今回は退職代行を使うことが良いことなのか、悪いことなのかを考えてみることにします。
「退職代行を使って会社を辞めるなんて・・・」と考える人は決して少なくはありません。
しかし、一方で退職代行の需要は増えていて、五月の連休明けはゴールデンウィークを終えた後に働くモチベーションが落ちた人が退職代行を使うというケースが多く見受けられます。
退職代行はお金がかかりますが比較的手軽に退職が出来るサービスです。
この退職代行を使うことはどういうことなのか?
まずはここから考えて退職代行を使うことが悪いことであるかどうかを考えてみたいと思います。
退職代行を使うということはどういうことなのか?
退職代行とは、退職者に代わって退職者の意思を会社に伝え、退職に関する連絡や手続きを代行してもらうサービスです。
退職代行を使うということは、いくら円満に退職が出来たとしても、退職代行を使ったという事実が退職者に残り、退職代行を使われたという事実が会社側に残ります。
なので、けんか別れほどではありませんが、会社側と完全に縁を切るということにもなり、出戻りで元に居た会社に就職することは難しくなってしまいます。
この点は、退職代行を使うリスクとして知っておいてほしい点であり、二度と退職する会社で働くことがないと確信した場合のみ、退職代行を使った方がいいです。
そして、もう一つ知ってほしいことは、退職代行を使うことは退職する人が会社に対して出す最後の切り札であるということです。
普通に退職を申し出ても退職することが出来ない、退職を申し出たとしても退職する日まで裏切り者扱いされてパワハラを受けて心や体に限界が来た場合。
こんな時に第三者に入ってもらって退職を進める必要があるのです。
よほどブラックな企業ではない限り普通に退職できる会社が多いと思いますが、普通に退職できる会社をわざわざ退職代行を使って退職をする必要はありません。
退職したいのにのらりくらりかわされたり、脅しを受けたりしてどうしても退職をさせてくれない、このままでは自分の心や体が壊れてしまう、そんな時に使うのが退職代行です。
自分は過去に3回退職した経験がありますが、この中で退職代行を使ったのは1回しかありません。
現職以外の自分が今まで働いてきた会社はいずれもブラックな部分がある会社でしたが、退職代行を使った1社以外はきちんと最低限のルールを守って退職させてくれました。
そして退職金も少ないながらきちんと頂き、次の会社での就職の準備がきちんとできたものです。
ただ、退職代行を使った1社は退職を申し出た後に経営者の態度が急変し、パワハラをしてくるようになりました。
そして次の就職先が決まってからさらに態度がエスカレートし、過度な引き継ぎとパワハラ。
引継ぎは普通は一か月あれば十分に行えるものですが、3か月もかかる膨大な資料の要求と説明の実施。
休日返上でゴールデンウィークもなし。
「引継ぎを完了させないと次に就職する会社に連絡する」
こんな問題発言を何度も受けてきました。
力尽きて精神的にこれ以上無理だと感じた時に退職代行を使いました。
そして、無事に退職し、今の会社に予定通りに入社することが出来たのです。
こんな経験があるので、自分の中では退職代行とは退職者が会社の仕打ちに耐えられない時に使うジョーカーのカードだと思っています。
退職代行を使うことは、そこまでしないとやめられない会社という烙印を退職する会社に押すことであり、個人的にそこまで悪いというイメージがありません。
退職を考えても辞められない、退職を言い渡すとパワハラを受ける・・・そんな人たちが退職代行を使うのは正当な権利であり、これを責めるのは正直どうかと思います。
そのまま働いて会社の言いなりになり、体や心を壊すくらいであれば、お金を払ってでもいいから退職をしたい。
そういう思いがあるからこそ退職代行を使うという手段を取る必要があるのです。
ここは退職代行を使うことが悪であると決めつける人にはきちんと分かってほしいところですね。
ただ退職を会社に申し出るのが面倒だという理由で退職代行を使うことは悪手
退職代行を使う理由として、退職を会社に申し出るのが面倒だというものもあります。
しかも、そういうタイプの人は若い人を中心に結構いるそうです。
しかし、退職を申し出るというのは直属の上司に連絡する、総務や人事に連絡する、会社によってルールは違いますが、普通の会社であれば理由は聞かれるかもしれませんが、それを非難してくることはなく、面倒なことではありません。
「引継ぎに集中する時間を用意するから引継ぎをきちんとやってね」
上司から言われることは大体これくらいのことです。
また、周囲にも「〇〇さんは〇〇月いっぱいで退職するので分からないところはなるべく聞いておくように」
と言ってくれます。
そして、普通に退職を申し出た場合は、有給消化の交渉、送別会を開いてもらえる、退職金がきちんともらえるなどのことを、特に誰に依頼することなく行えます。
そして会社によっては出戻りを歓迎してくれるところもある。
こんな会社相手に「退職を申し出るのが面倒だから」と言う理由で退職代行を使う必要は全くなく、退職代行を使うのは悪手になります。
確かに退職は出来ますが、お金はかかるし、会社との縁が完全に切れてしまう。
それに、理由が完全に自分勝手な理由なので、退職代行の業者にも、会社にも迷惑をかけてしまうことになります。
会社側からすると退職代行を使われる理由が分かりませんし、退職代行の業者にも余計な仕事を増やして負担をかけてしまいます。
そもそも自分勝手な退職をすること自体があまりいいことではないので、その行動が後になって自分に返ってくるということも十分あり得ます。
そして、「退職を申し出るのが面倒だから」と言う理由で退職代行を使うと、以降の就職先でも同じことを繰り返してしまいます。
つまり、次の就職先がまともであっても、やはり退職代行を使って退職して会社に迷惑をかけてしまうということです。
これを何度も繰り返すと、業界のブラックリストに入って転職活動がうまくいかなくなる可能性もあります。
業界全体に知れ渡ると、どの会社も雇いたいと思うことがなくなります。
そもそも転職理由自体がいい加減になるので、いくら飾った転職理由を用意しても突っ込まれるときちんと答えられなくなり、同じ業界、違う業界関係なく転職することが難しくなります。
こうなると人生が詰みになるのとほとんど同じなので、「退職を申し出るのが面倒だから」、「出社するのが面倒だから」などという身勝手な理由で転職すること自体お勧めしません。
もちろん、退職代行を使うことは絶対にお勧めしません。
身勝手な理由で退職すること、退職代行を使うことは自分の首を絞めることになるからです。
退職代行を使うことは悪いことではない
給料が安い、休みが少ない、有給が取れない、長時間労働が続く、パワハラが横行している。
また、退職届を受け取らなかったり、ひどい時には退職届をその場で破り捨てられる、損害賠償を請求すると脅される。
こんな会社を辞めるために退職代行を使うことは決して悪いことではありません。
むしろそんな会社を辞めるためにあるのが退職代行です。
以下の理由で退職を拒否されるのはあなたのせいではありません。
すべて会社側の責任です。
- 退職によって業務が回らなくなるから
- 代わりの人を採用できていないから
- 退職によって会社に損失が出るから
- 退職者を出すと自分の評価が下がるから
まず、一人の退職によって業務が回らなくなるのは、会社が他に業務が出来る人を育ててこなかったということです。
これは完全に会社側の判断ミスであり、あなたがこの責任を負う必要はありません。
代わりの人を採用できていないというのも会社の責任です。
このような会社はギリギリの人員で仕事を回していることが多く、このこと自体が問題です。
きちんとした会社は人員に余裕を持たせて誰かが抜けた時もうまく業務が回るように体制を整えて仕事をさせています。
ギリギリの人員で仕事を回しているということは長時間労働や休日出勤やサービス残業を横行していることでしょう。
そんな社員を雑に扱う会社が悪いので、こちらが会社に配慮してあげることは何一つありません。
退職者が出ることで会社に損失が出ることについてですが、きちんとした会社であれば退職した人がどんな立場の人であれ、損失が出る額はたかが知れています。
何千万や億単位の損失が出ることはあり得ないことで、退職者がバックレるか何か大きな問題行動をして退職した場合ではない限り、会社側が社員に対して損害賠償を請求することは法律で認められていません。
それに一人の社員が抜けたことで仮に会社側に損失が出た場合、そのような体制を作った会社側に責任があります。
この責任を退職する人が負う必要は全くありません。
最後に退職者を出すと自分の評価が下がるという管理職がいますが、これは非常に身勝手な発言です。
普通にその管理職の人がきちんと働いていれば退職者が一人出たことで会社からの評価が下がることはありません。
ただし、退職理由が上司の言動や行動についていけなくなったと理由である場合、そしてこの理由での退職者が続出した場合は会社側がその管理職に対して評価を下げたり処分を下したりすることはあるかもしれません。
しかし、もしそうなったとしてもその管理職の人の普段の行いが悪いだけであり、こちらに非がないのであれば全く気にする必要はありません。
基本的にしっかりと体制の整った会社であり、しっかりと儲けが出ていて給料が出る会社では退職を申し出ても何も言われません。
会社に貢献していていてもそこまで貢献していなくても「今までありがとう」で終わり、きちんと送り出してくれます。
しかし、会社側に責任があるのに退職する人のせいにしてくる会社があるのも事実です。
また、退職を申し出てものらりくらりかわす会社もあります。
こういう会社には退職代行を使って第三者が間に入って対応してもらうのが最もよく、かなりのブラックな会社であっても労働組合や弁護士を相手に戦って勝てることはまずありません。
なので、退職代行はどうしても退職できない場合や、これ以上会社に居られない重大な理由、(例えば精神を病む一歩手前であること、大きなけがや病気をしてしまうことなど)がある場合は積極的に使っていくべきであり、このようなケースで退職代行を使うことは決して悪いことではありません。
会社側が特に何もしていないのに退職代行を使って辞めることは悪いことであると言えますが、パワハラやモラハラがひどい、会社に退職を申し出ても話にならない、退職の責任を全てこちらに押し付けてこようとする、こんな悪質な会社を辞めるためであれば退職代行を使うことに遠慮はいりません。
退職代行を使って退職をし、リフレッシュする期間を取りましょう。
本来であれば退職の前に次の職場を決めておくことが望ましいですが、どうしてもすぐに退職しなければいけない状況が出来てしまった場合は、退職して転職活動をすることもやむを得ないと思います。
退職後の空いた時間(有給消化期間など)を利用して転職活動を行いましょう。
退職を申し出ても会社側が適切な対応を取らない、こんな状況を続けていたらいつまでも状況は変わりません。
退職代行というカードを使い、今の状況から自分を解放してあげましょう。
会社に問題があることの責任をあなたが背負う必要はありません。
お勧めの退職代行
※この章の記事は広告を含んでいます
以下の退職代行はいずれも実績があり、信用が出来る退職代行と言えます。
運営母体が労働組合、弁護士や弁護士事務所、一般企業で弁護士監修のいずれかに当てはまるものばかりですので、それぞれどんな特徴があるのか実際にサイトを見ながら確認して、どの退職代行に依頼すればいいのか考えていただきたいと思います。
退職代行との連絡のやり取りは電話やメールで行うこともありますが、レスポンスが早いところはLINEでの連絡に対応しているところも多いです。
退職代行を使う場合はスマホでLINEのアプリを入れておくこともお勧めします。
退職代行名 | リンク | 特徴 |
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今回のお話は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。