当たり前は当たり前ではない

広告 言葉の話

他人に何かをしてもらうことは他人に気遣いをしてもらっているということであり、当たり前と受け取ってはいけない。

他人に何かをしてもらって当たり前という人がいます。

しかし、何かをしてもらうというのはその人の親切心や気遣いから来るものであり、決して当たり前ではありません。

人の親切心や気遣いを当たり前と思っていると、まともな人はあなたから離れていきます。

ありがたいの対義語は?

「ありがたい」という言葉があります。

この言葉は、物や人の行動に感謝を示す時に使うものです。

お礼を言う時の「ありがとう」もこの言葉とほぼ同じ意味を持ちます。


では、「ありがたい」の反対の言葉は何でしょうか?

それは「当たり前」です。

「当たり前」という言葉は他人の行動に対して感謝などがまったくなく、そのモノがあって当然、人から何かをしてもらった時も、何かをしてもらって当然という、冷たい言葉です。


当たり前というのは常識として当たり前という意味もありますが、この内容については以下の記事にまとめています。

この記事で取り扱う当たり前とは、他人のサービスや気遣いなどについての当たり前という考えを持ってはいけないということです。

この当たり前という考えは場合によってはかなり損をしてしまうことにもなります。

当たり前は当たり前ではない

あなたはお金を支払ってモノやサービスを買う場合どう思うでしょうか?

多くの人は、お金を払ったのだからモノを受け取ったり、サービスを受けるのは当たり前と思っているのではないでしょうか?


しかし、その当たり前と思っていることには実に多くの人の手が掛かっています。

自分たちにサービスを提供してくれる人、そのサービスの仕組みを作る人サービスを作るために動く技術者など、多くの人の動きによってモノやサービスを受けるというシステムは出来ているのです。

自分ではこれくらい当然と思っていることでも、実際には多くの人の手によって支えられているということはかなり重要なことであり、自分が当たり前と思っていることは、実はかなりの多くの人の手によって出来ている場合も珍しくはないのです。

こういった意味で、当たり前は当たり前ではないのです。

便利なものを作った人は、世の中を便利にしたいという思いで血のにじむような努力をして便利なものを生み出してきました。

しかし、使う人は最初は便利だと思うのですが、だんだん使っていくうちに慣れてしまい、それがあるのが当たり前になってしまいます。

ここでふと立ち止まってほしいのです。

今、目の前に当たり前にあるものは、本当に当たり前と思って良いのだろうか?

この視点で考えることが出来る人は多くありません。

だから、この視点で考えることが出来る人というのはレアキャラでもあり、かなり魅力的な人でもあるのです。


他人の親切の場合もそうです。

人が親切心で何かをしてくれた時も、その行為には勇気を振り絞って、あなたのことを考えて、その上で親切をしてくれたわけですから、当たり前ということはありません。

以前、エレベーターのボタンを開くボタンを押して出る人を待つ人に対して「親切の押し売りである」という意見を目にしましたが、その人はただエレベーターが閉まらないように気を遣って開くボタンを押しているのです。

その気遣いに対して、「親切の押し売りである」と考えるのはちょっとおかしいと思います。

その気遣い、あなたも受けているのでしょう?

お礼も何も言わずにただ黙って出て行くくせに、「親切の押し売りだ」というのは何か違うのではないでしょうか?

このエレベーターの件に限らず、親切をしてもらっても「これ位してもらって当たり前」とお礼を言わなかったり、「余計なお世話だ」と親切をした人を非難する人もいます。

これではせっかく勇気を持って親切をしてくれた人が報われませんし、親切を受けた人の品格も疑われます。

「大きなお世話だ」、「これ位してもらって当たり前」と考えることがないようにしましょう。

自分がモノやサービスを提供する立場だったらどうか?

もし、あなたがサービスを受ける立場ではなく、サービスを提供する立場だったら、「当たり前」と思う客に対してどう思うのでしょうか?

おそらくあまり快く思わないはずです。

「なんか偉そう」、「感じ悪い」という印象を抱くと思いますし、相手次第では二度と取引したくないと思うようなこともあるでしょう。

自分は仕事でSEをやっていますが、顧客が「当たり前」の考えを持っていたら、あまりひいきにしたいとは思いません。

バグなどを見つけて報告してくれるのは自分にとってありがたい、そして自分が迅速に対応して顧客の不利益を最小化したことや納期より早くサービスを納品できたことが顧客にとってありがたい。

そういうお互いが「ありがたい」と思っている関係は最高だと思います。

仕事をする側も最高の仕事をしたいと思いますし、長い付き合いをしたくなります。


逆に自分がバグや不具合などの対応を最速で行い、顧客の不利益を最小化できたのにもかかわらず、顧客がありがたいと思わずに、逆に「会社に損失が出たので再発防止策を考え、提出しろ」と言われたらどうでしょうか?

また、提示された納期よりも早く納品したのに、顧客から感謝の言葉一つ返って来なかったらどう思うでしょうか?

まぁ・・・その不具合を出した自分の方にも責任があるのですが、最速でリカバリーして被害を最小限に抑えたのにそれを当たり前と思っているどころか、ミスを責め立てる・・・。

こんな顧客と取引の関係を保っていくことには自分は耐えられません。

自分はこの顧客とはいずれ手を切りたいと思います。

そして、より自分の仕事に感謝をしてくれる会社を探し、その会社と取引の関係を結びたいと考えます。

顧客もサービスを受けることが当たり前と考えて横柄な態度を取るのではなく、自分の問題点を解決してくれた、そのことに関する感謝は忘れてはいけないと思います。

お金を払う側が立場が上という勘違いをしている人は多いのですが、お客は神様ではありません。

あくまでもお金を払う側とサービスをする側は対等である。

そう考えないといい関係を築けません。

上下関係を作る関係は立場が逆転した時に簡単に崩れ去ってしまいます

まとめ

今回は何かをしてもらう立場にとっての「当たり前は当たり前ではない」ということをお話ししました。

他人の気遣いや親切心を素直に受け取れない人、サービスや商品を提供する側の頑張りを素直に評価できない人、こういう人はいい人間関係を築くことは出来ません。


感謝の気持ちを持つことは人として大切なことです。

「当たり前」が「当たり前」になっている人には同じような人しか寄ってきません

「ありがとう」が自然と出てくる人には魅力のある人が寄ってきます

あなたが自分を変えたいのであれば「当たり前」を一つずつ「ありがたい」と思うように行動していくことを勧めます。

まずは身近な人に感謝できるようにしていき、すべての人に対して「当たり前」から「ありがたい」と思えるようになると、あなたは「心のお金持ち」になれるでしょう。

お金も同時に集まってくるようになるかもしれません。


感謝の気持ちを持てることは、自分に魅力を与えます

自然と人が寄ってくる人は他人に感謝が出来る人です。

そういう人はしっかりとした人間関係が出来ますが、「当たり前」と考えて感謝の気持ちを持てない人との人間関係はお金による関係など薄っぺらいものになっていしまいます。

そうならないためにも「当たり前と思っていることは実は当たり前ではないんだ」と考え、感謝の気持ちを素直に伝えられる人を目指してほしいと思います。

今回の話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

関連記事

次の記事

前の記事

-言葉の話
-,