配当性向という用語が株の投資の用語に存在します。
おそらく配当に関係する言葉ではないかということは分かりますが、後半の2文字の性向とは何かが分からないという人もいると思います。
今回は配当性向について説明し、どれくらいを目安にしたらいいかもお話しします。
配当性向とは何か?
まず、配当性向とはどんな言葉なのでしょうか?
どんな時に使われる言葉なのでしょうか?
配当性向とは株式会社が出した利益を株主に対してどれくらい配当で還元しているかを見る指標です。
利益に対して配当を多く出していれば配当性向は高くなりますし、逆に利益に対して配当が少ないと配当性向が低くなります。
計算式は
1株当たりの配当額÷1株当たりの当期純利益
となります。
配当性向は個別株を買う時の選定の基準として用いられる指標であり、インデックス運用の投資信託やETFを買う時はまず縁のない言葉です。
まずは配当性向が個別株を買う時に使う時に用いられるということを理解していただければと思います。
配当性向は高ければいいというわけではない
「配当性向が株主に配当でどれくらい還元してくれるかという指標なら、配当性向の高い株を買えば株主に利益を多く還元しているからいいんじゃね?」
と思う人もいるでしょう。
しかし、ちょっと待って欲しいのです。
配当性向が高いからと言って必ずしもいい企業であるとは限りません。
株主に多く還元しているということは自社に対して利益を投資していないという見方も出来ます。
配当を多く出しすぎると会社の成長があまり見込めず、株価がなかなか上がらないことが懸念されます。
特に配当性向が100%を超えていると、会社の利益以上の金額を株主に還元しているわけです。
こんな会社は滅多にないと思いますが、利益が出ても最終損益が赤字となるので好ましくはありません。
配当性向の高い会社は、株価が下がらないように配当を多く出して何とか株価を維持しようとしている会社もあるので、配当性向だけではなく他のデータも見ながら投資するかの判断を行ってほしいと思います。
配当性向が低いから悪い会社というわけでもない
「配当性向が低い企業は株主に利益を還元しないケチな企業ではないか?」
そう思う人もいるかもしれませんが、必ずしもそうとは言い切れません。
なぜなら株主に配当金を出すことより自社に利益を投資し、成長させていくことを重視している企業があるからです。
株価のチャートが右肩上がりで配当金が少なかったりなかったりする企業はこのタイプの可能性が高いです。
自社に対して投資するので、配当としてもらえるお金を企業側が自動で再投資してくれる。
この事により、配当金を受け取る税金があまりかからず、株価も上がり、逆にパフォーマンスがいいということもあり得るのです。
配当性向はどれくらいを目安にするといいのか?
配当性向についてですが、「じゃあどれくらいの企業に投資すればいいか?」という疑問が湧いてきます。
個人的には配当性向が50%を超えている企業は辞めておいた方がいいと考えています。
成熟企業でも30%くらいなので、50%を超えていると株主に対して明らかに配当を出し過ぎています。
高配当株は配当性向が高い傾向にありますが、50%を超えていると不安になります。
配当性向が20%以下の企業はチャートを見てどんな成長をしてきたのかをチェックしましょう。
個人的に配当性向が低すぎることだけでは投資可否の判断にならないと思っています。
配当性向が低い会社は前節でお話しした通り、自社への投資を優先している可能性があるため、チャートで株価の上昇がきちんと起きているか、売り上げ、社員数などが順調に上がっているか、このあたりをしっかりチェックして投資判断を行うといいでしょう。
会社四季報で必要な情報を入手して判断することも手段の一つです。
まとめ
配当性向は企業が株主にどれくらい利益を配当として還元しているのかを示す指標となります。
配当性向が高すぎる場合に注意が必要なのはそれだけで判断材料になりますが、それ以外の場合は配当性向だけを見て投資判断をすることは避けた方がいいでしょう。
株価のチャート、自己資本比率、資金の流動性、企業のIR情報など、見るべきところはたくさんあります。
得られる情報をしっかり見て慎重な判断を行ったうえで個別株の投資は行いましょう。
好き嫌いで選ぶのはギャンブルであり、応援したいからその株を買うというのも資産運用の方法としてはNGになるかと思います。
今回の記事で覚えて欲しいことは
配当性向が一株当たりの配当を一株当たりの当期純利益で除算したものであること 配当性向が高すぎる企業に投資するのは良くないこと 配当性向が高くないのであれば、企業の経営の健全性を見るためチャートや業績、資産の動き、業績など他の情報を参考にすること
の3点です。
個別株はインデックス運用のつみたて投資よりも収集する情報が多く、難しいと思います。
リスクも大きいですが、分散投資の基本を守りながら投資をすると火傷する確率も低くなるので、1つの企業の株を買うのではなく、複数の企業の株をセクタに分散して投資するという原則を忘れずに個別株を購入するようにしてほしいと思います。
また、単元未満株から始めてどんなものかに慣れておくと尚よいでしょう。
今回のお話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。