みなさんは食料品の消費税がかからないことについてどう思っているでしょうか?
肯定的に解釈しているから2026年2月の衆議院選であんな結果になったと思いますが、もう少しよく考えて欲しかったと思います。
そして、今回お話しすることをよく理解してほしかったと思います。
食料品の税率が0%になると、普段食料品を買う人にとってはメリットがあるように思えますが、そんなに世の中は甘くはありません。
目次
検討を加速は「やらない」という意味

まず、政治家が何かをやることに対して「検討する」と話したとします。
でも、「検討する」だけだと、それを実際にやるという約束にはなっていないのです。
商談で相手から「導入については社内で考えてみます」と言われることがあります。
この言葉をそのまま捉えて、自社に戻って「商談相手は前向きに導入を考えているようです」と報告するのは、商談相手のことをよく観察できていない仕事が出来ない人の報告です。
そう、一般社会において「考えてみます」、「検討します」というのはお断りの常套句なのです。
政策の話に戻しましょう。
政府が何かの政策について、野党やメディアから質問があった場合、「検討します」と答えることがあります。
これを「おっ、やってくれるんだ」と思う人は意外と少なくないです。
しかし、先ほどお話しした通り「検討する」は実際にやることを約束した言葉ではありません。
あくまでも「考える」だけであり、実際にやらない可能性もあります。
また、「やらない」とはっきり答えると角が立つので、「検討する」という言葉で濁しているだけのこともあります。
実際に「検討する」と言われてきた政策でどれだけの政策が実施されてきたでしょうか?
実施されなかった政策の方が多いはずです。
つまり、「検討する」というのは「やらない」と言っているのとほぼ変わらないのです。
また、「検討を加速する」という言葉ですが、これもまた「やらない」と意味は同じと考えていいでしょう。
「検討を加速する」というのは日本語としてだいぶおかしいのですが、検討を加速してどうするのでしょうか?
検討することを加速しても、それが「やる」という結論に行きつくとは限りません。
「やらない」という結論になることだってあるのです。
「やらない」という結論になる可能性は、政府に不都合な政策ほど高い。
なので、政治家の「検討する」、「検討を加速する」という言葉は鵜呑みにして信じてはいけないのです。
食料品の消費税が0%になっても、食料品が消費税分だけ安くなるとは限らない
これは1つの罠ですが、食料品の消費税が暫定的に廃止されたとします。
「食料品の消費税率が0%になると、消費税分だけ安くなると思いますか?」と聞くと「はい」と答える人は結構いると思います。
しかし、世の中はそんなに単純ではありません。
食料品の消費税の暫定廃止に伴う便乗値上げが起こり、結局食料品を今のままの価格で買わなければいけなくなる可能性があるのです。
言い方は悪いのですが、儲けることだけを考える企業はお金に汚いのです。
また、業績が苦しく、商品の値上げの口実を探っている企業もあります。
そんな企業が食料品の消費税の廃止を黙って見過ごすとは思えません。
ほぼ確実に便乗値上げをしてくることでしょう。
結果として、消費税廃止の前と変わらない値段で食料品を買うことになり、食料品を買う側にとって何のメリットもない。
食料品の消費税が暫定廃止になったからと言って食料品を買うのにかかるお金が消費税分だけ安くなるというのは、絵空事なのです。
社会はそこまで単純ではなく、もっと複雑に動くものなのです。
食料品のみの消費税廃止は飲食店にとって増税になる

さて、食料品の消費税廃止がそのまま食料品の価格に反映されるわけではないということをお話ししてきました。
それは飲食店に食材を卸している業者にも同じことが言えます。
果たして食料品の消費税が廃止されたからと言って、消費税分を卸値から安くしてくれる卸業者がどれだけいるでしょうか?
個人的には食料品の消費税が廃止されても今までと変わらない卸値を設定する業者が多いと思います。
良心的な卸業者であれば消費税分だけ安くしてくれるところもあるでしょうが、卸業者が良心的なところだけとは限りません。
特に、「税込みの値段でこれくらいの価格」と決めて卸を行っている業者は食料品の消費税が廃止されても価格が中途半端になるので、「面倒だからそのままの値段で」と考えることも多いでしょう。
食料品の消費税が廃止されても卸業者が飲食店に食材を卸す価格が変わらないと、飲食店に大きな問題が起こります。
食料品の消費税があれば消費税分を税額控除により控除することが出来るのですが、食料品の消費税が廃止になって他の消費税はそのままとなると、税額控除が出来なくなってしまいます。
そのため、売上が同じでも飲食店が支払う税金が増えることになります。
つまり、飲食店にとっては食料品の消費税が廃止されると、減税になるどころか、増税になる可能性があるのです。
今の飲食店の中にはギリギリの収支でやっている店もあります。
そんな状況で納める税金が増えると、飲食店の倒産がこれまで以上に増えていく可能性が出てきます。
または、飲食店の食事の値段が上がり、ますます気軽に外食できなくなることになる可能性もあります。
消費税の一律減税や一律廃止であればこのような問題は起きませんが、食料品のみの減税や消費税廃止は、飲食店に負担をかけてしまうのです。
食料品のみ消費税が廃止というのは緊縮財政の考え方である
食料品のみの消費税を廃止するというのは、積極財政の考えではありません。
なぜなら飲食店をさらに締め上げる緊縮財政の考え方であるからです。
しかし、テレビでは積極財政と言うので、それに騙される人もかなりいたかと思います。
ただ、今回お話ししたメカニズムを知れば、食料品の消費税が廃止になるのは、国民にとって大きなメリットになることはありません。
むしろ食料品にかかる負担はあまり変わらず、飲食店に行こうとしても閉店していたり、値段が上がっていたりして、下手をすると余計に家計が苦しくなる可能性もあります。
食料品の消費税が廃止というのは、手放しで喜んでいいことではありません。
理想的なのは消費税の一律減税、または一律廃止です。
これであれば飲食店側も負担が減りますし、家計の負担も減ることになります。
車や住宅を購入する場合も消費税がかかりますが、この消費税の減額は結構大きいかと思います。
200万円の車を購入する時に、20万円消費税がかかっていた分が10万円になったり、消費税がかからなくなったりすると、結構お金が浮きます。
景気を良くしようと本気で考えていれば、消費税一律減税や廃止の方が効果が大きいですし、食料品のみの消費税が廃止になるよりも、全ての企業に恩恵が得られることになります。
食料品のみの消費税廃止は飲食店の負担が増える不平等な制度。
確かに消費税が廃止の対象の食料品が安くなる可能性はあります。
しかし、全ての食料品のメーカーや卸が消費税分をそのまま価格を安くしてくれるとは限りません。
便乗値上げや税込み価格の据え置きということが起こる可能性が十分にあるのです。
このことをよく考えて、食料品のみの消費税廃止が自分たちにとって良いことなのか、もう一度冷静になって考えてみることをお勧めします。
今回のお話は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。