投資の用語の一つとしてコモディティと言う言葉があります。
コモディティは一般的に商品と言う意味を持ち、原油やガソリン、貴金属、穀物などが該当します。
特に有名なのは金などの貴金属ですね。
有事の金と言われることもあり、特に耳にする機会が多いのではないでしょうか?
そんなコモディティですが、投資のメインとするべきではないものの、きちんと理解して資産の一部として保有する場合は問題ない投資商品であります。
ビットコインや先物取引と言ったものもコモディティに含まれますが、これらは絶対に投資してはいけません。
目次
コモディティは配当を生まない
コモディティへの投資は配当を生みません。
例えば金に100g投資をしたとして、その金がある拍子に101gに増えるということはありません。
価格が上がったか、下がったか、それだけが投資の勝負の決め手となります。
配当を生まないということは、投資する意味がないのではないかと思う方もいるかもしれませんが、安く買って高く売る、長期保有は考えない、などのことを意識すれば、ギャンブル性の高い投資ではなくなります。
しかし、この見極めがかなり難しいので投資初心者にはお勧めしていません。
有事の金と言われるように、何かが起こった時に高騰し、平時になると価値が下がるというものであればまだ分かりやすくていいのですが、「では有事はいつ起こるのか?」、「有事が収まって価格が安定するのはいつか?」・・・このタイミングは誰にも読めません。
なので、買っても必ず儲かるものではなく、売り時を逃してしまうと損してしまいます。
また、金などは毎年手数料がかかることがあります。
金の価格は一応インフレを考えた金額にはなりますが、年利〇%で成長するということが起こるわけではないので、個人的に金を含むコモディティに100%投資するのはお勧めしていません。
コモディティにはビットコインなどの暗号資産も含まれるが、買ってはいけない。
ビットコインなどの暗号資産も広義にはコモディティに含まれます。
しかし、ビットコインは別の記事でお話ししている通り、投資先としてお勧めしていません。
理由は価格の上下が激しいということと、利益分が雑所得で最大約55%の税金(所得税45%+住民税10%+α)がかかるということです。
株式配当などの税率20%ちょっとと比べるとかなり負担が大きいですね。
税金面での法整備が出来ていないというのも暗号資産をお勧めしない理由ではありますが、暗号資産は投機性も高く、初心者が購入してしまうと価格の乱高下に混乱してしまい、特に大きな下落が起きた時に売って損してしまうことがあります。
ビットコインなどの暗号資産は右肩上がりで値上がりするものではないので、高騰する時と下落する時があり、うかつに手を出すと高値掴みをしてしまい、そこから価格が下落して大きな含み損を抱えてしまい、怖くなって損切りをしてしまい、大損して終わる。
これがビットコインなどの暗号資産の負けパターンです。
2024年の5月時点でかなりの高値になっていますがその後下落しているため、うかつに手を出さない方がいいでしょう。
今大儲けをしている人は2018年以前にビットコインを購入して保有し続けた人たちです。
こういう人は億り人になっている可能性がありますが、同じことが自分にも起こるとは決して思わないこと。
ギャンブル性の高いものに投資をする人はなぜか「自分は大丈夫」と言う謎の自信をもって投資をする人が多いです。
そして大丈夫ではない結果を現実として突き付けられ、損して終わることがほとんどなのです。
なので、ギャンブル性の高いものに投資をするのではなく、着実に価値を生み出していくものに投資をするようにしましょう。
コモディティに含まれるものの中で暗号資産は最も危険であり、暗号資産>先物取引>金銀などの貴金属の順にリスクが高いです(暗号資産と先物取引は投機の要素が高いという点では僅差になりますが)。
先物取引も次の節でお話しする通り、ギャンブル性が高くお勧めできません。
初心者が手を出すと大損してしまいがちなので、暗号資産は絶対に手を出してはいけません。
先物取引も手を出してはいけない
個人的にコモディティの中でも先物取引も危険だと考えています。
先物取引とは将来の決められた日の売り買いに対して、あらかじめ現時点での約束をすることです。
自分は怖くてやっていないので、自分がやっていないことを皆さんにお勧めすることはありません。
先物取引は原油や穀物などがありますが、現時点で取引しても売り買いを行う当日までに価格が上下するので、大きく値を下げた時に損を出してしまうことになります。
将来の価格なんか分からないので、投資というよりは投機になりやすく、自分が思っている通りに利益を上げて利益確定をすることはかなり難しいです。
市場の先を見るスキルが問われるので、どうしてもベテラン投資家のカモにされてしまう傾向があります。
そのため、先物取引は初心者は絶対に手を出してはいけないものとして認識しておくべきです。
どうしてもコモディティを持ちたいのであれば、通常の取引で購入・売却を行うようにすること。
そして深追いはやめることです。
先物取引はとにかく先が見えないので、将来どうなるかが分からない不確定要素に投資するためギャンブルに近く、リスクが高いです。
なので、先物取引に手を出すことはナンセンスとしか言いようがありません。
コモディティは総資産の5~10%程度に抑えておく
コモディティに資産を全てつぎ込むと、不安で夜に眠れなくなること間違いなしです。
そのため、コモディティへの投資は総資産の5~10%くらいにしておき、残りは現金と株、債券への投資にした方が良いでしょう。
コモディティは配当を生まないので、株、債券(またはその投資信託やETF)に投資した方が、利益から配当が出るため投資のモチベーションが高くなります。
ただ、コモディティは何かが起きた時のリスクヘッジになる時もあるため、仮想通貨や先物取引でなければ買ってはいけないというほどではありません。
それに、コモディティに投資できるETF(例えば金に投資するGLD)もあるので、ETFに投資をすることで現物取引の時にかかる手数料を大きく減らすことが出来ます。
現物は保管料や現物を受け取る時の手数料、加工の手数料など色々と手数料がかかるので、結構手数料が重みになってしまうのです。
コモディティに投資できるETFは現物を受け取れないことが欠点ではありますが、その分手数料がかからないので、希少価値が上がっていくであろうもの(貴金属など)に関しては保有しておく旨味もあります。
なので、コモディティもETFで保有することは個人的に推奨しています。
ただし、割合は増やしすぎないこと。
株などのように成長しないし配当も生まない、希少価値が高まれば値上がりするという、株とは全く異なる性格を持つため、インデックス運用の株式ファンドを保有した方が、期待リターンが大きいため効率がいいです。
コモディティとうまく付き合うには絶対に買ってはいけない投資商品があることを理解し、コモディティと呼ばれる投資商品すべてが危険であるというわけではないことも知っておくとよいでしょう。
そのうえで、自分の投資状況に応じてコモディティを資産の一部としてETFで保有しておくことは特に大きな問題はないかと思います。
配当を生まないという点に注意しながら、買ってよいものを買い足していく。
それくらいの距離感であればコモディティの投資と付き合っていけることが出来ますし、うまく資産運用に利用できることでしょう。
今回のお話は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。