「立つ鳥跡を濁さず」という言葉を聞いたことがあると思います。
この言葉は退職の時にも使われる言葉でもありますが、退職する会社側から「立つ鳥跡を濁さずって言うじゃん?」と言われたことが自分の退職した会社の中にありました。
しかし、この「立つ鳥跡を濁さず」というのは会社が退職する社員に言っていいものではありません。
退職する人の方がこの言葉を意識して円満退職を目指す意味で使うのです。
そのため、会社側がこの言葉を盾にしてパワハラや強要などをしてきた場合、その会社はとても残念な会社であると言えます。
場合によっては退職代行を使ってもいいでしょう。
目次
「立つ鳥跡を濁さず」は退職時にこちらが意識するべきことではあるが、周囲の協力も必要である
お世話になった会社に迷惑を掛けずに辞めたい。
そんな時に退職者が意識するのが「立つ鳥跡を濁さず」です。
そして、「立つ鳥跡を濁さず」の退職をするためには会社や周囲の人の協力が必要です。
あらかじめ必要な内容を伝えておく。
引継ぎをしっかりして業務が問題なく進むようにしておく。
こうするためには、会社側も退職者に対して協力的である必要があります。
退職者に対して喧嘩腰の会社には、こちらがいくら良心的に対応しても搾取してくるだけです。
そんな会社にくれてやる良心なんかありません。
最低限のことをやってさっさと退職しましょう。
ただ、退職者に喧嘩腰で接してくる会社はブラック企業か零細企業くらいです。
今まで付き合ってきた会社は1社を除いてすべて良心的に協力して対応してくれました。
なので、こちらが「立つ鳥跡を濁さず」の意識で退職までの期間をしっかり頑張ればほとんどの会社は何も言いません。
退職というのは意外とエネルギーを使います。
だから、自分が出来る範囲のことをやって退職すればそれでもいい。
そして、その退職方法でほとんどの会社がその後の業務が回るわけです。
一人が退職したから業務が回らなくなるのは普段からの経営者の怠慢によるもの。
だから、もし後を濁す退職になっても、それは会社が悪いのです。
こちらの責任ではありません。
日本ではリファレンスチェックをする会社が少ないですが、ブラックな会社ではない限り、しっかりとした妥当な理由での退職であればリファレンスチェックをされても問題はないはずです。
ただ、一部で退職者を過度に悪く言う会社があって、それが問題になるため、リファレンスチェックをする会社が少ないのではないかと思います。
しかし、トラブルなく退職することは職歴に傷をつけずに退職するのに必要なこと。
「立つ鳥跡を濁さず」の退職はよほどの会社ではない限りこちらも意識して動いた方がいいでしょう。
退職者に会社側が「立つ鳥跡を濁さず」と言ってくるのは残念な会社である
退職者相手に会社側が「立つ鳥跡を濁さずって言うからね」などと言ってくる会社は要注意です。
おそらくその会社は退職者に対して円満退職することに何も協力しません。
一方的に退職者に何も問題を残さず退職することを求めるだけで何もしない、残念な会社です。
先ほども申し上げたように、会社側が退職時に「立つ鳥跡を濁さず」と言うことは、退職者に良心を強要しているのと同じことです。
テイカーな会社であり、こちらがいくら良心で色々な配慮をして対応しても、文句を言うだけで会社側は何もしないのです。
実際に自分が働いてきた零細企業がそうでした。
そう、今まで経験してきた4社のうち1社だけ円満退職が出来なかった会社です。
このブログでも何度か出てきていますが、この会社は「立つ鳥跡を濁さず」を強要してきて、こちらがいくら円満退職に向けて必死に動いても文句を言うだけで会社側からのフォローは一切ありませんでした。
土日、祝日、そしてゴールデンウィーク返上で頑張って引き継ぎを行った結果、自分は動けなくなりました。
何もする気力がなくなってしまったのです。
その前兆がゴールデンウィークに出ていたので、退職代行サービスと連絡を取り、ゴールデンウィーク明けに動いてもらったのです。
それでも、退職代行を依頼した弁護士に権利ばかり主張してくる会社、呆れるばかりで言葉になりませんでした。
「お金は払わないけど引き継ぎはきちんとしろ」という内容を退職者に求める悪徳企業。
お金は手切れ金としてこちらから催促しないことにして(ここは20万円を超える大金だったので交渉しても良かったのですが)、引継ぎ資料を作って最低限会社が回るようにする形で退職しました。
その会社はホワイト企業であるかのような嘘の求人を出して人を集め、他社との協力で何とか生き残っていますが、経営者の意識が変わらない限りは先は暗いと思っています。
このように会社の方から「立つ鳥跡を濁さず」という言葉を退職者に向けて言う会社は残念な会社と言えます。
普通の会社であれば上司が動いて適切な指示をして、上司からいろいろと根回しをしてくれる。
そして、退職者が不快な思いをしなくて済むように、同じチームのメンバーも極力普段通り接してくれる。
これくらいの会社であればこちらが会社にお世話になった恩を返すために「立つ鳥跡を濁さず」の退職のために動いてもいいでしょう。
しかし、退職者に対して何もフォローしない。
「退職者は裏切りで身勝手な行為なので、お前ひとりで何とかしろ」
そんなことを言ってくる会社に対してはこちらも何かをしてやる義理はないです。
退職代行を使って退職してもいいし、もう本当に必要最低限のことだけでいい。
それ以上会社に対してしてやれることはないし、やりたくもない。
そういう会社は何年か後にはなくなっていることが多いので、まあ、余計なことはしなくていいと思いますね。
普通の会社に対しては「立つ鳥跡を濁さず」は意識した方がいい
退職を申し出ても何もハラスメントがない。
いつも通りに接してくれて、上司がフォローしてくれる。
そんな会社に対しては、きちんと「立つ鳥跡を濁さず」を意識した方がいいでしょう。
間違っても飛んだり、退職代行を使ってはいけません。
何も問題がなければ、退職代行を使わずに退職すればそれで済むわけです。
退職金が出たり、退職付きに賞与が出る会社であれば、絶対に粗相をしてはいけません。
会社側が協力的であれば、こちらも協力的に動き、お互い問題なく退職日まで過ごす。
送別会もやってくれたりして、次の会社への門出を祝ってくれるような会社もあります。
なので、会社側が協力的だったり、パワハラも何もしてこない普通の会社であれば、「立つ鳥跡を濁さず」の円満退職を目指すことは必ずやっておくべきことであり、何かわだかまりを残して退職する意味がありません。
それに、退職する時に問題を起こしまくっていると(ブラック企業の退職は除く)、それが習慣化し、面接で聞かれる退職理由についても他責なものになり、転職先でブラック企業を引きやすくなってしまいます。
だから、普通の企業やホワイト企業に転職したい場合は特に退職時に問題を起こさずに退職して、自分の都合で退職したということをきちんと面接で伝えられるようにする。
この習慣を身に付けておいた方が後々困らなくて済みます。
それに、「立つ鳥跡を濁さず」の退職をすれば、問題解決の能力も育ち、次の会社でその経験が活きるようになります。
だから、ブラック企業相手以外には、こちらも「立つ鳥跡を濁さず」を意識して動いて退職した方がいいでしょう。
今回のお話は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。