がっかりした、失望したは相手のモチベーションを下げるネガティブな言葉

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「がっかりだ」、「失望した」は相手のモチベーションを下げるネガティブな言葉

「がっかりした」、「失望した」

これらの言葉は期待していたにもかかわらず、その期待を裏切られたと思う時に出てくる言葉です。

ですが、この言葉は相手にとって強すぎる言葉になってしまいます。

そして、上から目線の言葉でもあります。

こちらが一生懸命仕事をした結果を相手に見せたにもかかわらず、「お前にはがっかりしたよ」、「お前には失望したよ」と言われたらどうでしょうか?

立ち直れなくなる人もいるでしょうし、相手を信用しなくなって距離を置きたくなる人もいるかもしれません。

「がっかりした」、「失望した」は相手の期待が大きいから出てくる言葉

「がっかりした」、「失望した」は、相手に対する期待が大きく、期待した成果を出してもらえなかったときに出てくる言葉です。

もし相手が裏切ったり怠慢だったりして、その結果として成果が出なかった場合は良いと思うのですが、相手が一生懸命やってくれていて、それでも期待した成果が出なかった場合は「がっかりした」、「失望した」という言葉は、相手の頑張りを根本から否定する、あまりにも強すぎる言葉です。

一生懸命頑張ったのに「がっかりした」、「失望した」と言われると相手は相当落ち込みます。

もし自分が必死に仕事をしていて、その結果を上司に見せて「がっかりした」、「失望した」と言われたらおそらくしばらく立ち直れません。

また、下手をすると相手に「もうあなたのことが信用できない」という気持ちが芽生え、人間関係がこじれる可能性があります。


「がっかりした」、「失望した」という言葉は原則として使うべきではなく、明らかに相手が怠慢である場合に使う程度にとどめておいた方がいいでしょう。

一生懸命仕事をした人に対して「がっかりした」、「失望した」と吐き捨てるのはとても失礼なことですし、相手のいい意味でのプライドをへし折る、とても危険な言葉であるからです。

一度の失敗でいきなり「がっかりした」、「失望した」と言うのは避けること

一度の失敗でいきなり「がっかりした」、「失望した」と言うのは避けること

相手に対して期待しても、相手がその期待に添わない結果を出したのが一度目であれば「がっかりした」、「失望した」という言葉を使ってはいけません。

なぜなら相手にも何か事情があるかもしれないからです。

人は誰でも失敗します。

人によってはどんなに注意していても大きな失敗をしてしまうこともあります。

故意による失敗ではなく、注意を払ったうえでの失敗であれば「がっかりした」、「失望した」という言葉で相手を見放すのではなく、一度目の失敗であればなぜ失敗したのかを聞き出し、話し合って解決をするべきことです。

故意ではない失敗をして最もショックを受けているのは失敗をしてしまった張本人なのです。

失敗で上司に迷惑をかけたこと、周りの人を巻き込んでしまったこと、これらに対して申し訳ないという気持ちが湧いて落ち込んでしまうことも珍しくないのです。

こんな状態で「がっかりした」、「失望した」などと言われると、何もフォローが無ければ立ち直れなくなる可能性があります。

なので、一度目の失敗の時はいきなり厳しい言葉を投げかけるのではなく、相手にヒアリングを行い改善策を一緒に考えていくこと。

相手にのみ改善策を考えてもらうのも良いですが、その場合は改善策に対して頭から否定せず、お互いが寄り添いながら改善策を修正していき、それを実行していくようにすると良いでしょう。

もしここで「がっかりした」、「失望した」という言葉を使うと、相手の事情を一切考えないで、成果だけで相手を否定してしまうことになります。

相手から「あいつは自分のことしか考えていない。こちらの事情を全く理解してくれない」と思われ、あなたの信用にも関わりますので、一度目の失敗の時は絶対にこの言葉を使ってはいけません

相手が突然怠慢になったり、裏切ったりして何度も期待に添わないような結果が続いた場合はこの限りではありませんが、それでも「がっかりした」、「失望した」という言葉は使わず、相手に感情的にならず、なるべく冷静に話し合うようにしましょう。

結果が全てではない。過程を評価しよう。

あなたが相手に対して期待して、相手があなたに対して期待に沿えなかったとしても、結果だけを見て判断するべきではありません

結果だけを見て判断してしまうから「がっかり」して「失望」してしまうのです。

相手がどういう気持ちでどういう過程で成果を出したのか、ここを見ることは大変重要です。

相手があなたのことを考えて動いてくれた、でも十分な成果とならなかった。

こういう場合も多々あるのです。

だから、過程をしっかり見て相手の成果を評価する必要がある。

過程を見ないで結果しか見ない人は、相手の現在しか見ておらず、将来のことをまず見ていないです。

結果が全てという人は、晩成タイプの大物の成長機会を奪ってしまう場合もあり、過程も見る人に比べると雑なマネジメントをしていると言わざるを得ません。


結果だけを見て「がっかりした」、「失望した」と言うことは、あなたにとって損です。

今は100の成果を出して将来も100の結果を出し続ける人、今は50の成果で将来は300の成果を出してくれる人、一見前者がよさそうですが、大きくメリットを受けられるのは後者の人を大切にすることです。

後者の現在だけを見て、「がっかりした」、「失望した」と言って否定するのは、将来の300の成果を得る機会を失ってしまうことになります。


「がっかりした」、「失望した」という言葉は、目上から下の立場の人に対しての言葉であっても相手に対して失礼だと思います。

自分の思うとおりに完全に動いてくれる人はいません。

「がっかりした」、「失望した」という言葉は、結果だけを見て相手を決め付け、否定する言葉であり、個人的には嫌いな言葉です。

個人的にこの言葉を使う人とは正直一緒に仕事をしたくないと思っており、この言葉を使う代わりにきちんと相手の事情を確認し話し合う人と一緒に仕事をしたいと思います。

「がっかりした」、「失望した」という言葉は相手に対して吐き捨てる一方的なコミュニケーションです。

この言葉を吐き捨てられた側としては不快な気持ちしかしません。

まじめに働いている人に対して「がっかりした」、「失望した」という言葉をぶつけてそれでも這い上がってくることを期待することが出来たのは平成中期までです。

それ以降は「この人は信用できないな」と判断し、退職される原因にもなってしまうので言葉選びの際には決して「がっかりした」、「失望した」を選んではいけません。

相手に期待したい気持ちもわかりますが、「がっかりした」、「失望した」という強い言葉を投げかけて闘争心を沸き立たせて精神論で戦わせる時代は終わったのです。

相手が期待通り動かなかった場合は、どうすれば期待通り動いてくれるかを考えなければなりません。

相手に期待するだけでは何も成長しないので、期待する側も相手に対してサポートするという行動が必要です。

「がっかりした」、「失望した」という言葉を使う前に相手にしっかりと寄り添い、コミュニケーションを取ることが重要です。

これが令和の時代に求められるマネジメントなのです。

今回のお話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

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