今回は家を買うことについてお話しします。
家は人生の買い物の中でもトップクラスに高い買い物と言ってもいいでしょう。
家や土地にかかるお金はもちろん、固定資産税、住宅ローンの利息、リフォーム代など、他にもかかるお金が存在します。
安らぎの場を求めて買うことについては否定しません。
消費する手段で家を買うことは問題ありませんが、資産として家を買う場合は家を買うのにかかる費用をしっかり押さえておく必要があります。
家を買うという常識
結婚して家を買う。
これは、今の時代でも当たり前のように常識として知れ渡っています。
「結婚してマイホーム」というのは今の時代でもあこがれの対象であることは間違いありません。
それは、3LDKのマンションであったり、一戸建てだったりします。
そして、多くの人はローンを組み、家を購入してそこに住みます。
ローンを20年以上かけて支払い、払い終えるともう定年間近かすでに定年を迎えている。
そんな感じでローンを払い終えると家のあちこちが傷んできている。
そうなるとリフォームしてきれいな家にしなければならず、ここでも結構なお金が発生してしまうことになります。
こう考えると家というものはかなりの金食い虫であることが分かります。
家を買うことで背負わなければいけないもの
家とは非常に高価な買い物です。
なかなか現金で一括払いという風にはいきません。
そこで、多くの人は25年、35年という長期ローンを組んで購入します。
ローンを組むと利息が発生します。
利率は通常のローンよりも低いのですが、長期のため、家の購入金額よりかなり多くの利息を支払うことになってしまいます。
また、ボーナス支払いなども出来たりしますが、ボーナスが出なくなると何も準備がないと行き詰まることも考えておかなければなりません。
マンションの場合、管理費と修繕積立金が必要になります。
家を買うと固定資産税納付も付いてきます。
そのため、家を買うお金以上の負担が出るのは、一戸建て、マンションでも注意しておく必要があります。
老朽化すると、その家に住み続けるのに危険が伴うようになります。
そのため、リフォームをして家を新しくする必要があるのですが、大体はプロにお任せすることとなり、ここでもかなりの費用が発生してしまいます。
リフォームを行うのは家を建ててから20年以上経った時が多いと思いますので、40代から60代くらいでリフォーム代を用意しなければなりません。
もし一括でお金を用意できないとまた借金をすることになります。
そのため、家のローンを払いながら将来のリフォーム代の積み立てを行うくらいは最低でもやっておかなければなりません。
減価償却費
家は固定資産の一つです。
しかも、いつまでも綺麗な状態ではなく、年が経つにつれ劣化していきます。
資産価値が年が経つにつれ減少していくのです。
家が30年で定額で価値が減少していき、資産価値が10%になるとすると、毎年3%ずつ元の資産価値から資産価値が減少していきます。
この資産価値の計算の仕方を減価償却と言います。
3000万円で購入した家(土地代を除く)とした場合、30年で資産価値が10%になるとすると30年後には300万円になります。
この30年間で2700万円の価値が減少しているので、毎年90万円、資産価値が減少していきます。
そのため、毎年90万円の減価償却費がかかるということになります。
今回説明した減価償却については今回は問題を簡単にするため定額法で計算しています。
詳しく知りたい方は市販の簿記の教科書を見ていただければわかるかと思います。
なお、建物の資産価値が減損しても地価が上がると家の価値がそれほど下がらない、むしろ上がる場合もあります。
資産として家を買う場合は、将来の地価の変動を考えて買う必要があります。
ローンの返済終了時の年齢の高齢化
最近こんなことを聞きました。
家のローンを返し終えるのが75歳になるということがあるそうです。
40代で35年ローンを組んで家を買うと確かにこれくらいで払い終えるのですが、還暦を迎えて15年も家のローンが残っている状態はかなり危険かと思います。
60で退職してその後の人生をぬくぬく過ごすわけにはいかなくなりますし、定年を過ぎると再雇用として会社に残っても嘱託社員扱いなどでかなり給料が下がってしまいます。
退職金があればまだましなのですが、退職金がない会社で定年までいた場合、今までの蓄えがしっかりないと地獄を見ることになるでしょう。
リフォーム費用や修繕費を合わせると払えるのかと心配になりそうです。
普段からしっかりと貯蓄や投資など、資産を増やす行動をしておかなければ、ローンを払い終わったら人生があとわずかしかない。
下手をするとローンを払い終える前にこの世を去ることになる。
これは笑えない状況だと思います。
今後はこういう住宅ローンの問題はもっと深刻になるのかもしれません。
退職後の楽しい人生を期待していたのにローンで苦しめられるのは「自分の人生っていったい何だったのか?」と考えさせられることになります。
家の価値について
家を買うためには地価の今後の変動も重要になってくると思います。
家の価値や地価が上昇すれば売却時に高く売れますし、低下すれば本当に二束三文でしか売れないということもあり得ます。
田舎や郊外の交通の便がよくなかったり、生活環境が良くないところはこの地価の低下のリスクが高く、人が出て行く地域の場合は基本的に地価が下がると思っていいでしょう。
逆に土地開発などで栄える、近くに駅が出来たなどの場合は人が集まるようになり、より多くの住宅が必要になります。
そうなると、土地の需要が増え、地価が上がっていくのです。
家を買うことが資産を買うことだという人は多いですが、多くの人にとってはそうではなく、資産とならないことが多いです。
本当に資産となる家やマンションはすぐに売れてしまいますのでなかなか手に入れることが難しいですし、普通に情報収集してもまず巡り合うことがありません。
もし資産として家を買うのであれば、モデルルームを買ったり、不動産の言いなりになって買うのはやめておいた方がいいです。
しっかりと情報を集め、納得がいくまで探して家やマンションを買うようにしましょう。
ただし、消費として家を買う場合や住宅に安らぎを求める場合はこの限りではありません。
まとめ
今回は家を買うことについていくつかのトピックに分けて説明をしてきました。
家を買って幸せな暮らしを・・・というのが最近ではそうもいかなくなってきています。
ローンや管理費、固定資産税、修繕積立金など、購入価格以上の負担があるため苦しんでいる家庭も多いようです。
また、家を買うと簡単にその場所を移動できない(引っ越しできない)というデメリットもあります。
住む場所をよく変える人は賃貸の方が良いでしょう。
今後一生ここに住むという人は家を買うという選択肢もありますが、くれぐれもハズレ物件を選んで後悔することの内容にしたいものです。
家を買うのに必要なのは情報集めとマネーリテラシーだと思います。
お金に関する知識を身に着けて不動産屋の売りたい物件ではなく、自分の買いたい物件を買えるようになると家を買うリスクも少なくなると思います。
リセールバリューを考えて家を買うことが出来れば、将来家を手放す時に二束三文で手放さなくて済みますので、消費として家を買う場合も余力があればここまで考えてみるといいでしょう。
今回の話は以上となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。