会社が求める普通の人とはどんな人なのか?人手不足なのに高望みする会社。

広告 お金の話 仕事の話

会社が求める普通の人とはどんな人なのか?人手不足なのに高望みする会社。

2024年現在、業界は人手不足に悩まされています。

多くの会社が求人を出して人を集めようとしているのですが、「普通の人でいいのになかなか集まらない」といった「普通の人」という言葉を使う会社があります。

この会社が言う「普通の人」とはどんな人のことを指すのでしょうか?

今回はこれについて考えていきたいと思います。

普通の人の本来の定義

普通の人とは、平均的な能力を持つ人、または中央値付近の能力を持つ人です。

偏差値で表すとだいたい47~53くらいになるでしょうか?

これくらいの人が普通の人に該当することとなり、これより下の人が優秀ではない人、これより上の人が優秀な人と言うことが出来るでしょう。

ただ、これは1つの面で見るのではなく、人には色々な面がありますので、いろんな側面から見ると、優れたところと劣っているところがあります。

ですので、これらを総合的に見て偏差値を見て47~53くらいの人が普通の人と考えた方がいいでしょう。

仕事の実力が平均的であり、大きな成功もしないけど、大きなチャレンジをしない人。

勝手に行動することも少ないため、大きな失敗をすることもない。

それが仕事における普通の人であると言えます。

会社が求める普通の人は本来の意味の普通の人の定義とは外れる

会社が求める普通の人は本来の意味の普通の人の定義とは外れる

一方で、会社が求める普通の人はちょっと違うかなと、会社の求人などを見てみると感じています。

普通に仕事ができ、普通にコミュニケーションが出来、普通に気遣いが出来、普通に何年も働いてくれる。

そんな風にいくつもの普通の条件を持っています。


婚活で例えるなら、年収500万円以上で身長175cm以上、普通にエスコートが出来て、普通にいいお店を知っていて、普通におごってくれる。

顔は星野源さんくらい、家事の能力も普通にあり、長男ではない。

こんな感じでいくつも条件を述べながら普通の人を求める人がいるのです。

確かに1つ1つの条件は普通かもしれませんが(星野源さんの条件と長男ではないという条件は除く)、この普通であることの条件をいくつも持つことで、求めている人は普通の人ではなく、数百人から数千人に一人のハイスペックな人を求めることになります。

もちろん、そんな人がいても簡単に付き合いをOKするわけではなく、いろいろなことを事細かく見て、減点方式で厳しく評価する。

こんなことをするために相手が見つからずに婚活で撃沈する人がいるわけです。


会社の求める普通の人も同じようなことが言えるのではないかと思います。

いくつもの普通の条件を持っている人が普通の人だと思っている。

例えば、プログラミング経験3年以上、SQL、Javaの知識必須、SpringBootの知識歓迎、リーダー、プロジェクトマネージャーの経験歓迎、未経験NG、年齢は35歳まで。

さらに求人に書いていない条件をいろいろと裏で設定している。

これがすべてできる人は結構なハイスペックで年収は600万円以上あってもおかしくないのに、年収450万円で募集している。

つまり、普通の人を求める会社は普通の条件をいくつか並べてこれが普通の人だろうと思っているのですが、実際はハイスペックであり、結構転職市場や就職市場で引っ張りだこだったりする。

なので、しっかりとハイスペックな人材であることを見抜いて給料をしっかりと保障してくれる会社に採用されてしまい、その人を採用できないことも多いのです。

普通の人を普通の待遇で雇いたいと言いながらいくつも条件を付けるような会社は考えを改めたほうがいいでしょう。

貴社が考える普通の人は普通の人ではありません。

そう、言いたくなりますし、いくつもの普通の条件を満たす人が普通の人であるという考えを持ち続けると人手不足が深刻化し、今度は誰でもいいという考え方になり、平均以下の人しか採用できず、経営状況がどんどん悪くなっていきます。


何でも平均的にこなせる人はハイスペックだとお話ししましたが、それを普通だ、当たり前だと思っていると、評価も普通、給料も普通か安いくらい・・・となってしまいます。

何でも普通にこなせる人は突出した能力を持ちませんが、何でもできるので貴重な存在です。

どんな仕事を任せてもしっかりこなします。

特に相手に気遣いが出来るような人であれば、他の社員や顧客からの信頼もしっかり得ることが出来、会社の中心となって働くことも可能なわけです。

それを、能力が普通だからと言って評価を普通にしてしまうと、その社員は納得しないでしょう。

その社員は退職を決意し、本当に退職してしまい、別の会社に転職してしまいます。

その時に抜けた穴の大きさに気づいても遅いのです。

何でも平均的にやれるので、どんな仕事でも引き受けて、きちんと結果を出してくれる。

こういう人は他の社員の二人分、三人分くらいの仕事をこなしていることも少なくなく、残った人たちだけでは仕事が回らないということも少なくなりません。

そして、求人を出しても会社と同じレベルの人しか応募に来ませんので、どうしても納得が出来ない人ばかりが応募してくるため、人が集まらないということになります。

そして「普通の人でいいんだけどな」と言い続けながら、自分の会社と同じレベルの応募者を不採用にし続けて、来ることの無いハイスペックな人を待ち続ける。

その結果人手不足となり、残っている社員の負担が増えるだけではなく、会社が回らなくなり、倒産してしまうことだってあります。

会社が生き残る唯一の方法は自社と同じレベルの人を採用し育て上げていく、そして自分の会社の価値を高めていくことですが、それをしないため、暗い未来を迎えることになるのです。

会社の求める「普通の人」は高望み

会社の求める「普通の人」は高望み

会社が求める普通の人は、本当に普通の人でいいということではありません。

中途を募集している会社はいい人材を求めているので、なるべくいい人を採用し、即戦力として働いてもらいたいと思っています。

しかし、そういう人は優秀な会社からも欲しがられるので、優秀な会社に取られてしまい、優秀ではない会社に入ってくることはありません。

つまり、それなりに優秀な会社が普通の人でいいと条件を絞って求人するのは妥当ですが、優秀ではない会社がいくつもの普通の条件を立てて求人をすることは高望みであると言えます。

平均を10回かけ合わせていくと1000人に一人の優秀な人になります。

それと同じように普通の条件をいくつも並べて、それに合う条件がいる割合をかけ合わせていくと、数百人から数千人に一人の逸材を求めることになります。

これが普通の人を求めていることになるかというととてもそうは言えず、まず「身の程をわきまえろ」と言いたくなりますね。

普通の人が欲しいのであれば、優秀ではない会社は条件を3つから5つくらいに絞って求人するだけでも苦労すると思います。


求職者に何かを求めるのであれば、求職者に何を与えられるかと釣り合っていなければ、求職者に魅力を感じてもらえません。

求人に応募してきた人が入社後に何も与えられない会社な魅力的ではなく、働く価値も低いです。

固定残業代(みなし残業代)を言い訳にして残業代を支払わない、休日が少ない、賞与はなしか寸志、有給が取れない、退職金が出ない。

それなのに残業を社員に求め、土日も仕事の電話をして対応を求めて繋がらない権利を侵害する(もちろんその分の給料を支払わない)、そんな会社でいくつもの平均を満たしている優秀な人が働いてくれるわけがないということです。

上記条件で働く人がいたとしても、それは他に行くところがない低スペックな人。

会社が面接で落とし続けてきた人の中に必要な人がいたということも珍しいことではありません。

そのため、「普通の人でいい」というあいまいな表現を使うことはやるべきことではなく、しっかりと会社の方針にあった人を採用すること。

それでも途中で働く人の考え方が変わって退職することもありますが、条件ありきで考えないことが最も人を採用するうえで大切であると思います。

もちろん、持っている経験やスキルについては条件を付けたほうがいいこともあります。

しかし、あまりにも求人に狭い条件を付けるとそもそも応募してくれる人がいなくなるということがあります。

なので、いくつも条件を付けて高望みな求人をするのではなく、条件をいくつか満たしていなくてもコアな部分を満たしていれば書類を通過させ、面接してみるくらいの気持ちが必要でしょう。

大手企業には何もしなくても求人に応募する人が来ますが、中小零細企業は何かアピールできる技術や製品、サービスなどが存在しないと他社との差別化が出来ず、人を取り合うレッドオーシャンで人を探すことになります。

なので、「普通の人でいい」と言いながら高望みして自社に似合わないハイスペックな人を求めているだけでは人手不足は解消しないことをしっかりと認識したうえで、待遇、技術など何か差別化できるものを会社がアピールできる状態にしておくことが必要となります。

今回のお話は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

次の記事

前の記事

-お金の話, 仕事の話
-,