タルムードから学ぶお金の話2 「七匹の太った牛と七匹の痩せた牛」の話は今の日本の在り方を考えさせられる話

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タルムードから学ぶお金の話2 「七匹の太った牛と七匹の痩せた牛」の話は今の日本の在り方を考えさせられる話

今回は『ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集』より、「七匹の太った牛と七匹の痩せた牛」の話を紹介します。

この話はちょうど日本のバブル時代とその後の30年に対する教訓のような話となっており、この考え方がきちんと日本に根付いていれば失われた30年など起こらなかったと考えられます。

今回も話の内容の表現を変えて紹介しますので、タルムードの教えに近い話を確認したい場合は書籍を読むことをお勧めします。

七匹の太った牛と七匹の痩せた牛の話の内容

草を食んでいる牛

ある時、エジプトのファラオが夢を見ました。

その夢の中で、七匹の太った牛がナイルのほとりから現れ、ナイルに生えている草を食べていました。

そのあと、ガリガリに痩せた七匹の牛が現れ、その太った七匹の牛を食べてしまいました。

ファラオはこの夢が気になり、国中の預言者や臣下に聞きますが、誰もわかりません。

しかし、牢屋に閉じ込められているヘブライ人が良く夢を当てるというので、そのヘブライ人に話を聞くことにしました。

ヘブライ人は、エジプトがこの先7年間豊作が続き、その後に何も作物が育たない大飢饉が7年続くことを話します。

ファラオは、そのヘブライ人を最高責任者とし、大飢饉に備える対策を考えさせました。

ヘブライ人はファラオに豊作の時の作物を食べてしまわずに可能な限り貯蔵するように進言し、ファラオはその通りにすることにしました。

ヘブライ人の話の通り、7年間の豊作が続いた後、7年間の大凶作がやってきました。

その凶作は全世界に及ぶものであり、多くの周辺諸国はその凶作による大飢饉で富のすべてを失ってしまいました。

ヘブライ人の進言をしっかり守ったファラオのエジプトは豊作の時の貯えで7年間の凶作を乗り越えることが出来たとのことです。

七匹の太った牛と七匹の痩せた牛の話はまさにバブル期の日本に対する教訓と言える

日本でも1980年代~1990年代に同じことが起きています。

それはバブルでイケイケな状態になったことです。

株価は高値を付け、お金に富んだ時代。

国民の多くがお金に恵まれ、学生を接待して自分の会社に来てもらうようにする、今では全く考えられないような就職活動も行われていました。

しかし、そのバブルは平成初期に崩壊してしまいます。

その後、失われた30年という時代がやってきました。

失われた30年とは、「七匹の太った牛と七匹の痩せた牛」の話の七匹の痩せた牛のことであり、バブル時代に「こんな時代がいつまでも続くわけがない。いざという時に蓄えておこう」、「こんな時代がいつまでも続くわけがない。いざという時のためにスキルを磨いておこう」、そう考えた会社や人はバブル崩壊後もうまく立ち回っています。

しかし、そんな備えをしなかった会社は倒産やリストラをする羽目となり、蓄えをしてこなかった人は貧しい生活をせざるを得なくなってしまいます。

もしこの頃の日本人が「七匹の太った牛と七匹の痩せた牛」の話を聞いて備えをしていれば、もしかすると失われた30年間は起こらなかったのかもしれません。

良いことの後には必ず悪いことが訪れる。でも悪いことの後に良いことが必ず訪れるものではない。

「七匹の太った牛と七匹の痩せた牛」の教訓としてもう一つ、

良いことの後には悪いことが必ず訪れる。

しかし、悪いことの後に必ず良いことが訪れるとは限らない。

という考えがあります。

順調な時はいつまでも続くわけではないので、良いことの後には悪いことは必ず起きます

そのため、良いことが起きている順境のうちに備えをしておき、悪いことが起きている逆境の時にその備えを利用して乗り越えなければなりません

この事は以下の書籍でも触れられています。

しかし、多くの人は順調な時に調子に乗ってしまい、謙虚になることが出来ず、順調な時に備えや蓄えが出来ないのです。

そして逆境が来ても「今までこのやり方が通用していたから今もこの方法でいけるはずだ」などと考えてやり方を変えずに失敗してしまいます。

これが個人レベルではなく企業レベル、国レベルで起きたのがバブル崩壊後の日本の失われた30年です。

特に最近の10年の落ち込みはひどく、物価が上がるが給料が上がらないコストプッシュ型のインフレ、隠れ値上げと言われるパッケージを小さくして値段をそのままにするシュリンクフレーションと言うものも起きています(昔のカントリーマアムと今のカントリーマアムの大きさの違いを比べてみると分かりやすいでしょう)。

そんな感じの状態が続き、経済力は今まで新興国と言われていた国に追い抜かれ、もはや先進国とは呼べないような状態となっています。

つい最近、テレビ東京で海外に出稼ぎに行く日本人の特集を報道した時は驚愕しました。

「出稼ぎって途上国の人が先進国に行ってやるものだよね」と今まで思っていたのですが・・・。

更に怖いのは、それでも考えを変えようとしない人が日本には多く存在し、現与党が国のために何もしないのに現与党を支持し続け、何もしない現与党の様子を黙って見ていて何も行動を起こさない人がいる、そもそもこの事に関心を持たない人が多数いる状態です。

この状態が続くと七匹の痩せた牛は日本をもっと食い荒らし、大飢饉に匹敵する状況がやって来て、今度は失われた40年と言う言葉が出てくることでしょう。

この時の日本の様子を自分は想像したくはありませんが、最悪の状況は想定しなければいけません。

まとめ

「七匹の太った牛と七匹の痩せた牛」の話は豊作の時こそ凶作に備える、つまり、うまく物事が進んでいる時こそうまくいかなかった時が来るのに備えるべきという教訓を聞き手、読み手に教えています。

もし日本人が全員ユダヤ人と同じ価値観を持っていたらバブル崩壊後の失われた30年と言うのは存在しなかったはずです。

しかし、日本人はこの失われた30年というものを作ってしまった。

この原因はバブル期の間に備えをしてこなかったことが原因です。

備えをしたものだけが、その後にやってくる逆境を乗り越えることが出来る。

備えをしなかったものは逆境で富を失い、行き倒れてしまうのです。


良い時があれば必ず悪い時はやってくる。

しかし、悪い時があった後に良い時が来るかと言うと、必ずしもそうではありません。

なので、悪い時があった時に「この後に良い時が来るはずだ」と言って何も対策しないのは愚か者の発想であり、ギャンブラーが負け続けているときに「この後に必ず勝ちの波が来るはずだ」と考えてギャンブルを続けることと何も変わりません。

「七匹の太った牛と七匹の痩せた牛」の話、ここから得るべき以下の2つの教訓はしっかりと頭に入れ、個人レベルでもいいので教訓を活かすようにして下さい。

  • 良いことがあった後は必ず悪いことが訪れる。しかし、悪いことがあった後に良いことが訪れるとは限らない。
  • うまくいっている時こそ備えや蓄えに励み、その後にやってくる悪いことに備えること。備えた者だけが悪いことを乗り越えられる。

今回のお話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

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