケティングなど、トップでしか経験できないことを経験して、後の人生を豊かにする行動をすること。

若さは重要です。

なるべく若いうちに、なるべく早いうちに鶏口の立場を経験してその後の人生で何が起きても困らないように、しっかり行動をしましょう。

今回のお話は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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